鞄を持った女

劇場公開日:

解説

「激しい季節」のヴァレリオ・ズルリーニが監督作。ズルリーニ自身とベンヴェヌーティ、ベナッティの三人がシナリオを共作している。撮影を受けもっているのはティノ・サントーニ。音楽をマリオ・ナシンベーネが担当している。出演するのは「若者のすべて」のクラウディア・カルディナーレ、新人ジャック・ペラン、ルチアナ・アンジェリッロ、レナート・バルディーニ、リカルド・ガローネ、コラド・パニ、ジャン・マリア・ヴォロンテ、ロモロ・バリなど。

1961年製作/イタリア
原題:La Ragazza con La Valigia
配給:映配
劇場公開日:1961年10月24日

ストーリー

夫を失ったアイーダ(クラウディア・カルディナーレ)はリッチオーネのナイトクラブの歌手だった。言い寄るマルチェロ青年と親しくなった彼女はある夜彼と二人旅に出た。が、放蕩者の彼はパルマにある家の近くで彼女を放りだし、姿をくらました。なれぬ土地でやっとマルチェロの家をさがしあてた彼女は、彼の弟ロレンツォ(ジャック・ペラン)に会った。兄から女を追い帰すよう言われたものの、ロレンツォは美しいアイーダの困惑を見て、彼女を助けた。そして人知れず金品を彼女に送って一途な愛情をよせるようになった。ずるい男たちしか知らなかったアイーダも彼を心からいとおしむようになり、二人は愛し合った。しかし間もなく二人の間はロレンツォの家庭教師である牧師に知られ、叔母の耳に入った。牧師はアイーダをパルマから去らせた。リッチオーネに帰ったものの、バンド・マスターはアイーダを復職させてくれなかった。せっぱ詰った彼女はナイトクラブの経営者に身を任せる決心をした。そこに現れたのは彼女を追ってきたロレンツォであった。彼は経営者に殴りかかった。けれども反対に彼はさんざん叩きのめされた。月影の浜辺で二人はやっと抱きあった。だがアイーダは二人の愛がロレンツォの将来に禍いをのこすのを恐れ、彼をパルマに去らせた。ロレンツォはアイーダの手に一つの封筒を残して去っていった。その中には重い札束がぎっしりとつまっていた。こうしてアイーダはいまわしい境遇から抜け出すチャンスと生活の糧を得た。人影のない深夜の歩道を、アイーダはただ一人で感慨無量に歩みつづけるのだった。

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映画レビュー

3.0クラウディア・カルディナーレ=CC。カントリークラブではない

2019年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 男とドライブ中、我慢できなくなって茂みにておしっこしちゃうCC。兄弟の家は大邸宅。16歳の少年ロレンツォ(ペラン)は学校に行くんじゃなくて、神父の個人授業によって勉強している。大邸宅にはバスルームがいっぱい。その中でも黒い浴槽がアイーダのお気に入り。ブルジョワの象徴のように思えたのかもしれない。

 少年が年上の女性にかなわぬ想いをよせる映画は数多くあるが、ここでのCCは雰囲気に弱く誘われると断れないようなごく普通の性格。しかしCCから放たれるフェロモンはどんな男でもいちころなのだ。ホテルのレストランで少年とともに食事に誘われ中年男性とダンスを踊る。女を取られたような嫉妬心がピリピリ伝わってきました。かなりディカプリオの雰囲気にそっくりのジャック・ペランだ。

 だけど、視点が定まらない映画だ。ジャック・ペランに感情移入したまま、途中からはアイーダの視点になり、不運な女を強調する。クラブ歌手という設定なのに歌は全く歌わないのも残念なところ。CCのセクシーさもそれほど感じられなかった。

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kossy

3.0古い

2017年11月26日
PCから投稿

16歳の金持ちの少年が、自分の兄の元彼女(年上)に恋心を抱く話。

少年はまだ子どもであり、禁断の恋は発展するのか、
というようなことが描かれている。

もっとも恋愛観も貞操観念も現代とは違いすぎて感情移入できない。
当時の人たちの感覚を知る、という意味では観る価値があるかも。

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もりり

3.0繊細な少年の純粋さが丁寧に描かれている。クラウディアのような女性が...

2017年9月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

繊細な少年の純粋さが丁寧に描かれている。クラウディアのような女性が現れたら魅せられてしまうのが当然だろう。本当に美しい。それにしても今と比べると昔の16歳は大人だった。

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tsumumiki
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