ガス燈のレビュー・感想・評価
全20件を表示
よく出来てるストーリー
グレゴリー の目が本当に嫌だった〜。毎回あんな事言われたら、マジで大嫌いになるわ〜。ポーラは素直なんだなぁ。わたしだったら、毎回人のせいにすんなー!って喧嘩になりそう。
でも、謎を解いた警察の話しを1回で理解してくれて良かった。あそこまで洗脳されてたら、話し聞き入れないとかもありえそうだから。
【”屋根裏の散歩者。”全編に漂う若き美しい夫人を精神的に悩ますガス燈の仄暗くなるシーンや彼女の夫になった男の不可思議なる行動る、言動に魅入られるサスペンスミステリー作品。】
■ロンドンのソーントン広場。人気歌手だった叔母アリスが何者かに殺され、その遺産を相続したポーラ(イングリッド・バーグマン)は、留学先で知り合った音楽家のグレゴリー(シャルル・ボワイエ)と結婚する。
二人は亡き叔母の家で暮らし始めるが、やがてグレゴリーはポーラの物忘れの激しさを指摘。ポーラは次第に不安と焦燥感に苛まれて行き精神的に不安定になっていく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・最序盤の男が女性を襲う影絵のシーンから、物語の流れが何となく予想できてしまったが、そのまま鑑賞。
・若きイングリッド・バーグマン演じるポーラが、愛していた人気歌手だった叔母アリスの死体を発見した事が冒頭で、ナレーションで語られる。
ー で、観る側は彼女のトラウマと、彼女が神経症ではないかという思いに捕らわれる。-
・ポーラに近づいて来た留学先で知り合った音楽家のグレゴリーは、最初は彼女に優しく接するが、徐々に彼女の物忘れ癖などをさり気無く指摘し、彼女を精神的に追い込んでいく。
■だが、迷宮入りになっていたアリスの殺人事件を密かに探っていたブライアン・キャメロン警部(ジョセフ・コットン)
彼は、幼い時から人気歌手だったアリスのファンであり、彼女の手袋の片方を貰っていた事が、劇中さり気無く語られる。巧いなあ・・。
・後半、グレゴリーがドンドンポーラを精神的に追い詰めて行く姿。
ー 手伝いのナンシーなどの姿などが、観ている側を惑わせるが、彼女が付き合っていたのはブライアン・キャメロン警部の配下の警官であった。
■再後半、グレゴリーがポーラに近づいた理由が明らかになるシーン。彼はアリスを殺害した際に、取ろうとしていた宝石を幼かったポーラが物音に気付き、三階から降りてきた事で目標を達成していなかったのである。
<今作は、徹頭徹尾、全編に亙る不穏な雰囲気が漂う中、叔母を殺された若き女性ポーラが真実に気づく姿と共に、ポーラを演じた若きイングリッド・バーグマンの精神病的な心を抱えた女性を演じる姿が、印象的な逸品である。
ガス燈というタイトルも、秀逸であると思った作品でもある。>
アメとムチを4:6で使い分け、じわじわ 苦しめていく気味が悪いスリラー
事件の黒幕が、序盤に出てくる手紙のことでしれっとわかってしまう。そしてわかってしまったために、ここから始まるグレゴリーの執拗で陰湿な辱めが非常に気持ち悪い。
アメとムチを4:6で使い分け、愛をちらつかせながらポーラを苦しめていくのが、観ていて非常にじれったい。愛が絡ませてくるために余計じれったいし、なんだかねちっこい。これがまだ黒幕がわからない状態であるならスリラーとしてシンプルにドキドキできたのかもしれないのに・・・。ただただ陰湿な追い詰め方に気持ち悪さと飽きが来てしまう。黒幕を隠しながらであったならと残念でならない。面白さがあまりない。付け加えて、サスペンス小説好きのおばさんを登場させる必要性はいったいどこに?
本作でアカデミー主演女優賞に輝いたイングリッド・バーグマン、はて、これが名演なのかは甚だ疑問が残る。観ててチープなオーラしか漂ってこない。どこが良かったのかわからない。むしろ主演男優のシャルル・ボイエガの奇妙な面立ちとパフォーマンスにこそ脚光を浴びるべきに思うんですが。
ちょっとの驚きは、美女と野獣(1991)のポット夫人役のアンジェラ・ランズベリーがメイド役でデビューしていたこと。わずかに歌うシーンがあったが、これがミュージカル映画への布石になったのかなぁと想像したら、ちょっと面白い。
『幸福は芸術より尊いよ』がいけなかったのか?
最初のグアルディ先生の言葉
『幸福は芸術より尊いよ』がいけなかったのか?
イングリット・バーグマンの生声なのか?だとしたら凄い。
恋よりも芸術が勝ると思うが。それを示唆しているのかも。
コモ湖とは『赤毛のレドメイン家』ミステリー好きのおばあちゃんはアガサ・クリスティ、霧に咽ぶロンドンは正にシャーロック・ホームズ。影の使い方が『第三の男』
この映画の作風も『シンデレの罠』見たいな気がする。違うかなあ?
それは兎も角、サスペンス感は満載。
ガス燈と言うと手塚治虫先生の『ある街角の物語』を思い出す。ミステリーではないけど。
脚本と役者の映画です
もともとヒット舞台劇なので、お話と脚本は高水準です。演出は普通で、切れ味はあまり感じませんが。
バーグ君、オスカー取った割に普通だと思ってたら、最後の方で段々ドライブかかってきて圧巻の演技力でした。
でも、一番のお手柄はツンデレ女中さん。こりゃ面白いと思ったらオスカー候補演技だってんで、我ながら評価眼アリでご満悦。
しかし、主演のポワチエ君、のっけから粘着質でうさん臭くてちょっとバレバレでしたね。
麗しきイングリットバーグマン
イングリッドバーグマン扮するソーントン街で叔母を殺されたポーラは歌手になるためイタリアへ旅だった場面から始まる。ところが歌に身が入らないほどポーラは恋をしていた。シャルルボワイエ扮する作曲家グレゴリーと結婚したポーラだが、叔母が亡くなった家で暮らす事になった。
美しく着飾ったイングリッドバーグマンが麗しいね。しかし、グレゴリーによって物忘れが激しいとか精神的に追い込まれていき物憂げになる表情も素敵だったね。恐怖サスペンス的な展開だが、全てにおいてイングリッドバーグマンを観ているだけで満足出来たよ。
ガスライティングという言葉の語源になったというので観たんだけど、思...
ガスライティングという言葉の語源になったというので観たんだけど、思っていたのとは違った。
集団じゃなく単独犯だからそんなに酷い内容でもない。金品目当てのモラハラ嘘つきカス野郎が妻を精神虐待していて、それが明るみになるという内容。
ラストは主人公が恨み言をいうだけででスッキリしない。クソメンが自らの手法で自滅して欲しかった。
今では名前がついて一般に認識されている「洗脳」とか「モラハラ」とい...
今では名前がついて一般に認識されている「洗脳」とか「モラハラ」というとらえどころのない悪意が、この時代の映画でも描かれていることに新鮮な驚きがあった。昔の映画って感情表現とかが劇場的で付いていけないって思うことが多々あるけど、この作品は今のサスペンスと変わらないドキドキ感だった。
思いのままに操られて。
カルト宗教を感じさせるマインドコントロールという巧妙な罠。
人間はとても弱くて、思いのままに操られてしまう。
名作をやっと鑑賞。
イングリッド・バーグマンに初めて会えました。
追い詰められるバーグマンの演技
財産目当ての音楽家の夫に自分は精神病だと仕込まれていく、不安と恐怖の心理表現を巧みに演じるバーグマンの映画。この演技でアカデミー賞を得るが、元々評価の高い戯曲であるし、誰もが予想できた結果なのかもしれない。キューカー監督と共演のボワイエが彼女を支える。
イングリッド・バーグマンの健康的な美しさ。 それだけが目当てで期待...
イングリッド・バーグマンの健康的な美しさ。
それだけが目当てで期待せずに見始めたが、面白い。どんどん引き込まれてしまいました。
人ってこうやって洗脳されていくんだ、現代の犯罪にも通じるところがあり、非常に怖い。モノクロなのが不気味感を増幅、下手なホラーよりよほど怖い。
にしてもやっぱり素敵です、バーグマン。
ただの超絶美人女優ではない
自分は鬱ではないか。そして、自分は鬱なのだ。この段階を演じ別けるイングリット・バーグマンが素晴らしい。ただの超絶美人女優ではないのだ。
最後に精神に異常をきたしたこと(にしたい相手の魂胆)を逆手にとって復讐をするところでスカッとはしなかった。一度は愛した人を犯罪者にする決断をした彼女も、人の心の中に棲む鬼に出会ったことだろう。
洗脳
すぐにストーリーは読めてしまうのですが、心理描写が細やか且つ丁寧で、ぐいぐい引っ張られました。
最後ガス燈のように、Gregoryの瞳に取り憑いた欲望の炎が光っていました。
気味の悪さがすごい
BSNHKでしてたので視聴
ガス燈を夫がつけるシーンが印象的でした
そこから始まる恐怖の日々…
支配的な夫のいや~な感じがよく表現されていたし
自分をしっかり持っていない稚拙な妻っていう構図も見ててすごく…
胸がムカついてきてしまいました…
特に演奏会のシーンなんて、みてるこっちがノイローゼになりそう
イングリットバーグマンはもちろんのこと、
おせっかいの近所のマダムに、お手伝いさんの2人もいい役でした
シャルルボワイエがなんだか相棒の右京さんに似ていた
あの人を観察するような冷たい目!
昔の映画って目がキラキラしてみえて、
俳優ってほんとにすごいな、と思いなおさせる映画でした
話は単純だけど、怖い。
一番身近で信用している夫から、些細なことで精神病呼ばわりされて、次第に主人公が追い詰められていく。物語は単純ですが、人間は、たやすく他の人間に支配されてしまうことがよく分かり、とても怖かったです。夫役のシャルル・ポワイエの冷酷さと、バーグマンの気品ある雰囲気が対局的で、強烈な印象が残る映画でした。
恐怖・・・
「恐怖映画」は、数々あると思うがこれほど怖い映画は少ないと思う。
映像はすべて綿密に進み、ジワジワと恐怖がしみてくる。
また、1947年の映画でありながら古びない。
そして、イングリッド・バーグマンは美しい。
最高に怖いが、大好きな映画だ。
ゆっくりじわじわと迫る緻密な計画
総合:65点
ストーリー:60
キャスト:70
演出:65
ビジュアル:60
音楽:65
見ているうちにすぐ、普通の人を洗脳していくために立てられた緻密な計画なんだというのがわかってくる。家庭内暴力があっても妻が夫から離れないのは一種の洗脳状態にある場合も多いというが、これもまたそれに近いのかもしれない。ただしかなり意図的に計画的にそれが行われている。夫の緻密さと人の心理を操る知識と技術は相当なもの。それにしても10年前の犯罪から始まって、さらに姪を探し当てて惚れさせ、結婚し、引っ越しさせ、洗脳していく。何ともしつこいというか執念深いというか。バーグマンよりもこの夫のほうの印象が強かった。
しかし物語自体は単純で、最初のほうですぐに誰が犯人で誰が被害者で誰が正義の味方かがわかってしまう。何が背景にあるのかは完全にはわからないのだが、おそらく高貴な人の宝石に関連があるのだろうというのも容易に想像できる。おそらくそれは謎解きよりも夫の行動に焦点を置いた製作者の意図であるのかもしれないが、だから話の展開はすぐに読めてしまって、犯罪物というには底が浅い。
恋愛にこそ、本物の悲劇があるんだよ
映画「ガス燈」(ジョージ・キューカー監督)から。
1944年製作なのに飽きることなく、観終えた。
もちろん、最近の映画に比べれば、
トリックとも呼べないような謎解きであるが、
主演のイングリット・バーグマンを眺めるだけでも
満足してしまうほどの安定感がある映画と言える。
映画冒頭、こんな会話が交わされる。
「私の声は歌手に向かないと思うんです」
「恋してるんじゃないかね?」「えぇ」
「恋でこんなに変わるとは思いませんでした。
今は幸せすぎて、悲劇など理解できません」
「恋愛にこそ、本物の悲劇があるんだよ」
何気ない音楽の先生と彼女の会話だが、
物語が進むに連れて、意味を持つようになっていく。
結婚詐欺に引っ掛かる女性には、耳が痛い台詞かもしれない。
男が彼女に近づいてきた理由は、ある目的のためだったから。
「この家を自由に使うためかもしれません。
堂々と探し物ができるようにね」の台詞で説明がつく。
騙された女性は悲しみに涙するが、
「朝になれば、夜だったのが嘘のような気がしますよ」と
慰められるシーンは、現代と変わらない。
出演者が少ない分、ゆっくり鑑賞できる作品とも言えそうだ。
P.S.
好奇心旺盛のおばさんが時折つぶやく「おやまぁ」の会話が、
物語にどう関係しているのか、気になっている。
全20件を表示