劇場公開日 1968年2月24日

「予想外の能天気さにびっくり」俺たちに明日はない akiraさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0予想外の能天気さにびっくり

2018年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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楽しい

興奮

ボニー&クライドのカップル強盗の連続強盗殺人逃亡劇
という程度の予備知識しか無かったので、もっと暗い作風だと想像してたのだが
何この作品全体に漂う妙な能天気さは?
全編通じて何か陽気なカントリーミュージックのBGM流れてるし
年配の家族と警察や保安官以外、割と二人に好意的だし
(貧乏人からは盗まなかったので、世間では義賊的扱いだったという事情はあるけど)
終始二人だけかと思いきや、共犯者三人もいて一時は疑似ホームドラマ状態だし
逃亡中だと言うのに、不用心に街中ウロウロするし
まあそれだけ1930年代の不況のアメリカは狂ってたということなんだろうな
それにしても、その狂った時代のアメリカとは言え、いくら相手が強盗殺人犯でも丸腰の相手をトミーガン(ドラム型弾倉で50発ぐらい連射出来るサブマシンガン)でハチの巣は、当時の感覚でもアウトだと思う
まああれは保安官の私怨の分が多分に入ってそうだけど
あと気の強い女が集団を引っ張って破滅に向かう図式は、連合赤軍を思い出した

余談だが、ドラマ版「ワイルド7」に、この作品をモチーフにしたようなエピソードがある
サブタイトルは「200KM/H心中」
カップルが偶然手に入れたサブマシンガンで強盗を繰り返しながら逃亡
たまたまレギュラー悪の組織の武器輸送用トラックを盗んでしまい、その組織にマシンガンでハチの巣にされて二人揃って死亡
そのカップルの男性を演じたのは、前年に「帰ってきたウルトラマン」で主役の郷秀樹を演じた団時朗さんだった

akira