乙女の祈り(1994)のレビュー・感想・評価
全5件を表示
夢と現実
妄想の中、粘土細工の人間たちが不気味だ。映像を見る限りでは、普通のレズビアンじゃない。チャールズ王とデボラのストーリーをモチーフに繰り広げられる小説が、二人の共通の妄想となり、現実を拒否する性癖がシンクロしてしまう。
心理学の専門家が見たら、穴はいっぱい見つけるのだろうけど、ホラーの秀作『ブレインデッド』を撮ったジャクソン監督の鬼気迫る少女の描写のおかげで妙に納得させられてしまう。それに、ニュージーランドの自然の映像を背景に悪魔が乗り移ったかのようなメイクのコントラストがすごいのです。
しかし、後半のジュリエット(ウィンスレット)の心理描写は、犯罪を躊躇っているようにも見えたり、精神錯乱状態のポウリーンから一歩置いた様にも見える。ポウリーンの狂気の表情は良かったんだけどなぁ・・・
見事な倒置法でラストシーンの衝撃は強烈な印象を残す
見事な倒置法による導入部
私達は結末に血塗れの惨劇が起こることを知らされる
それは誰か?、なぜなのか?
それが少しづつ明かされていくのだ
かといって推理サスペンスものではない
あくまでも二人の少女の多感な思春期の物語なのだ
美しいニュージーランドの光景と共に、1950年台の雰囲気が映像から溢れんばかりの撮影の見事さで語られるのだ
ラストシーンの殺害シーンはこれ程に目を背けたくなる、胸が張り裂けそうになるシーンは無いと言って良い
既に終盤にかけて殺されるのは誰か、その理由は何かを私達は知っていながら、その理不尽さ、最早確実に起こることを知りながら劇の進行を見守るしかないのだ
それ故に、殺されなければならなかった人物の真心をたっぷりと目にしてきているのだから、その惨劇は圧倒的な悲しみと、避けられない悲劇を止められないもどかしさに胸が掻き乱されるのだ
過ぎ去ってしまえば何故そのような行動に走ってしまったのか
多感な時期の錯乱で片付けても良い
しかしそれは大人でも同じ事だ
結局ジュリエットの母の不倫と変わりはしないのだ
第四の世界の粘土の登場人物
第三の男のオーソンウェルズが彼だけが白黒映画から抜け出して白黒のまま追いかけるシーンなどは空想シーンを盛り上げる演出も素晴らしい効果と説得力をもたらしてくれた
そして何よりポーリンとその母、ジュリエットと女優陣の名演は目を見張されるものがあった
ジュリエット役の ケイト・ウィンスレットがあのベティデイビスにどんどん似ていくのだ
これには全くもって唸らされた
PJ作品ということでちょっと期待しすぎてしまった
「拗らせ女子」とか「厨二病」程度ですめばよかったのにね。
お互いだけが世界の全てだと思い込んでしまったが故の惨劇。
それだけですべてがうまくいくわけないのに、子供の浅はかさゆえの過ちがなんともやりきれない。
まあ、小説を書く才能だけは本物だったようですが。
美術担当頑張ったよなぁ。
若き日のケイト・ウィンスレット。
実話を元にしたフィクション映画。
城、庭、駆けまわる少女二人、
危うい関係、14歳という時間
私の好きがつまっています
ただハッピーなお話しでないので要注意笑
全5件を表示