狼は天使の匂い
劇場公開日:1974年2月2日
解説
カナダを舞台に、孤独なアウト・サイダーたちの戦いを描く。製作はセルジュ・シルベルマン、監督は「パリは霧にぬれて」のルネ・クルマン、デイヴィッド・グッディス原作の「暗い金曜日」をセバスチャン・ジャプリゾが脚色。撮影はエドモンド・リチャード。音楽はフランシス・レイ。編集はロジャー・ドワイアが各々担当。出演はロバート・ライアン、ジャン=ルイ・トランティニヤン、レア・マッサリ、アルド・レイ、ティサ・ファロー、ジャン・ガバン、ナディーヌ・ナボコフ、アンドレ・ローレンスなど。
1973年製作/122分/アメリカ
原題または英題:And Hope to Die
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1974年2月2日
ストーリー
トニー(ジャン・ルイ・トレンティニヤン)の逃亡生活は、操縦していたヘリコプターがジプシーの群れの中に墜落し、大勢のジプシーの子供を死なせてしまったことから始まる。ジプシーのかしら(アンドレ・ローレンス)は復讐を誓った。そのためにトニーはパリにいられなくなり、ニューヨーク、さらにカナダのモントリオールに逃げた。しかし執拗なジプシーの追跡のために逃げ場を失い、折から開催中の万国博覧会のアメリカ館に身を潜めた。そこで2人組による殺人事件を目撃したことから一味に捕らえられ、ある島に連れ去られた。島に着くとトニーは、一味のボス、チャーリー(ロバート・ライアン)に引き合わされた。彼の他にも、その情婦シュガー(レア・マッサリ)、マットン(アルド・レイ)、リッツィオ(ジャン・ガバン)、パウルその妹ペッパー(ティサ・ファロー)がいた。チャーリーは、殺されたレナが持っていた1万5千ドルの行方を教えろと迫ったが、トニーは口を割らなかった。この島から逃げるためには橋を渡らなければならず、その橋は1つしかない。うまく渡ったとしても、そこにはジプシーたちが彼を待ち構えているに違いない。しょせん逃げられないのだ。翌日、チャーリーたちは泥棒を働きに出かけた。一方、トニーは月日がたつに従ってチャーリーに親しみを感じ始めていた。シュガーとも親しくなった。やがてチャーリーが計画している大仕事に誘われ、仲間になることを承知した。一味の大仕事とは次のようなことだった。マッカーシーというギャングの大親分が近く法廷で裁かれることになっているが、彼を有罪にする唯1人の証人は頭の弱い女の子で、目下モントリオールの病院に厳重な警備つきでかくまわれている。チャーリー一味はこの証人を誘拐してマッカーシーに引き渡し、礼金100万ドルをせしめようというものだった。病院の隣のコンサート・ホールを足がかりにして病院に入るという計画は完璧のように思われた。決行の日の夜、一味はタキシードに身をつつみ、コンサート・ホールに現われた。だが、マットンの顔を知っていた鼓笛隊の女の子(ナディーヌ・ナボコフ)が警察に通報した。そんなこととは知らない1味は、ホールの地下室から隣のビルに入った。この間に警官隊が駆けつけ、ボックスにいたシュガーを逮捕した。チャーリーがトニーを引っぱりこんでやった仕事はすべて芝居だった。生き証人として入院していた精神薄弱児はとうに死んでいたので、チャーリーはペッパーを替玉として使ったのである。マッカーシーがチャーリーに計られたと知ったときは遅かった。チャーリー一味が隠し持っていた拳銃は一斉に火を吹き、マッカーシー一味は次々に倒されて入った。だが、ペッパーとともに島を抜け出したトニーを除いて、一味は警察に包囲された。銃撃戦の末、残るはチャーリーだけとなった。一方、トニーは一旦逃亡を決意したものの、ペッパーを逃がすと、チャーリーと運命をともにするため、自分だけ再び島へ引き返した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ルネ・クレマン
- 脚本
- セバスチャン・ジャプリゾ
- 原作
- デビッド・グーディス
- 製作
- セルジュ・シルベルマン
- 撮影
- エドモン・リシャール
- 音楽
- フランシス・レイ
- 編集
- ロジャー・ドワイア
- 字幕
- 清水俊二