遠雷(1974)
解説
17世紀、スウェーデンの侵略に苦しむポーランドを舞台に、ある青年騎士の恋を中心に描く。製作はヴィルヘルム・ホレンデル、監督はイェジー・ホフマン。ヘンリック・シェンキヴィッチの原作を基にイェジー・ホフマンとアダム・ケルステンとヴォイチェフ・ジュクロフスキが脚色。撮影はイェジー・ウォイチック、音楽はカジミエシュ・セロツキー、美術はヴォチチェフ・クリシュトフィアク、衣裳はマグダレーナ・テスワフスカが各々担当。出演はダニエル・オルブリフスキ、マウゴジャータ・ブラウネック、タデウシュ・ウォムニツキ、ヴワディスワフ・ハニチャ、レシェック・テレシンスキ、カジミェレ・ヴィフニヤレ、リシャルト・フィリプスキ、スタニスラフ・ヤシュキェヴィッチ、フランチシェク・ピェチカ、ピョートル・パウウォフスキーなど。
1974年製作/315分/ポーランド
原題または英題:Potop
ストーリー
オルシャ(現白ロシア領)の青年騎士クミチク(ダニエル・オルブリフスキ)は、1655年1月に、うら若い乙女オレニカ(マウゴジャータ・ブラウネック)に求婚した。しかし、クミチクと彼の仲間たちの傍若無人なふるまいのため、若い2人の間に溝が生じ、遂にはオレニカの親族一党と殺し合いの乱闘までひきおこしてしまった。追っ手をのがれて身を隠さなければならなくなったクミチクは、仲間とオレニカを誘拐した。武名高い騎士ウォジョフスキー(タデウシュ・ウォムニツキ)に率いられた貴族たちに包囲されたクミチクは、ウォジョフスキーに決闘を挑み捕われてしまった。彼は罪状により死刑を宣告されるのが当然だったが、その勇敢さからウォジョフスキーとラジヴィウ公(レシェック・テレシンスキ)に救われ、忠誠を誓うのだった。やがてスウェーデンがポーランドに攻め入り、ポーランド陸軍司令官もスウェーデンに寝返り、クミチクにも祖国防衛の戦いに加わるようにとの指令がくる。しかし、ラジヴィウ公は、スウェーデン国王の保護を受け入れてしまった。忠誠の誓いをたてたばかりのクミチクは悩むがラジヴィウ公に反抗する兵隊達を激しく弾圧し、クミチクの立場を複雑なものにしてしまった。彼の行動はオレニカをはじめ多くの人に祖国を裏切るものと映ったのである。しかし、彼はやがて、自分のつかえる大貴族たちの真の意図を知るにいたり、決心も固く彼らの許を去った。しかし、ラジヴィウ側の陰謀を暴露するべく密書をもっていたクミチクは、そのために彼がヤン・カシエル王(ピョートル・パウウォフスキー)誘拐の意図も持っていると、ラジヴィウ側に言いふらされてしまう。そこで名をバビニツと改め素姓を隠して侵略軍との戦いに参加したクミチクは、なみはずれた勇気を発揮して活躍。王の一隊を身をもって守り、その功をたたえられ、故ない過去の汚名を返上すると同時に、ウピタの町長に任じられた。オレニカとも、こうしてようやく結ばれるのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- イェジー・ホフマン
- 脚色
- イェジー・ホフマン
- アダム・ケルステン
- ヴォイチェフ・ジュクロフスキ
- 原作
- ヘンリック・シェンキウィッチ
- 製作
- ヴィルヘルム・ホレンデル
- 撮影
- イェジー・ウォイチック
- 美術
- ヴォチチェフ・クリシュトフィアク
- 音楽
- カジミエシュ・セロツキー
- 衣装デザイン
- マグダレーナ・テスワフスカ
- 字幕監修
- 清水俊二
受賞歴
第47回 アカデミー賞(1975年)
ノミネート
外国語映画賞 |
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