エレンディラ

劇場公開日:

解説

孫娘エレンディラと彼女に売春を強いる祖母の奇妙な放浪生活を砂漠を舞台に描く。南米のノーべル賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケスの短編小説(『無垢なエレンディラと無情な祖母の悲惨な物語』)を基にマルケス自身が脚色。製作はアラン・ケフェレアン、エグゼキュティヴ・プロデューサーはゴンザロ・マルチネスとオトン・ロフィエル、監督は「メダ、思い出と抹殺」のルイ・グエッラ、撮影はデニス・クレルヴァル、音楽はモーリス・ルクール、衣裳はアルべルト・ネグロンが担当。出演はイレーネ・パパス、クラウディア・オハナ、ミシェル・ロンダール、オリヴィエ・ウェーヘ、ブランカ・グエッラ、エルネスト・ゴメス・クルズ、ピエール・ヴァネック、カルロス・カルダンなど。

1983年製作/フランス・メキシコ・西ドイツ合作
原題または英題:Erendira
配給:パルコ
劇場公開日:1984年3月26日

ストーリー

ある嵐の日。14歳のエレンディラ(クラウディア・オハナ)は、いつものように祖母(イレーネ・パパス)の言いつけ通り、こまごまとした身のまわりの仕事をかたづけると、疲れて寝こんでしまい、ろうそくの火が風に吹かれてカーテンに燃え移ったことに気がつかなかった。屋敷はたちまち燃え盛り、祖母とエレンディラは無一文になってしまった。エレンディラは、人生のすべてをこの過失を償うために生きることになる。村の食料品屋の男やもめ(エルネスト・ゴメス・クルズ)のところヘ連れていかれたエレンディラは、200ぺソと食料3日分とひきかえに彼に処女を与えた。それ以来、売春を商売に国中を巡る二人の旅がはじまった。行く先ざきでテントを張り、通りがかりの密輸業者や無国籍者を相手にしたこの商売は成功したちまちエレンディラは砂漠の人気者となった。ある日、祖母は客たちの列の中に天使のような少年を見つける。ユリシス(オリヴィエ・ウェーヘ)と名のる彼は、父親と共に農場で作ったオレンジを売り歩いているのだ。「明日の朝おいで」といわれたユリシスはそっとテントの中に忍び込んだ。若く清潔な感じのユリシスに、エレンディラは身体を与えた。エレンディラを忘れられなくなったユリシスは、農園で採れたオレンジを3つ持って再びエレンディラの許を訪れた。オレンジの中には本物のダイヤがひとつずつ入っているのだ。祖母の手から彼女を救おうと、ユリシスは、彼女を誘い出して古い車で逃げることに成功するが、たちまち、父親(ピエール・ヴァネック)と祖母に追いつかれ砂漠のまん中で捕えられてしまった。再びエレンディラのテント生活がはじまった。行列は日ごとに長くなってゆく。ある夜、エレンディラは、祖母に殺意を抱いた。しかしいざとなると実行できない。絶望の底から、彼女はユリシスの名を呼んだ。その時ユリシスは目をさましエレンディラの許へと急いだ。エレンディラと会った彼は、祖母殺しを決意した。毒入りの誕生祝いのケーキを大量に食べる祖母。しかし彼女は平然としている。遂に祖母に斬りつけるユリシス。大奮闘の末やっと祖母が息絶えた時、エレンディラはユリシスの呼ぶ声に振りむきもせず、砂漠の彼方ヘと走り去るのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第36回 カンヌ国際映画祭(1983年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ルイ・グエッラ
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4.0ナラティブが紡ぐ「真実」

2022年1月26日
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