エリザベスのレビュー・感想・評価
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【”ヴァージン・クイーン”今作は、16世紀、出自悪くも優れた側近を置き英国黄金時代を築き上げたエリザベス一世の半生を若きケイト・ブランシェットが毅然と演じた歴史絵巻なのである。】
ー 私は、日本史、中国史、朝鮮史などはマアマアだが、中性ヨーロッパの歴史には疎い。英国で言えば、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの離合集散に加え、今作でも描かれる、バチカンが率いるカトリックとプロテスタントの争いや、歴代の王や女王の名前が酷似しており、脳内お花畑の私には、ナカナカキツイのである。
英国歴史映画は結構観てきたつもりだが、今作を含めて、改竄設定も多く、ナカナカ難解なのである。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・これは、皆が認める事であろうが、上記の様な状態でもエリザベス一世を演じた若きケイト・ブランシェットの毅然たる態度には敬服する。
26年前の映画で、あの貫禄である。既に名女優の風格が備わっているのである。
・彼女を長年支えた、フランシス・ウォルシンガム卿(スンゴイ若い、ジェフリー・ラッシュ)を側近にした事が、彼女を偉大な女王にした事が、観ていれば分かる。
・哀しいのは、彼女が恋していた妻子あるロバート・ダドリー(ジョセフ・ファインズ)との恋と別れであろう。
彼女が、生涯独身を貫いた原因でもある。
だが、彼女は彼だけは断頭台に送らずに”戒め”として生かす決断をするのである。
<ナント、ローマ法王からの刺客や、イギリスを新教・プロテスタントに統一されるまでの過程や、自らに反旗の想いを抱くと思われるものは、容赦なく斬首というシーンも、当時は(今でも?)あそこまでしないと、女王としての地位を維持できなかったという事であろう。
フランシス・ウォルシンガム卿の支えがあったとしても、鋼のメンタルの持ち主なのであろう。
今作は、16世紀、出自悪くも優れた側近を置き英国黄金時代を気付き上げたエリザベス一世を若き、ケイト・ブランシェットが毅然と演じた歴史絵巻なのである。>
エリザベス1世版「英雄たちの選択」
ヘンリー8世~エリザベス1世関連映画で、
キネマ旬報ベストテン以内作品として
評価されたのは、
フレッド・ジンネマン監督の
「わが命つきるとも」と
この映画だけだったような記憶だが、
どうだったろうか。
女王と愛人の関係が
開けっぴろげなものだったり、
2人の愛欲シーンが侍女にさらされたまま
だったのか、真実がどうかは分からないが、
事前に、ヘンリー8世~エリザベス1世の時代
を背景とする沢山の作品を観比べると、
なる程、エンターテイメント性に
最も優れた作品に感じる。
終盤の敵対勢力を一掃するシーンは
「ゴッド・ファーザー」を
踏襲したかのような描写だ。
さて、エリザベスはアン・ブーリンの娘
との言われ方が多いが、
他の幾つかの作品観てくると、
むしろ、ヘンリー8世の血筋と言った方が
良い人物では、と感じ始めてきていたが、
この作品を観て確信した。
この作品の中で彼女自身の口から
「私は父王の娘」
との台詞が出てくる位だがら。
基本的に、個人性から公人性への変貌を
エリザベスの成長譚と
言っていいか分からないが、
NHK的に言えば、
「英雄たちの選択」的物語なのかも知れない。
史実とはかなり異なるのだろうが、
運命に流される人物像から
自ら運命を切り開く女王としての変貌を
描いたとも言えるこの映画は、
エンターテイメントとして、
見事な脚本・演出の作品だったのでは
ないだろうか。
エリザベス1世が王女から絶対君主の女王へ。 様々な陰謀に女性として...
ケイト・ブランシェットに尽きる
ダニエルボンド誕生のきっかけ
美しく重厚な衣装、セット、映像。
ケイト・ブランシェットの姿は見覚えのあるエリザベス女王の絵画そのもの。そっくりならいいっていうものでもないけど、想像で補う必要がないくらいの完成度で、英国史に興味が湧いた。
恋人役のジョセフ・ファインズもよかったが、修道士役のダニエル・クレイグも、体を使った凄味のある演技が光っていた。007のプロデューサーがこの映画を見て、ジェームズ・ボンドはDクレイグで行くことに決めたと語っていたが、なるほどだった。
ブーリンの娘
コスチューム・プレイは和洋構わず好き。その時代の生活が想像できて楽しい。お姫様といえばこういう足先が出るか出ないか、というスカート丈と、ギュギュっと締めたウエスト、レース、ジュエリー、の鉄板コーディネート。子どもの頃、こんなプリンセスの絵をいっぱい描いたなぁ。
過去に「ブーリン家の姉妹」を見たけど、記憶がうっすらしかなく、時代背景がおぼろげで、登場人物の名前と顔が覚えられない。エリザベスは王位継承したけど、立場は弱く、とにかく結婚しろと家来達に言われるのが切ない。うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ!
しかしこの意思の強さ、現エリザベス女王に確実に受け継がれてますな。女性のトップはけっこういいと思うよ。日本ももっと柔軟になればいいのにね。
ケイト・ブランシェットは品がいいので、高貴な役が似合う。スンとした感じがいい。女王といえばケイト、ケイトといえば女王。
BS12のかなり前の録画で。
当代随一の演技派女優ケイト・ブランシェット主演のイギリス演劇の見応え
「恋におちたシェイクスピア」でジュディ・デンチ演じたエリザベス1世の前半生の歴史映画。女王同士の確執で有名なメアリー・スチュアートとの映画は多いが、ほぼ単独の映画は珍しいのではないか。過去のエリザベス役の女優を調べると、サラ・ベルナール、ベティ・デイヴィス、ジーン・シモンズ、グレンダ・ジャクソン、と実力ある名女優が名を連ねる。一方のメアリー役は、キャサリン・ヘプバーン、ヴァネッサ・レッドグレイブ、とこちらも凄い。その中で、キャサリン・ヘプバーンの「メアリー・オブ・スコットランド」は観たことがあるが、それは監督がジョン・フォードだったからで、フォード監督にとって最も似つかわしくない題材であった。日本の戦国時代にあたるイングランド王国の政治と宗教の板挟みにあいながら女王の座を全うする激務は、イギリス演劇の得意とする題材に違いない。
今作のケイト・ブランシェットは、若き女優連の中でトップの演技力を持つ。彼女の演技力を認めた上で成立した格調高きイギリス演劇の味、力作。
ヴァージン・クイーン誕生!
ホラーっぽいのか?と思わせる冒頭シーン。スコットランドの虐殺現場...
女王ケイト
思い出しレビュー46本目。
『エリザベス』
16世紀、25歳の若さでイングランド女王に即位したエリザベス一世を描く歴史大作。
単なる重厚な歴史劇じゃなく、政治的駆け引き、陰謀・策略渦巻くサスペンス仕立てなのが面白い。かなりスリリングでもある。
時代背景や宗教観など日本人には分かり難い点もあるが、豪華な美術・衣装、迫力ある映像・音楽で一気に見せきってしまう。
一級の歴史エンターテイメント。
何と言っても本作は、ケイト・ブランシェットという女優の誕生を、しかとこの目で見た。
本作の前にも何本か映画に出ていたが、間違いなく本作で大出世を果たし、その快進撃は今も続く。
突然女王となった戸惑い、初々しさ。
重鎮たちを前に、緊張の会議。
女として、恋もする。
様々な試練の中、次第に女王としてのし上がっていく。
その確かな演技力。
ラスト、国との結婚を宣言したその堂々たる姿には、圧倒的な凄みがあった。
以来19年、私はずっと女王ケイト・ブランシェットにひれ伏し続けている。
英国女王版「ゴッド・ファーザー」!
ケイト・ブランシェットを見る映画
美術がすごい!
ケイトとエリザベス女王のカリスマ性
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