内なる傷痕
劇場公開日:1998年5月30日
解説
荒涼たる大地を彷徨し語り続ける女をモチーフに綴られる寓話的な一編。監督・製作・脚本・編集・出演は、「秘密の子供」「愛の誕生」のポスト・ヌーヴェル・ヴァーグの旗手フィリップ・ガレルで、当時の妻だった歌手・女優のニコ(「ニコ・イコン」)をヒロインに据え、70~71年の間世界各地で撮影し、完成させた。撮影はジャン・シアポーとミシェル・フルニエ。音楽はニコのアルバム『デザートショア』から4曲が使用されている。録音はルネ・レヴェールとアントワーヌ・ボンファンティ。共演は「昼顔」「スウィート・ムービー」「北の橋」などの異色俳優ピエール・クレマンティほか。日本の歌手Cocco主演の短編映画「Cocco Short Movie~クムイウタ~」が併映された。
1972年製作/60分/フランス
原題または英題:La cicatrice interieure
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:1998年5月30日
ストーリー
砂漠。女(ニコ)が男(フィリップ・ガレル)と歩き続けている。女は「私をどこに連れて行くの」と問うが、それに答えず、つかず離れず歩き続ける男。荒涼たる大地。女は少年が引く馬に乗っている。時に滝、時に牧人のかたわらで、女は人生と愛について言葉を発し続ける。浜辺。女を追ってきたかのように裸の男(ピエール・クレマンティ)が現れ、女は彼にも語りかける。水や火と共に生きるらしい男は氷原で自然児に火を託す。男はやがて旅立って行き、女は語り続ける……。