いまを生きるのレビュー・感想・評価
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大人はわかってくれない
総合75点 ( ストーリー:75点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
最初は青臭いなとも思いながら観ていた。だが当時の東部のお坊ちゃま相手の厳格な全寮制名門校となれば、雁字搦めに規律に縛られて日常にも人生にも自由などないのだろう。彼らのやり方は現代の人々とはかなり違うが、そんな環境の中で抑圧してきた自己を解放し自分らしさを求めるきっかけを得た生徒たちが自我に目覚めていく過程は瑞々しさがあった。
そして社会の価値観と制度の中に潰されていく彼らの、自殺という一つの大きな反抗と机の上に乗るというささやかな反抗もまたやるせなさと同時に彼らの成長が見て取れた。
生徒たちも何も知らないままならばそれで良かったのかもしれない。少なくとも若き命が消えることはなかったのだろう。しかし一度目覚めた生徒たちを元の状態のように黙らせたままでいるのは所詮は無理なこと。新しい風を吹き込んだロビン・ウィリアムズ演じるキーティング教師は、閉鎖的な古い体質のこの学校の校風には合っていなかったのだろうとは思うし、そこが不幸ではあった。
だが長い目で見れば一部の生徒たちの人生を変えるほどの大きな存在になっていると願いたいし、これを乗り越え大きな糧にしてさらに成長してほしいと思った。
追記
劇中で使われる詩の意味にだんだんと惹かれてきた。自分が成し遂げたいことが達成された時、それが何かのa verseとなればと願う。
O Me! O Life!
By Walt Whitman
Oh me! Oh life! of the questions of these recurring,
Of the endless trains of the faithless, of cities fill’d with the foolish,
Of myself forever reproaching myself, (for who more foolish than I, and who more faithless?)
Of eyes that vainly crave the light, of the objects mean, of the struggle ever renew’d,
Of the poor results of all, of the plodding and sordid crowds I see around me,
Of the empty and useless years of the rest, with the rest me intertwined,
The question, O me! so sad, recurring—What good amid these, O me, O life?
Answer.
That you are here—that life exists and identity,
That the powerful play goes on, and you may contribute a verse.
今だからこそ
見終わった後に真っ先に思い浮かんだのが僕の好きな『SR サイタマノラッパー』という作品でした。終わり方がすごく似てるんですよね。ああいうのは良いタイプの観客の想像に任せるエンドだと思います。キャラクターのその後が気になるタイプの終わり方と言ってもいいでしょう。しかもこの作品では同時に彼らの内面の変化が最高の形で現れている。すごく好きです。
やっぱりなんと言ってもキーティング先生の圧倒的いたら良いな感ですよね。若干浮世離れした感じの良い意味での実在感のなさ。これはロビン・ウィリアムスだからこそ出せる味なのでしょう。それでいて、先生の露出は最小限に抑え、残りは生徒の描写に時間を充てている。熱血教師がガーガーやって引っ張っていく作品も良いけど、こういう慎ましさも素敵ですね。作り手の優しさを感じます。
まあ舞台が超名門進学校なので若干の個人的な感情移入度の低さは否めないですが…。
今の日本の学生にこそ必要な作品であることは明白です。
単なる感動作品ではない
カーペ・ディエム
ロビン・ウィリアムズ演じる、キーディング先生の魅力満点で進むストーリーですが、エンディングは今まで観てきた映画の中で、一番切ないものでした。
規律の厳しい全寮制の学校に現れた風変わりな教師は、今まで生徒が見てきた物とは違う物を見せてくれるが、学校の規律と自分の中で目覚めたものとの間で、生徒は戸惑い、悩む。
その悩みこそが青春なのだろうが、時代的なもの、厳格な家庭、規律の厳しい学校の中で押し潰され、若い心は自分を見つけ、そして進む道を見つけられるのか。
映画の中で出てくる言葉は、私の中で印象深いものが多かったです。
「死せる詩人の会」、「オーキャプテン、マイキャプテン」、「カーペ・ディエム」他
単語だけでは伝わらないですが、観終わった時、これらの単語がたくさん頭に残る映画でした。
特にタイトルにも絡む「カーペ・ディエム(いまを生きる)」は、とても意味深な言葉であったと思います。
この映画、何度も観ていますが、このレビュー書きながらまた観たくなって、書いてる途中で観ちゃいました。(笑)
私の不動の生涯ベスト5です。
でも、ちょっと暗い映画ですよね。(笑)
人生の素晴らしさ
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