イナゴの日

劇場公開日:1976年2月7日

解説

1930年代後半のハリウッドを舞台に、そこで蠢く赤裸々な人間群像を描くナサナエル・ウェストの同名小説の映画化。製作はジェローム・ヘルマン、監督は「日曜日は別れの時」のジョン・シュレシンジャー、脚本はウォルド・ソルト、撮影はコンラッド・ホール、音楽はジョン・バリー、編集はジム・クラーク、美術はジョン・J・ロイド、衣裳はアン・ロスが各々担当。出演はドナルド・サザーランド、カレン・ブラック、バージェス・メレディス、ウィリアム・アザートン、ジェラルディン・ペイジ、ボー・ホプキンス、リチャード・A・ダイサートなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。テクニカラー、ビスタサイズ。1975年作品。

1975年製作/アメリカ
原題または英題:The Day of the Locust
配給:パラマウント映画=CIC
劇場公開日:1976年2月7日

あらすじ

1938年、ハリウッドの秋。エール大学を卒業したトッド・ハケット(ウィリアム・アザートン)は、ある大手映画会社の美術部に就職することになり、はるばる東部からハリウッドにやって来た。新入社員の安月給でトッドがやっと見つけた住家は、サン・ベルドゥという安アパート。トッドの部屋から小さな庭をへだてた向かい側には、グリーナー父娘が住んでいた。父親のハリー・グリーナー(バージェス・メレディス)は以前はボードビリアンだったが、今は「ミラクル」という洗剤を売り歩くセールスマン。娘のフェイ(カレン・ブラック)は映画のエキストラで、輝かしい映画スターになることにあくなき夢を抱いていた。そのフェイとトッドがドライブに行った帰り、フェイは自分がエキストラとして出たエディ・カンターの映画を、ボーイ・フレンド、アール・シェープ(ボブ・ホプキンズ)と見に行くので一緒に来ないかと彼を誘った。トッドはその誘いに応じるが、不機嫌なアールの態度から、彼がトッドをライバル視していることは明らかだった。トッドはフェイに夢中になった。だが彼女は、十分気があるそぶりを見せながら、体を許そうとはしなかった。私生活ではフェイに翻弄されたかたちのトッドだが、撮影所では美術監督のクロード・エスティ(リチャード・A・ダイサート)に気に入られ、新作の「ウォータールーの戦い」のセット・デザインを担当するなどまあまあのスタートを切った。その頃、フェイの父親がセールス先の家で倒れてしまう。その家に住んでいたのは、アイオワ州の田舎町ウエインズビルから出てきた経理事務員で陰気なホーマー・シンプソン(ドナルド・サザーランド)という男だった。倒れた父親を引きとりにきたフェイは、この孤独な男に強烈な印象を与えた。その日からホーマーは、フェイの愛情を求め、おずおずとサン・ベルドゥに姿を見せるようになった。だがその度に、ませた金髪の子役アドールはホーマーをからかい、あくどいいたずらをしかけるのだった。ある夜トッドは、フェイ、アールと共に夜のピクニックと称し、ハリウッドの丘の上に住みついている浮浪者のキャンプを訪れる。酒がまわるにつれ、キャンプファイヤーのまわりは乱れる。アールはミゲルという闘鶏を飼うミュージシャンとフェイを張り合い、一方トッドは酔った勢いでフェイを襲うが、みじめにも失敗する。一方、ハリーの病状は悪化の一途をたどる。ビッグ・シスター(ジェラルディン・ペイジ)という新興宗教の女教祖を信心しているホーマーは、ビッグ・シスターならハリーの病気を治せるとフェイを説き伏せ、その集会に重病のハリーを連れだす。だが数日後、ビッグ・シスターの祈祷のかいもなくハリーは死んだ。それが契機になって、フェイとホーマーは同棲を始めるが、気ままなフェイがミゲルとアールを勝手に車庫に住まわせても、ホーマーは何ともいえない。「ウォータールーの戦い」の撮影が始まった。トッドはエキストラ群の中にフェイとアールの姿を認めた。カメラが回り出す。そのときトッドは、未完成のセットに立ててあった『立入禁止』の立て札がとり払われているのに気がついた。数百人のエキストラが、崩れた足場から地面に転落する。幸いフェイは無事だった。数日後、トッドは久しぶりでフェイとホーマーに誘われてナイトクラブへ出かけるが、その席でフェイが人前にも構わず気の弱いホーマーをなじり、愚弄するのを見て驚く。そのホーマーがフェイを諦めて故郷のアイオワに引き揚げることにしたと、悲しげにトッドに打ち明けた。その夜、ハリウッドのサンセット・ブルバードは華やかなプレミア・ショーが開かれるためにライトで煌々と照らされ、スターを一眼見ようという群衆で埋めつくされていた。トッドはその群衆の中から、トランクをさげ人ごみをかきわけながらバス停に向かうホーマーを見つけ、話しかけようとするが、ホーマーはトッドの手を荒々しく押しのけた。なおも群衆をかきわけて歩くホーマーの眼の前に、金髪の少年アドールが立ちふさがり、例によって悪態をつくと突然彼の頭に石を投げつける。この瞬間、あらゆる人間に対して抑えに抑えていたホーマーの怒りが一挙に爆発する。少年を道路わきの駐車場に追いつめたホーマーは、その場で少年を踏み殺してしまう。この光景を目撃した群衆は、リンチを叫びながらホーマーを大通りにひきずり出し、文字通り八つ裂きにしてしまう。トッドはなす術もなくただ呆然と見つめていたが、この狂乱が、いつか映画で描きたいと思っていた「ロサンゼルス炎上」という作品のスケッチとダブる。車に火を放ち、店を掠奪し、映画館を焼き払う暴徒の群……。それは現実の出来事であったのだろうか、トッドの心が描いた天の啓示であっただろうか……。それから数日後、フェイがサン・ベルドゥに戻ってきて、トッドの部屋のドアをノックするが、応えはなく、家財道具も一さい消えていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第33回 ゴールデングローブ賞(1976年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) カレン・ブラック
最優秀助演男優賞 バージェス・メレディス
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映画レビュー

4.0 ラストの暴動のシーンは今見ても圧巻

2026年1月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

驚く

ジョンシュラジンジャー監督は真夜中のカーボウイでもアメリカの描き方が辛口だけどここでもハリウッドを舞台にしてダーティに描いてますね。見たあとの虚脱感はなんか計り知れないです。
初見は中2の時でした。
今はこのイナゴの日とララランドとか併せて見るのも一考かと思います。ララランドが甘いお菓子ならイナゴの日は辛い感じです。
1人の女に振り回される男たち、とその周りの男たちの哀れな末路を淡々と描いてます。決して涙涙の感動的な映画ではないけど。唖然とさせられる映画ですね。

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芭蕉翁

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