イヴの総てのレビュー・感想・評価
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周囲を利用して手にする栄光の虚しさ
イヴは周囲を騙して利用してのし上がり、女優としての栄光を手にした。そして周囲からの称賛を受けた。しかしその称賛は、女優としての作られたイヴに対する称賛であって、彼女という人間そのものに対するものではない。イヴの本当の人間性を知っている者は彼女を軽蔑している。普通の人間ならそこに虚しさを感じるはずだ。なぜなら、人は人との関係で幸せを感じるものであるからだ。だが彼女はそうは感じないようだ。そこに異常性が表れている。そうやって周囲を利用して手にした栄光に、はたしてどれだけの価値があるのだろうか。 以下はストーリーの構成で気になった点。まず、マーゴやカレンといったイヴに近しい人々がイヴを嫌うようになるきっかけが、少し弱く感じられた。また、尺の問題はあるとはいえ、イヴが短期間でさも大物女優になったかのように見えるような描き方に、少し違和感があった。そのためややリアリティが薄れた印象となったので、☆は-0.5。
映画らしい立派な映画
サスペンスな脚本、鋭利な演出、的確な演技、映画に重要な要素が最高度に到達しています。 ただ、惜しむらくは主人公の性格はもともとそうだったのか?何かのキッカケがあったのか?その背景がわかりづらいですね。 MM先輩が世に出るきっかけになった作品でもありますが、まだまだチョイ役です。
とっても王道な映画だった!!
以前から思っていたのだけど、 個人のリアルな生活の方が今時は本当にきついので やっぱり映画は一種の夢のような 絵空事の華やかさがあってほしいと思う。 そういう意味では マーゴのわがままだけど、どこか憎みきれない女らしい弱さや 人気脚本家の妻のカレンの人の良さ、 イヴの野心に満ちた振る舞いも、絵空事らしくて逆に可愛らしい。 見応えのある映画でした! いわゆる女優もの、スターものの原点のような映画。 多分「午前十時の映画祭」がなければ見なかったかも〜 そういう意味で「午前十時の映画祭」は貴重だと 改めて思わされた一本でした。
映画人を軽蔑しているブロードウェイの演劇人に、ハリウッドが食わせた痛烈なシッペ返し‼️
ハリウッド映画が自分たちを軽蔑するブロードウェイの演劇界の内幕を正面から暴いた、おそらくは初めての映画だと思います‼️それだけにとどまらず、アカデミー賞作品賞まで与えて、その実情を広く世間に晒してしまったのです‼️ただ同じ年にビリー・ワイルダー監督「サンセット大通り」が誕生、ブロードウェイ以上に恐ろしい映画の都ハリウッドの亡霊が描かれたわけですが・・・‼️ピークを過ぎた大物女優と野心満々の新人女優の心理的な戦い‼️「シートベルトを締めないと、今夜は大変な夜になるわよ」と観客に呼びかけるベティ・デイビスの素晴らしい演技‼️野望に憑かれてデイビスの息の根を止めようと虎視眈々と狙っているイヴ・ハリントン役のアン・バクスターや、業界の全てを知り尽くした辛辣な評論家役ジョージ・サンダースらの存在感も素晴らしいです‼️そして印象的なのはラストシーン‼️鏡に鏡が映り込んで、そこに第二、第三のイヴが無数に映り込むシーン‼️美しくも恐ろしい‼️"歴史は繰り返される" みたいで、ぞーっとさせられます‼️そしてこの作品を語る上で欠かせないのがその舞台裏‼️アカデミー賞の主演女優賞でベティ・デイビスが当然のノミネート‼️しかし役のウェイトとしては"助演" なのに格上の"主演" を狙ったアン・バクスター‼️結果は票がふたつに割れて共倒れ‼️まさにベティ・デイビスは、役柄そのままに野心家のアン・バクスターに足元をすくわれたのです‼️そして新進女優役でちょい役出演していたマリリン・モンロー‼️彼女のその後の快進撃を考えると、イヴを地で行く人間模様が舞台裏で展開されていたのかもしれません‼️あーっ恐ろしい‼️
「あざとくて、何が悪いの?」
鑑賞中、はからずもテレ朝の番組の、あの田中みなみと弘中ちゃんが口元に指を当ててるポーズが浮かびました。いや、イヴはあざといなんていう生易しいもんではないけど、、 1950年の映画で、このテーマで――いや、こんなテーマだからこそか――二時間強、全く飽きさせない。台詞量がけっこう多いので字幕を追い続けなければならないし、イヴと批評家のドウィットとの(とくに終盤の)やり取りは時代を感じさせるが、それにしても――、それにしても素晴らしい。二人の人物をカメラが素早く交互に追うシーンなど、とても'50年の映画とは思えない。 白眉は、何と言ってもベティ・デイヴィスである。素晴らしい。誰と映っていようが、つい、彼女を目で追ってしまう。 彼女が劇中で語る「女性論」のようなものは、今日(こんにち)では肯(うべな)う人はそうはいないと思うが、それでもやはり、この時代にこれだけ丹念に心理を描いた映画があったということ、そのことが素晴らしい。 端役で出ている無名時代のマリリン・モンロー、可愛らしいです。 安野モヨコの漫画「カメレオン・アーミー」に、雰囲気の似た話がありました、そういえば。短編をまとめたものなので、表題作↑ではないかもですが、ギャルOLが新任の地味子のことをはじめのうち邪険にしていたのが、いつのまにか自分の髪型もメイクも服も立ち振舞いもコピーされていて、、というお話。 この時代の映画らしく、大仰な音楽の流れるラストシーンもよかったです、この映画。とくに古い映画って、遠目であれアップであれ最後に主人公たちを映して終わることが多いと思うんですけど、この映画は違うんですよね。「次なるイヴ候補」を映して終わる。これ、当時はとくに新しかったんじゃないでしょうかね。
こういう女性、確かにいるわっ!
当時としては、ほんとうに見応えある作品だったと思います。 今でこそ似たような作品があり、月並みな内容ですが。 いつの時代もどの世界でも男女問わず、ずる賢い輩がいますから。 しかし、マリリン登場にはびっくり、そしてうっとり。 すごく可愛くって、それだけでもこの作品に出会えて良かった!
スリリング! 鑑賞後の興奮冷めやらぬ
おもしろかった! 1950年代の白黒映画ということで、現代の感覚とはかなり違うのだろうなぁと期待そこそこで見始めたのだが、派手な特撮やアクションがあるわけでもないのに、2時間20分まったく飽きさせなかった。 テンポよくたたみかけるセリフひとつひとつに無駄がなく、役者の応酬が小気味よい。まさに素晴らしい脚本と役者たちのなせる業です。 知らなかったのですが、あれがあのベティ・デイビスなのですね! マドンナが楽曲'Vogue'で"Bette Davis, We love you!"と言うあの人。存在感があります。 そしてマリリン・モンローが端役で出ている。 若くて細くてかわいい。彼女は、仕草や目線で観る人の目を引く方法を知っていますね。 いかにも誠実そうで控えめな主人公がどのように変貌していくのか、最後まで目が離せなかった。いや~、末恐ろしい。でも現実にありそうな話。いえ、似たようなことはごまんとあるでしょう。したたかにチャンスを狙い、モノにしていく。男だけでなく女にも野心はあるのですね。私のベストムービーのひとつに加わりました。観終わって興奮が冷めません。
めちゃくちゃ面白かったんやけど? 話の緩急マシマシで楽しめるし、 ...
めちゃくちゃ面白かったんやけど? 話の緩急マシマシで楽しめるし、 とりあえずマリリンのあのモタっとした喋り方は最高 最初イヴが名前やとは分からず題だけみてクリスマス映画やと勘違いしてたけど、全然違ったわ
儚さの裏に生臭さがあったり、 強かそうに見えて脆かったり。 女って...
儚さの裏に生臭さがあったり、 強かそうに見えて脆かったり。 女っていくつも側面を持ってるのね、 そして世界にはたくさんの層があるのね、あるのよって。 女ってコエ〜〜くてオモシロ〜〜っておもいました。 一瞬だけど、マリリンの透明感は光りまくりでした。
芸能界はコワいっす!
ベティちゃんのベティ・デイビスの存在感は半端ない! この映画は、演劇の世界での話だけだけど、映画の世界も含めて芸能界で、策略をもってのし上がっていくスターは、実際にたくさんいるのでしょうね。本作ではバクスターが演じてますが、女はコワいです。 ちょい役のマリリンモンロー、さすが目立ってました。
面白かった。 見た事のある演出やストーリーが散見されますが、全ての...
面白かった。 見た事のある演出やストーリーが散見されますが、全ての元ネタはこの映画なんですよね。 白黒映画は女優さんを神秘的に美しく魅せますね。
傲慢、素直、抜け目なさ、陰謀
演劇が大好きな孤独で垢抜けない未亡人が、大女優の付き人になり、自分の才覚で、野心を実現させていく。 ストーリーが進むにつれて、人物の色々な側面が見えてくる、多分何回見ても見飽きないと思いました。長さも感じず、楽しめました。
女の駆け引き
華やかな世界の裏舞台を描いた作品ですが、前半は面白みに欠けウトウトzzz…しかし後半の展開はなかなか見応えがあった。女の駆け引きは脅威の一言。 (午前十時の映画祭にて鑑賞) 2016-85
王道な映画だった!!
以前から思っていたのだけど、 個人のリアルな生活の方が今時は本当にきついので やっぱり映画は一種の夢のような 絵空事の華やかさがあってほしいと思う。 そういう意味では マーゴのわがままだけど、どこか憎みきれない女らしい弱さや 人気脚本家の妻のカレンの人の良さ、 イヴの野心に満ちた振る舞いも、絵空事らしくて逆に可愛らしい。 見応えのある映画でした! いわゆる女優もの、スターものの原点のような映画。 多分「午前十時の映画祭」がなければ見なかったかも〜 そういう意味で「午前十時の映画祭」は貴重だと 改めて思わされた一本でした。
見応えのある作品。イブの正体が少しずつ見えてくるにつれて傲慢なマー...
見応えのある作品。イブの正体が少しずつ見えてくるにつれて傲慢なマーゴが実は正直な故とわかり、魅力的に。気がつくとマーゴのセリフ回しにぐんぐんと惹きつけられていき、さすがベティ・ディビス!と感心。イブは悪女と言うよりただの嫌な女だった。
あぁ、ほんっとに面白い映画だなあー
あぁ、ほんっとに面白い映画だなあー。 500回くらい観てもきっと飽きないと思う。 女の世界は面白いって言ってしまえばそれまでだけど、 ベティ・デイヴィスがダントツでカッコイイもんなー。 この映画から影響を受けたであろう作品は数知れず 「Wの悲劇」「ブラックスワン」「ショーガール」…他にもたくさーんある訳で それぞれ傑作だったり駄作だったり結果は様々だけど、 それらの出演女優の誰一人、ベティ・デイヴィスに勝ててない。 ベティ・デイヴィスはそんぐらい素晴らしい。 -- 女の世界を描いた「イブの総て」。 案外、影の主役は男、ジョージ・サンダースだったりして。 彼の静かな歪みがホント怖い。 この時代の俳優さんって、ジョージ・サンダースしかりロバート・ウォーカーしかり 常人には出せない怖さを持っているなあと思う。
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