アルフレード アルフレード

劇場公開日:

解説

内気な男がたどる結婚・離婚の悲喜劇を、諷刺をこめて描く。製作・監督はピエトロ・ジェルミ、レオ・ベンヴェヌーティの原案をピエロ・デ・ベルナルディとトゥリオ・ピネリ、ジェルミ自身が脚本化。撮影はアヤーチェ・パロリン、音楽はカルロ・ルスティケリ、編集はセルジオ・モンタナリが各々担当。出演はダスティン・ホフマン、ステファニア・サンドレッリ、カルラ・グラヴィーナ、サーロ・ウルツィ、クララ・コロシーモなど。

1972年製作/イタリア
原題または英題:Alfredo Alfredo
配給:CIC
劇場公開日:1973年10月6日

ストーリー

気が弱いことこの上なく、従って女にもてない銀行員のアルフレード(D・ホフマン)は薬局の美人店員マリア・ローザ(S・サンドレッリ)に恋をしてしまった。恋は人を弱気にする。彼女の帰り道あたりを不安と焦操の念を抱いてウロウロするだけ。そのうちに、アルフレードの友人で女の子にもててもてて仕方のないオレステ(D・D・プレーテ)がマリアに眼をつけたからたまらない。こうなれば結果ははっきりしている。マリアの友達を混じえてデートということになったが、アルフレードのお目あてのマリアはオレステが独占し、彼はマリアの友達と猫の話にうつつを抜かすというだらしなさ。しかしだ、どういう訳かアルフレードにも奇跡が起きたのである。ある夜、父親とテレビを観ているアルフレードにマリアから電話がかかってきたのだ。あろうことか、マリアはアルフレードを熱愛していたのだ。日頃、もてない男はそうなのだが、これが現実だとは思われないから、世の中どこか狂っているのじゃないかと考えてしまう。しかし、実際、マリアの求愛は度を起していた。昼夜を分かたず電話攻勢、ラブレター攻勢。さすがのアルフレードも音をあげ、すっかりやつれてしまった。しかもマリアの両親(S・ウルツィ、C・コロシーモ)は彼女に輪をかけたエゴイストだから、アルフレードに冷たくされたと勘違いした彼女が自殺をはかった時は大騒ぎだった。こうしてアルフレードはついに結婚させられる。だいたい、女というのは家庭に入ると、どうして倣慢で無知で恥しらずでバカになってしまうのか。マリアの場合、これはもう狂ってるとしかいいようがなかった。アルフレードもたまには一ぱつ喰らわせりゃあいいのに気が弱いからそれもできない。とにかく子供をつくれ、そうすりゃ直る、という教えに従って、気違いじみた努力の末ついに妊娠との診断が下る。アルフレードが務めから帰ると、彼女はベッドの上で倣然と構えている。さらに彼女の両親が押しかけてアルフレードを非難する。家に居たたまれなくなって外に飛びでたアルフレードは、ステキな恋人を見つけた。その人カロリーナ(C・グラビナ)はマリアとは正反対のようにアルフレードには思えた。知的で美人で、ひかえめで--。カロリーナもアルフレードを好きになったようだ。しかも、マリアの妊娠が実は想像妊娠だと判ったので断然離婚を決意する。彼は“強い男”に変身したのだ。それからの彼は、実状を世論に訴え、精力的なキャンペーンを張って、ついに離婚を勝ち取った。そして、カロリーナとの理想的な結婚にゴールイン。どころが、彼はちっとも嬉しくないのだ。カロリーナがマリアほど極端ではないにしろ徐々に変ってきたこと、マリアが親友オレステと腕を組んで楽しそりに街を歩いていたこと。それよりも何よりも、アルフレードは結婚にウンザリしていたのだ。式で神父に「イエス」と答えるアルフレードの眼は、マリアの時と同様、空ろだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第31回 ゴールデングローブ賞(1974年)

ノミネート

外国語映画賞  
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映画レビュー

2.5吹き替えホフマン

2021年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

ダスティン・ホフマンの声は吹き替え、明らかに声が違う、さすがの名優でもイタリア語習得には時間が掛かり難しいか。

付き合ってから受け入れられない多少のズレが流されるままに相手のペースで事が進む耐えきれない我慢生活、しかし惚れたのは自分でありそんな感じを繰り返す人生かと思うといくらモテても羨ましさはない。

振り回されながらの気弱な性格がキャラにぴったりなダスティン・ホフマンのコミカルな演技は可愛らしい反面、嫌な事柄から逃げ切る強い行動と意思が逆に女性を傷付ける男にも思われる。

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万年 東一

3.0 マリアローザの唇が腫れてしまうくらいに情熱的なキスがうらやましか...

2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 マリアローザの唇が腫れてしまうくらいに情熱的なキスがうらやましかった。結局は、消極的軟弱男であるため、仕事中の電話も断れず、結婚をも拒む事もできなかったという悲劇。積極的、独占欲が強いというのも考え物だが、一方的に夫側からの主観的内容なので、この映画を観た女性の意見も聞いてみたいものだ。

 小ネタとしては、マリアローザが電話もできないくらいの田舎へ行ったときに、宝探しゲームを仕込んで最後には彼女自身を見つけるというもの。電話が忙しくて仕込む暇など無かったはずだが、これは上手くできていたのでかなり印象深い。

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kossy