アラン・ドロンのゾロ
劇場公開日:1975年7月15日
解説
ジョンストン・マッカレイの著名な原作の三回目の映画化。製作はルチアーノ・マルティーノ、監督は「ビッグ・ガン」のドゥッチョ・テッサリ、脚本はジョルジョ・アルロリオ、撮影はジュリオ・アルボニコ、音楽はグイド&マウリツィオ・デ・アンジェリスが各々担当。出演はアラン・ドロン、オッタヴィア・ピッコロ、スタンリー・ベイカー、エンツォ・チェルシコ、ムスターシュ、アドリアーナ・アスティ、ジャコモ・ロッシ・スチュアートなど。
1975年製作/イタリア
原題または英題:Zorro
配給:東宝東和
劇場公開日:1975年7月15日
ストーリー
剣の達人ドン・ディエゴ(A・ドロン)は故郷スペインに帰る途中、南米カルタヘナの港町で、旧友のミゲルに会った。ミゲルは、ニュー・アラゴンの新総督に任じられ、妻子を伴って任地に赴く途中だった。再会を喜び、祝福の杯を交わした夜、ミゲルは何者かに暗殺されてしまった。ディエゴは親友ミゲルの死を厚く弔い、復讐を誓ってニュー・アラゴンへ行く決心をした。メキシコ領ニュー・アラゴンは、前総督亡きあと、護衛兵隊長ウエルタ大佐(S・ベイカー)が軍隊を率いて圧政、横暴の限りをつくしていた。総督になりすましたディエゴは、敵をあざむくために臆病者の伊達男を見事に演じ、口が不自由ではあるが忠実な従僕ベルナルドを伴って、貧民街に情報収集に出かけた。人々は何ものかにおびえ、口を閉ざしていたが黒人の少年が、英雄ゾロの話をしてくれた。町ではウエルタと結託した悪徳判事によるインチキ裁判が日常茶飯事のごとく行われていた。そのとき、群衆のなかから貧しい身なりだが、世にも希な美少女が現われ、不当な裁判に抗議していた。政治的陰謀の罪で財産を没収された貴族の娘オルテンシア(O・ピッコロ)である。おりしも、正義を説く修道僧フランシスコ(G・アルベルティーニ)が鞭打ちの刑に処せられていた。と、突然、黒馬、黒装束、黒覆面の騎士が現われた。剣できざむZの文字もあざやかに、兵隊たちをさんざんいためつけるといずこともなく去っていった。こうして黒騎士ゾロはたちまち英雄にまつり上げられていった。その頃、オルテンシアは、自分に思いをかけるウエルタが強引に唇を奪おうと迫ったある夜、闇の中から音もなく現われて窮地を救ってくれたゾロに、甘い恋心を抱きはじめていた。いっぽう、権謀術数を弄した計画が、次々とゾロによって破られるウエルタは、ひしひしと迫る黒マントの脅威に悪らつな計画をもって対せんとしていた。オルテンシアを牢獄に入れ、ゾロをおびき出そうというのだ。しかし、この計画もゾロの奇襲によって水泡に帰した。やがて、ウエルタの命令でニュー・アラゴン全土に戒厳体制がしかれた。そこでディエゴは、二役をこなしてゾロが総督を人質にしたかのごとくふるまい追ってから逃れようとする。だが幾千の兵隊がゾロを次第に包囲し、ゾロと総督を乗せた馬車は絶壁から大海原へと消えていく。勝ち誇るウエルタは、権力を利用してオルテンシアとの結婚式を挙げようとしていた。しかし、その教会にゾロが姿を現わした。いよいよ宿命の対決の時がきたのだ。ゾロとウエルタの息ずまる死闘が続いた。最後の瞬間、ゾロは黒覆面をとってドン・ディエゴにもどった。そして紫電一閃、ウエルタはゾロの鋭い刀のもとに倒れた。ニュー・アラゴンに正義と平等が戻り、ゾロは愛馬を駆って草原の彼方に消えていった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ドゥッチオ・テッサリ
- 脚本
- ジョルジオ・アルロリオ
- 原作
- ジョンストン・マッカレー
- 製作
- ルチアーノ・マルチーノ
- 撮影
- ジュリオ・アルボニコ
- 音楽
- グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
- 字幕監修
- 山崎剛太郎