アメリカの贈りもの

劇場公開日:

解説

第二次大戦後のアメリカ軍駐留時代のフランスを舞台に、アメリカ文化に憧れ、性に目覚める少年時代をみずみずしいタッチで綴った作品。監督は「めぐりあう朝」のアラン・コルノー。現代フランス文学を代表する作家の一人パスカル・キニャールの小説『アメリカの贈りもの』(ハヤカワ文庫)を基に、「めぐりあう朝」と同様にコルノーとキニャールが脚色(台詞はキニャール)。製作は「愛の報酬/シャベール大佐の帰還」のジャン=ルイ・リヴィ。撮影は「ヌーヴェルヴァーグ」の名手ウィリアム・リュプチャンスキー。美術は「めぐりあう朝」のベルナール・ヴェザ、録音はピエール・ベフヴと「インド夜想曲」のジェラール・ランプ。音楽はポール・アンカ、ニール・セダカ、バディ・ホリーなど50年代のアメリカのポピュラー音楽とマイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンのジャズがふんだんに用いられている。出演は17歳の新人ニコラ・シャッテルと、同じく新人の15歳のサラ・グラッパンがオーディションで選ばれたほか、「クルーレス」のアリシア・シルヴァーストーン、「クリムゾン・タイド」のジェームス・ガンドルフィーニほか。

1995年製作/117分/フランス
原題または英題:Le Nouveau monde
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:1996年7月27日

ストーリー

第二次大戦後。米軍が駐屯するフランスの地方の町マン・シュル=ロワール。医者の息子のパトリック(ニコラ・シャテル)は幼い頃からアメリカ文化に憧れ育ち、16歳になる。彼は食料品屋の娘マリー・ジョゼ(サラ・グラッパン)と子供の頃から恋仲で、二人で湖の離れ小島に秘密の“アメリカの部屋”を作っていた。二人はここで裸になってキスし、彼は彼女の手の中で果てる。ある晩彼は反米主義者と喧嘩になって怪我をし、助けてくれた米兵のウィル(ジェームズ・ガンドルフィーニ)と将校、その娘のトルディー(アリシア・シルヴァーストーン)と知り合う。彼はトルーディーと親しくなり、米兵相手のジャズクラブに出入りしてジャズに興味を持つ。ウィルは彼にドラムを与え、彼は練習に没頭する。マリ・ジョゼはトルーディとパトリックに嫉妬し、彼に処女を与えるが、初めてのセックスのあと逆に仲が冷めてしまい、彼女はウィルと交際しはじめる。ウィルはパトリックを息子のように可愛がりながら、罪を意識しつつマリ=ジョゼとの関係に溺れる。パトリックとトルーディーは秘密の島にいく。トルーディーは水着姿のパトリックを抱きしめ、彼は彼女の手の中で果てる。パトリックの父(ギ・マルシャン)は大学入学資格試験を控えた息子がアメリカやジャズにかぶれているのが我慢ならない。トルディーの誕生パーティーでウィルはマリ=ジョゼを邪険に扱い、一方パトリックも島でのことなどまるで記憶にないようなトルーディーに戸惑う。ド・ゴール将軍が米軍の撤収を決定した。パトリックは誕生日にウィルにアメリカの服をたくさん買ってもらう。だが大事なコンサートの晩、父は彼を部屋に閉じ込める。彼はやっと脱走し、ウィルに迎えを頼むが、ウィルは途中で事故を起こして死んでいた。事故現場でマリ=ジョゼはパトリックに必死で抱きつく。パトリックは試験に合格した。マリ=ジョゼは自殺を謀り、パトリックに救われる。米軍は去り、二人は少し大人になった。

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