悪魔の赤ちゃん
劇場公開日:1974年9月28日
解説
生まれた赤ん坊がお産に立ち合った医師と看護婦の惨殺死体を残して姿を消した……ロサンゼルスの街を恐怖のどん底に叩き落とした怪奇な事件を描く。製作・監督・脚本はラリー・コーエン、製作総指揮はピーター・サビストン、共同製作はジャニール・コーエン、撮影はフェントン・ハミルトン、音楽はバーナード・ハーマン、編集はピーター・ホネスが各々担当。出演はジョン・ライアン、シャロン・ファレル、アンドリュー・デュガン、ガイ・ストックウエル、ジェームズ・ディクソン、マイケル・アンサラ、ロバート・エマーデット、ウィリアム・A・ウェルマン・ジュニア、シャーマス・ロック、メアリー・ナンシー・バーネットなど。
1974年製作/アメリカ
原題または英題:It's Alive
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1974年9月28日
ストーリー
フランク(ジョン・ライアン)とレノール(シャロン・ファレル)はロサンゼルスに住む、中流階級の平凡な夫婦だった。夫婦の間には11歳の息子クリスがいたが、ようやくできた2人目の子供の産月が近い今一家はささやかな喜びにひたっていた。やがてレノールの陣痛が始まった。フランクはすぐ身のまわりの荷物をまとめるとレノールを病院に連れていった。分娩室に運び込まれ待合室にはフランクと同じように、お産を待つ父親がいて話題には困らなかったが、その頃、分娩室では想像を絶する事件が、起こっていた。悪魔の申し子のような恐るべき生命力と怪奇な姿を合わせ持った異様な生物が生まれたのである。しかもその赤ちゃんはお産に立ち合った医師、インターン、看護婦らを惨殺し、分娩室から姿を消していた。警察でもこの事件が生まれたばかりの赤ちゃんの仕業とは信じることができなかったが、その日から、鋭い牙で喰いちぎられ、獣の爪のようなもので身体を引き裂かれるという惨殺事件が次々と起こり、ロサンゼルス警察では非常警戒包囲網をしいた。そして赤ちゃんをとある保育園へと追い込んだがその厳重な囲みをぬって、しかも警官数名を惨殺した“悪魔の赤ちゃん”は姿を消してしまった。一方、レノールの身を案じ、仕事も手につかぬフランクは、長期休暇届けを提出すると家に戻った。レノールはショックが癒えたのか何となく嬉しそうな様子を見せている。その夜、寝苦しさに寝室を出たフランクは、冷蔵庫を開けて愕然とした。夕方までいっぱいつまっていたはずの食料が消えているのだった。不審に思ってレノールを問いつめると、レノールは赤ちゃんが帰ってきたことを白状し、殺すことだけはやめてくれと哀願するのだった。その頃、親友のチャーリー(ウィリアム・A・ウェルマン・ジュニア)の家に預けられていたクリスが、両親に会いたい一心でチャーリーの眼を盗んで家に戻ってきていた。玄関が閉まっているので地下室から入ろうとすると異様な唸り声が聞こえてくる。赤ちゃんは愛情を感じているらしく、襲いかかる気配はなかったがちょうどその場に降りてきたフランクは、クリスが危ないと思い発砲した。弾丸は赤ちゃんの肩をかすめたらしく、凄まじい叫び声をあげると折り悪しくクリスを追って地下室に入ってきたチャーリーの喉笛を噛み切って闇の中に消えた。駆けつけた警察と一緒にフランクは赤ちゃんの後を追った。血痕は下水道に続いており、数十名の警官が発見次第射殺すべく下水道に入り込んだ。フランクはついに激痛に耐えかねて泣いている赤ちゃんを見つけ銃口を向けたが、どうしても引き金を引くことができなかった。この世のものとも思えぬわが子の哀れな姿に、とめどもない涙を禁じえなかったのである。フランクは赤ちゃんを抱いて家に連れ帰ろうとしたが出口には完全武装の警官が待ちうけていた。無惨に撃ち殺される赤ちゃんを、フランクはどうしようもない憤りを感じながら見つめているだけだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ラリー・コーエン
- 脚本
- ラリー・コーエン
- 製作総指揮
- ピーター・サビストン
- 製作
- ラリー・コーエン
- 制作補
- ジャニール・コーエン
- 撮影
- フェントン・ハミルトン
- 音楽
- バーナード・ハーマン
- 編集
- ピーター・ホネス
- 字幕
- 高瀬鎮夫