青い夜明け

劇場公開日:

解説

1920年のアイルランドを舞台にひとりの少女がある出会いを通して大人へと成長してゆく過程を、当時の不穏な社会背景を絡めて描くひと夏の物語。アイルランドの作家ジェニファー・ジョンストンのThe Old Jestを原作に、監督はテレビ映画出身で本作がデビューとなるロバート・ナイツ、製作はサラ・ローソン、エグゼクティヴ・プロデューサーはグラハム・ベンソン、脚本はモイラ・ウィリアムス、撮影はエイドリアン・ビドル、音楽はサイモン・メイが担当。

1988年製作/イギリス
原題または英題:The Dawning
配給:キネマ旬報社
劇場公開日:1992年5月23日

ストーリー

1920年、アイルランド。両親を早くに亡くし、伯母(ジーン・シモンズ)と元将軍の祖父(トレヴァー・ハワード)と一緒に海岸近くの屋敷に住むナンシー(レベッカ・ピジョン)は、好奇心旺盛な少女。元軍人の美青年ハリー(ヒュー・グラント)に淡い恋心を抱いているが、まるで子供扱いで相手にされない。ある日、彼女が自分ひとりの秘密の場所にしている海辺の掘立小屋に、見知らぬ男を見つけ驚く。それは夜明け前、密かにボートで上陸したキャシアス(アンソニー・ホプキンス)という男だった。彼の落ち着いた物腰、優しい瞳に惹かれ始めたナンシーは、キャシアスのことを蒸発した父親ではないかと思い始める。父への思慕と大人の男への憧れがないまぜとなり、ナンシーはアイルランド独立の闘士であるキャシアスのために都会の同志への手紙を届けたり、食べ物を運んだりする。だが、ある日ナンシーの目の前でテロが起こり、将校たちが殺される。それはキャシアスが後ろで糸を引いていたのだ。全てが明らかになり、キャシアスがナンシーの父親でないことも判明した。キャシアスはテロの首謀者として、兵士たちの手で銃殺される。慌ただしい夏が過ぎ、様々な経験をしたナンシーは、大人への階段をひとつ上った気持ちを噛みしめるのだった。

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