愛と精霊の家
劇場公開日:1994年5月14日
解説
チリの名家の喜びと悲しみに満ちた50年にわたる数奇な運命を、豪華スターの競演で描いた壮大な人間ドラマ。ラテン・アメリカを代表する女性作家イザベル・アジェンデの世界的なベストセラー小説『精霊たちの家』(国書刊行会)を、「ペレ」「愛の風景」のビレ・アウグストの監督・脚本で映画化。製作は「薔薇の名前」のベルント・アイヒンガー。撮影のヨルゲン・ペルソン、美術のアンナ・アスプは「ペレ」「愛の風景」に続いて監督とは3度目のコンビ。音楽は「プリティ・リーグ」のハンス・ジマー、衣装は「ボイジャー」のバルバラ・バウムが担当。出演は「永遠(とわ)に美しく…」のメリル・ストリープ、「ダメージ」のジェレミー・アイアンズ、「危険な情事」のグレン・クロース、「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」のウィノナ・ライダー、「尼僧の恋 マリアの涙」のヴァネッサ・レッドグレイヴほか。
1993年製作/ドイツ・デンマーク・ポルトガル合作
原題または英題:The House of The Spirits
配給:松竹富士=KUZUIエンタープライズ
劇場公開日:1994年5月14日
ストーリー
1928年、チリ。名家トゥルエバ家の末娘クララは、姉ローザとの結婚を夢見る貧しい若者エステバン(ジェレミー・アイアンズ)を初めて見た時から愛を確信する。彼女は未来予知など不思議な能力の持ち主だった。ある日、ローザは政界絡みのトラブルに巻き込まれた父親の身代わりとなって毒殺される。姉の死を予知しながら救えなかったクララは、悲しみから二度と口をきかなかった。一方、ローザを失ったエステバンは権力を握ることに全ての情熱を傾け、20年間働きづめで大農場を作り上げる。久しぶりに故郷に戻った彼は、成長したクララ(メリル・ストリープ)と再会した。エステバンは彼女と結婚し、エステバンの姉フェルラ(グレン・クロース)と共に屋敷で暮らし始める。フェルラとクララは本当の姉妹のように打ちとける。やがてクララは妊娠したが、見舞いに向かう途中で、両親(アーミン・ミューラー・スタール、ヴァネッサ・レッドグレイヴ)は事故で死亡する。悲しみの中で生まれた女の子は、ブランカと名付けられた。エステバンは保守党の議員となる。ある日、ブランカが小作人の息子ペドロと遊んでいるのを見た彼は娘を強引に寄宿学校へ入れる。だが、ブランカ(ウィノナ・ライダー)が帰郷の度にペドロ(アントニオ・バンデラス)と逢瀬を重ねていたことを知るや、娘にヨーロッパのうさん臭い貴族サティニー伯爵との結婚を強要する。次第に孤独感を深めるエステバンは、実の姉フェルラさえも追い出す。年老いた彼は、娘の家を訪れるが、親子の間にいさかいは絶えない。折しも行われた総選挙で人民戦線が大勝利を収め、保守派は惨敗を喫した。クララは孫娘に「死を怖がることはない」と告げ、静かに死の床についた。時代は大きくうねり始め、軍部が政権を掌握した。ブランカは愛するペドロと再会したが、軍部に逮捕され、過酷な拷問を受ける。娘を助けたい一心でエステバはペドロを国外へ逃がし、彼女は釈放される。親娘は、ようやく互いに許し合った。エステバンはある日、静かに息を引き取る。クララは娘と愛する人と共に、希望に満ちた新たな一歩を踏み出した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビレ・アウグスト
- 脚本
- ビレ・アウグスト
- 原作
- イザベル・アジェンデ
- 製作総指揮
- Edwin Leicht
- ポーラ・ワインスタイン
- マーク・ローゼンバーグ
- 製作
- ベルント・アイヒンガー
- 撮影
- ヨルゲン・ペルソン
- 美術
- アンナ・アスプ
- 音楽
- ハンス・ジマー
- 編集
- ヤヌス・ビレスコフ・ヤンセン
- 衣装デザイン
- バーバラ・バウム
- 字幕
- 戸田奈津子