闇を横切れ

劇場公開日:

解説

ある地方都市の市長選挙をめぐって起った連続殺人を追う新聞記者を主人公にしたアクション・ドラマ。「日本誕生」の共同執筆者・菊島隆三と、「美貌に罪あり」を監督した増村保造との脚本を、増村保造が監督し、同じく「美貌に罪あり」の村井博が撮影した。なお、音楽は一切使用されていない。

1959年製作/102分/日本
劇場公開日:1959年12月1日

ストーリー

女が殺されていた。絞殺死体の傍に泥酔して倒れた男が一人、女はストリッパー、男は市長選挙に革新党の候補として出馬している落合だった。落合はその場から容疑者として警察に連行された。なぜこの二人が一緒にいるんだ、話がうますぎる--西部新聞の社会部記者・石塚は疑問を抱いた。現場に居合せた老警官片山は事件の発生直前、黒コート、あごに傷痕のある男を見たという。殺し屋だと石塚は確信した。彼はこの事実を編集局長の高沢に話した。高沢は激励した。石塚にとって、高沢は最も尊敬する人物だった。西部新聞を今日あらしめたのは高沢の手腕だった。石塚は、片山が休暇を命ぜられて旅に出たことを知った。温泉旅館の一室で、石塚は片山に会った。証言を取消さなければ、クビにして恩給がつかないようにすると、部長刑事の生田に言われたという。石塚は、殺された女の友人のストリッパー元美にも会った。彼女は何かにおびえているようだ。片山が死んだ。生田部長刑事の「自殺だよ」という言葉は疑わしかった。石塚は、市の大ボスと見られている広瀬から呼出しを受けた。広瀬の目はこの事件から手を引けと言っていた。石塚は事件の核心と思われる材料を聞きこんだ。現市長一派の汚職である。彼らは都市計画道路拡張を理由に、この市の中心地帯の土地を一斉に買い上げた。が、都市計画は中止され再び民間に払下げになった時、その土地を買ったのは広瀬だったのだ。写真コンクールの応募作品の中に、偶然殺し屋らしい顔が写っていた。撮影者は、片山が殺された旅館の前のDP屋だ。その写真を石塚は元美に見せた。彼女の顔は青ざめた。警察に照会の結果、殺し屋で前科五犯の森という男だった。石塚は署長に今までのことを喋り、なじった。結果は、生田部長刑事の休職という形でやって来た。生田は買収されていたのだ。また殺人が起った。DP屋が殺されたのだ。殺し屋のネガが紛失していた。石塚には、どうしてDP屋が殺されたのか不思議だった。新聞社の中にも内通する奴がいるのだろうか?石塚は元美から、殺された秋子が持っていた都市計画汚職の関係者一覧表を受取り社へ乗りこんだ。が、石塚の調べたことは記事にはならない。高沢が広瀬と手を握っていたのだ。しかし、東都日報が広瀬をくどき落したという知らせを聞き、高沢も立ち上った。彼は言った。「新聞可愛いさだけでボスと手を握ってきたが、それまでにして育てたこの新聞が、今ドタンバに追いつめられた。俺は大事なことを忘れていた。新聞は読者という民衆のものだ。真実を訴えてそれにより民衆の支持を受ける。それで勝負するのが新聞屋の根性だ」と。コーヒーを飲みに外に出た高沢は、例の殺し屋に殺された。石塚は歯をくいしばりながら原稿を書いていた。

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