憂国

劇場公開日:

解説

三島由紀夫が原作、脚色、製作、監督、主演を務めた伝説のアート・ムービー。能舞台に見立てて作られた美術セット、艶かしい愛の交歓シーン、あまりにもリアルな切腹シーン……全編セリフなし、ワーグナーの音楽にのせて、愛と死が緻密に描かれるなど、三島由紀夫の美学が全編に溢れる。そのショッキングな内容と高度な芸術性が話題を呼び、日本のみならず欧米でも高い評価を受けたが、三島没後、上映プリントは焼却処分され、幻の作品と語り継がれてきた。後に密かに三島邸に保管されていたネガ・フィルムがほぼ完璧な保存状態で発見された。

1966年製作/28分/日本
配給:その他
劇場公開日:1966年4月12日

ストーリー

昭和11年、「2.26事件」が勃発。武山中尉は新婚のため、仲間から決起に誘われなかったのだが、皮肉にもかつての仲間たちの鎮圧を命じられる立場になる。国に忠誠をつくし反乱軍を鎮圧することは、親友達を殺すことを意味する。国も友も裏切ることができない武山中尉は、最愛の妻・麗子とともに自ら死ぬことを決意。そして、愛し合う二人の想像を絶する「愛と死の儀式」が始まる。

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映画レビュー

3.0美しくもグロい自死への憧れ

2020年8月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

大昔、三島由紀夫全集を手に取った時、この作品が最も短くて読みやすそうだったため気軽に読み始めたものの、あまりのリアルな描写に読後しばらく放心してしまったような覚えがある。夫婦の最後の交わりと自決という両極端の場面が同列の行為かのように描かれていて、これが耽美とかいうものかとゲンナリしながら、なぜか何度も読み返してしまった。危ない…。随分年月が経って動画を初めて観たが三島自身が主演していることもあり、読書時の淡々感に比べ変な思い入れみたいな雑味?を感じてしまった。(荒い白黒画像で櫛削るシーンがあったりしてなんだかリングの呪いのビデオを彷彿)。これを見る限り彼は市ヶ谷で自衛隊が決起しようとしまいと、いつかはこのスタイルで生を終えることにゾクゾクとした憧れをいだいていたのかなぁという気がする。

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あっきゃん

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