山中常盤 牛若丸と常盤御前 母と子の物語

劇場公開日:

解説

岩佐又兵衛による絵巻物『山中常盤』を、浄瑠璃とナレーションを付けて構成した長篇ドキュメンタリー。演出は「元始、女性は太陽だった 平塚らいてうの生涯」の羽田澄子。撮影を「AKIKO あるダンサーの肖像」の若林洋光と「元始、女性は太陽だった 平塚らいてうの生涯」の宗田喜久松が担当している。第78回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第2位、第17回東京国際女性映画祭出品、第5回Tokyo FILMeX 2004 特別招待、2004年度日本映画ペンクラブ賞ノン・シアトリカル部門第1位、文化庁映画賞優秀賞受賞、芸術文化振興基金助成事業作品。

2004年製作/100分/日本
配給:自由工房
劇場公開日:2005年4月23日

ストーリー

江戸初期に活躍した特異な絵師・岩佐又兵衛の作とされる、全12巻、全長150mにも及ぶ極彩色の絵巻物『山中常盤』。既に絶えた古浄瑠璃の曲を、文楽の鶴澤清治氏が新たに作曲し、絵巻に残された詞を乗せて現代に蘇らせる。源氏の御曹司・牛若丸は、15歳の春頃、驕る平家を征伐すべく鞍馬寺を抜け出すと、奥州・平泉の藤原秀衛の館に迎え入れられた。一方、京の都で牛若丸の身を案じる母・常盤御前は、我が子との再会を神仏に願うも叶わず、その後届いた牛若丸からの手紙を頼りに、侍従ひとりを供にして平泉への旅に出る。しかし、川を渡り、峠を越え、漸く美濃の国の山中宿まで辿り着いた時、彼女は心労が祟って重い病に臥せってしまう。そこに、美しい着物に目をつけた盗賊どもが押し寄せ、常盤と侍従を身包みはがすと、ふたりの命を奪った。胸騒ぎを感じ、都へ向けて旅立つ牛若丸。途中、山中宿でそれとは知らず母の墓に遭遇した彼は、奇しくも常盤と同じ宿に投宿。宿の主人から事の一部始終を聞き、母の仇を討つ決意をする。そして、宿の女房の協力で盗賊を謀り寄せ、見事、6人の盗賊を討ち取り母の供養と成すと、また平泉へ帰って行くのだった。それから3年3ヶ月が過ぎ、立派な若武者となった義経は、十万余騎の軍勢を引き連れて平家征伐に出発する。その道中、山中宿に立ち寄り母の墓前に詣でた彼は、宿の夫婦を呼び出して、昔のお礼に領地を与えた。

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