阿賀の記憶

劇場公開日:

阿賀の記憶

解説

1992年に発表された傑作ドキュメンタリー「阿賀に生きる」から10年、佐藤真監督が再び舞台となった新潟県の阿賀野川を訪れ、10年間という時の流れを見つめたドキュメンタリー。「阿賀に生きる」に登場した人々の多くが亡くなってしまった現在、彼らの残した痕跡を辿りながら、そこに10年前の映画づくりの記憶をも重ねていく。

2004年製作/55分/日本
配給:カサマフィルム
劇場公開日:2005年6月4日

ストーリー

潟県・阿賀野川。佐藤真監督がかつて撮り上げた「阿賀に生きる」は、水俣病の発生地域でもあるこの川筋に生きる人々の暮らしぶりを、3年間にわたって一緒に共同生活を送りながら見つめ続けたドキュメンタリーである。それから10年、佐藤監督は小林茂カメラマンとともに再び阿賀の地へと戻ってくる。10年前、すでに高齢だった登場人物たちの多くがこの世を去ってしまっていた。カメラは、そんな耕す者のいなくなった田んぼや、主のいない囲炉裏など、この10年間の時の流れの痕跡を静かに映し出し、人と土地、そして映画をめぐる記憶を詩的に綴ってゆく。

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スタッフ・キャスト

監督
プロデューサー
矢田部吉彦
撮影
小林茂
音楽
経麻朗
録音
菊池信之
編集
秦岳志
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(C)2004 カサマフィルム

映画レビュー

時間自身を記録する

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 有機水銀による公害被害者という一面を持ちながら阿賀野川沿いで生きる人々の日常を追った『阿賀に生きる』の10年後という作品かと想像していたのですが、ちょっと違っていました。「10年の間の変化」と言うよりは「10年の時間」そのものを記録しようとした映像詩と感じました。

 でも、それより強く印象に残ったのは、「阿賀に生きる」では人々の訛の強い言葉に全て字幕がついたのに、本作では一切の字幕を排除した事でした。お年寄りの訛の強いお話は僕には1割程度しか理解出来ず、まるで音楽を聴く様な思いでした。それは恐らく、お一人お一人の声自身に耳を傾けてもらおうと言う監督の意図的な造りでしょう。でも、その為には「意味」など理解されなくとも仕方ないと言うのかな。外国映画にも字幕は要らないと言う事なのかな。難しく深い問題だ。

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