新選組鬼隊長

劇場公開日:

解説

子母沢寛の「新選組始末記」を「火の女」の高岩肇が「竜虎八天狗 第一篇・第二篇」の結束信二と共同で脚色し、「蛇姫様(1954)」の河野寿一が監督に、「お坊主天狗」の三木滋人が撮影に当る。「お坊主天狗」の片岡千恵蔵と中村錦之助に、「竜虎八天狗 第一篇・第二篇」の東千代之介が顔を合せ、「宮本武蔵(1954)」の水戸光子、「竜虎八天狗 第一篇・第二篇」の千原しのぶ、「三日月童子」の三条雅也、「継母」の田代百合子、「蛇姫様(1954)」の喜多川千鶴、「お坊主天狗」の月形竜之介のほか新劇の人々も出演する。

1954年製作/115分/日本
原題または英題:The Last of Samurai
配給:東映
劇場公開日:1954年11月22日

ストーリー

新選組が池田屋を襲撃したのは元治元年、隊長近藤勇以下隊員三百名が幕府軍の第一線を作っていた。隊士沖田は胸を病み、愛人あぐりは彼の身を案じ、近藤には芸妓梅香が心を寄せていた。蛤御門の戦いに勝った新選組は参謀として伊東甲子太郎を迎え、隊員を拡充したが、いつか新選組は庶民に恐れられ、近藤の信念と反するに至った。それを憂えた山南敬介は新選組から脱走する。捕えられた山南は淡々と切腹して果てた。やがて盟友藤堂も参謀の伊東と共に袂を分った。土方は沖田等を誘って二人を斬った。慶応三年王政復古の命下り、池田屋襲撃から五年を経た新選組は残る隊員六十六名。翌年鳥羽伏見の戦に敗れ近藤等は将軍と共に江戸に帰る。決戦か和議か。将軍の御前会議で近藤は極力決戦を訴願したが、ついに入れられなかった。彼は病床の沖田を慰めたが、沖田の枕頭には京都からかけつけて看護に当るあぐりの健気な姿があった。近藤は新選組最後の一戦を試みんと甲陽鎮撫隊をひきいて甲府へ出発する。街道には彼の故郷があり、かつて彼に思慕をよせた村娘おれんが今はやつれた人妻として住んでいた。然し新選組はこの一戦にも敗れた。甲州路を江戸へ下る近藤に沖田病死の報せがはいる。土方以下の隊員は新選組の解散を主張する近藤に反対して、流山に拠って討幕軍に抵抗した。激しい砲火から有為の隊員を救うため、近藤は自ら一人討幕軍の本営に投降した。時に明治元年四月五日。

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