映画ドラえもん のび太と夢幻三剣士のレビュー・感想・評価
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謎が多過ぎる作品
パラレル西遊記とドラビアンナイトを混ぜて、西洋ファンタジーを舞台にしたような作品。そこに救国の英雄とされている白銀の剣士としてのび太が現れるというストーリーになっている。今で言うなろう系。一応ダルタニャン物語の三銃士と、竜のエピソードについては英雄ジークフリートをモチーフにしているらしい。
のび太がドラえもんにお願いして夢の中でヒーローになれるひみつ道具、気ままに夢見る機を出してもらう。その気ままに夢見る機に夢幻三剣士のカセットを入れるという流れで夢幻三剣士の世界であるユミルメ国に入って行って、今回の冒険が始まる。カセットという辺りがスーパーファミコン全盛期を思い起こさせる。他のカセットと違い、夢幻三剣士は現実に影響する可能性もあるという怪しい代物。またもタイムパトロールが激怒しそうな案件である。
その夢幻三剣士のカセットを勧めた怪しい老人の正体は、敵である妖霊大帝オドロームの部下トリホーなのだが早速謎が出て来る。なんで夢の中の世界の話なのに、こいつは普通に現実世界にいるのかと。しかもまだ夢幻三剣士のカセットを使っていないのにである。更に夢幻三剣士のカセットは一品もの。この謎は結局最後まで明かされず、モヤモヤ感が残る。ちなみにのび太を夢幻三剣士の世界に招き入れた理由は、ユミルメ国の予言にある不死身の白銀の剣士をのび太にすることだった。何故のび太なのかと言うと、不死身になるための条件である竜殺しが優しいのび太では達成出来ないだろうとトリホーが考えたからだった。
ユミルメ国は妖霊大帝オドローム率いる妖霊軍団によって半数の町を失い存亡の危機にあった。そこへのび太ことノビタニヤンが現れる。しかし、スーパーマンになれるはずが特に何も変化はなく、スネ夫をモデルにした剣士スネミスの召使いになる羽目になってしまう。更にジャイアンをモデルにした剣士ジャイトスがスネミスを倒したことにより、ノビタニアンの立場は更に下がってしまう。
ヨラバタイ樹という大樹の頂上にある白銀の剣と兜を取りに来ていたスネミスとジャイトスは我先にと樹を登り始めるが、のび太の機転によって先回りすることに成功。白銀の剣と兜を手に入れたことで白銀の剣士となる。更にスネミスとジャイトスを倒して夢幻三剣士を結成する。ここまではいいのだが、なんと現実世界に戻ったのび太は無断でしずかちゃん、スネ夫、ジャイアンの額に夢見る機のマイクロアンテナを付けて夢幻三剣士の世界に引き込んでしまう。寝ているところに侵入するのも酷いし、このことによって3人は夢見が悪かったり夢の中の世界の影響で現実世界でクタクタになってしまう。
今まで夢幻三剣士の世界に入っていなかったドラえもんは魔法使いドラモンとしてパーティーに参加するのだが、普通にひみつ道具を使ったことで世界観が滅茶苦茶だとのび太に怒られる。さすがにその気持ちは分かるが、ドラえもんは現実世界に四次元ポケットを置いていた上に、気ままに夢見る機の隠しスイッチを押す。このスイッチで現実と夢を入れ替えることが出来るというものなのだが、何故そこまでするのかさすがに疑問である。夢幻三剣士の世界は普通に死ぬ可能性がある世界であり、そんなところでひみつ道具も無しに冒険させるのはさすがにおかしくない?ドラえもんの謎判断により、のび太にすら無断でいきなり命懸けの冒険が始まってしまう。
一方しずかちゃんはユミルメ国の王女シズカリアになる。シズカリアは白銀の剣士と強制的に結婚させられるのが嫌で城を抜け出し、旅の剣士シズカールと名乗る。不死身になるために竜を倒そうとする一向。如何にも西洋のドラゴンというデザインである。スネミスとジャイトスは竜のブレスを受けてあっさり石化してしまう。ノビタニアンとドラモンの元へ現れたシズカールを加えた3人で竜を討伐しようとする。だが、トリホーの目論見通り竜を殺すことが出来なかったのび太。竜は血の代わりに汗が染み出した温泉に浸かることで一度は甦ることが出来ると提案し、ノビタニアンとシズカールは甦る力を手に入れる。
妖霊軍団が押し寄せるアンデル市に到着した一行。封印したはずのひみつ道具をガンガン使用し始めるドラえもん。それに対して全く文句を言わないのび太。これも現実と夢を入れ替えた影響なのかと納得するしかない。のび太ではなくノビタニアンの視点で考えた場合、ドラモンは魔法使いだから夢の中(本来の現実世界)で出て来るひみつ道具が使えるのだと考えているようなのだ。つまりこの時点でノビタニアンにとってドラえもんは夢の中の人物であり、ドラモンは仲間という感じになってしまっているようなのだ。ある意味人間関係がリセットされるというホラーである。
シャルペロー城でもひみつ道具を大活躍させ水の精と鉄の精を無力化させる。更にノビタニアンは一騎討ちでジャンボス将軍を破る。戦ってるのそれ?と言う如意棒を振り回しているだけのパラレル西遊記に比べると、短いが見応えがあった。しかしひみつ道具を四次元ポケットから取り出しているシーンをトリホーに見られており、トリホーによって四次元ポケットは奪われてしまう。その夜、祝賀会の最中に一瞬にして城が暗くなり、ノビタニアン以外の全員が眠りこけていた。なんとオドローム自ら襲撃してきており、あっさりとノビタニアンを殺してしまう。更に復活の秘密を知っていたオドロームはノビタニアンの復活待ちをしてトドメを刺そうとしてくるが、のび太のママによって気ままに夢見る機の隠しスイッチが押され、間一髪のところでのび太は目覚めて助かる。
命が危なかったことを知ったドラえもんは、気ままに夢見る機の返品を未来デパートに依頼。いやいや押さなくてもいい隠しスイッチを押したからじゃないのか?とツッコミたくなる。まぁなんでこんなスイッチ付けてるんだよとは言いたくなるが。更にスネ夫とジャイアンに付けていたマイクロアンテナを回収したことで二人は冒険終了となる。そこで何故かしずかちゃんには直接会わずにしずかちゃんのママ越しにアンテナ取っておいてというのび太。なんでやねん。ドラビアンナイトの時と同じような展開である。
冒険が終わったかと思いきや、気ままに夢見る機から夢幻三剣士の案内マスコットであるシルクが飛び出して来る。これも現実世界に影響を及ぼしたからか?と考えないと辻褄が合わない。シルクが言うには白銀の剣士がいなくなったことで、ユミルメ国がピンチだということだった。再度夢幻三剣士の世界に入り込むことを決意する二人。ここまではいいのだが、何故また隠しスイッチを押す?本当に意味が分からないし、押す意味はどこにあるのだろうか。
ノビタニアンとドラモンは妖霊軍団の本拠地幽冥宮へと乗り込むのだが、当然アンテナを外していないしずかちゃんも巻き込まれてしまい、それどころかオドロームに見つかって殺されてしまう。幸いオドロームはシズカールが復活することを知らなかったため助かるのだが。更にご丁寧に保管されていた四次元ポケットを発見し、絶体絶命のピンチに陥っていたノビタニアンのピンチをビッグライトで救う。巨大化した白銀の剣によってオドロームは貫かれて死亡する。パラレル西遊記と似たようなラストだが、最後にビッグライトを使うというのはいい。
シズカールは王女シズカリアに戻り、ノビタニアンとなら結婚してもいいと王様に告げるのだが、返品依頼を受けていた未来デパートのロボットが気ままに夢見る機を回収したことでいいところで夢は終わる。このロボットも何故かトリホーに似ているという謎キャラであり、色々と謎が残る。それにしてもこの夢によってしずかちゃんはのび太への恋愛感情刷り込みされてない?とすら思ってしまう。学校に向かうのび太はしずかちゃんと夢の話をするのだが、何故か学校はユミルメ国の城のような絶壁の上に立っていたという形で話は終わる。謎過ぎる。回収されて隠しスイッチ押してないからとかなのだろうか。
という訳でツッコミどころよりも謎が色々と残る作品。西洋ファンタジーを舞台にするという斬新さはあるが、夢幻三剣士と言いながらスネ夫とジャイアンの活躍は特に無い。力を合わせてスパイドル将軍と戦うところぐらいである。夢と現実がごちゃ混ぜになり、夢幻三剣士の世界ではのび太ではなくノビタニアンなのだというのがほとんどの人にはサッパリ伝わらないだろう。正直自分でもこのレビューを書きながら、そういう解釈なら分かるなぁと思ったくらいだ。マジで隠しスイッチが設置されている意味も分からないし、ドラえもんがスイッチを押した意味も分からない。
夢は終わったんじゃないの?
2025年2月1日、Amazonプライムにて視聴。
ラストの意味不明さがよく話題になる映画第15作。
夢幻三剣士のタイトルながら「パラレル西遊記」以上にのび太無双が続きジャイアン、スネ夫に関しては脇役所が最終的にフェードアウトするという不遇ぷりが目立つ。
その分しずかちゃんのヒロインとしての存在感はあがっておりのび太との恋愛模様が少し進展したように演出されてたのはよかったかも。
正直ストーリー本編に関してはのび太に都合良い形で展開する冒険もの的な感じなのでそんなに面白くない反面、のび太としずかちゃんががちで死亡したり意味深なラスト等雰囲気は怖いと言うより結構不気味、
特に敵キャラのトリホーは現実世界に干渉してきたりラストに顔そっくりなロボットが登場したりと明らかに他のオドローム配下と違う扱いされてたけどあれは結局なんだったのだろう?
当のF先生ご本人がある種の失敗作とまで言っているくらい迷走気味の作品ではあるがとりあえず挿入歌の「夢の人」は凄く良いです。
藤子不二雄らしさ全開
藤子・F・不二雄って、わたしの中では気味悪いSF(少し不思議)を描く作者だと思っていて、日常の中にSF(少し不思議)があるのが彼の世界観だと思います。
夢幻三剣士という作品。これは唸る。
どこまでが現実でどこからが夢か。最後には混ざってしまったのか、それとも、元からこうだったのか。
子供向けではあります。ですが、細かい所まで理解しようとすれば大人でも難解な作品になります。
テンポも良かったし、ストーリーも後味が残ってよかった。小気味よいエンディング曲が流れ始めるが、一筋縄ではいかない疑問を最後になげかけて終わる。
映画ドラえもんを自分の幼少期のものしか見た事がなく、昔の作品は見た覚えの無い自分からすると、かなり面白く思えた
ゾッとする系ドラえもん
何度見たかわからん。
ぞっとする系ドラえもん劇場版。
夢と現実がゴッチャゴチャになってくのも怖いし、
ラストも怖すぎる。
道中はそれとなく冒険物にしてるけど
考えれば考えるほど不気味な作品。
教訓ではなくSF作品。
16.4.4
めでたしめでたし?
レトロな良さ
ご都合主義が許される設定
緊迫感のなさでいくと長編ナンバー1
全然いいですよ。いいですけど。。
完全に学芸会のノリ。緊迫感のなさでいくと長編ナンバー1かもしれない。
ほぼ夢見る機で完結してしまうストーリー。夢世界というのはおもしろいけど、RPGぽさがかなり脱力の要素。もう一度言うが、いいんですよ、別に。
シリーズがこう多いとだんだん採点がややこしくなってきた。あれ3でこっちも3はおかしいよな、あれよりこっちが低いの違うよな、とか出てくる。
あと最後のカットおかしくないか。学校が崖の上にある笑。これも夢です、みたいなことなの?わからん。
ドラクエの夢を何度も見る感じの作品
好きな夢を見られる機械があればいいな~って、おっさんになった今でも思う。そんな夢を実現する「気ままに夢見る機」をドラえもんに出してもらったのび太。徐々にエスカレートしていき、結局しずかちゃん、スネ夫、ジャイアンも夢に参加してもらうシナリオに変更していく。さらに夢の中からやってきたトリホーという魔物に「夢幻三剣士」というビデオを22世紀から取り寄せることになったのだ。
内容はドラゴンクエストのイメージそっくり。夢の中でユメミル国は妖霊大帝オドロームに侵略されていて、「白銀の剣士」となるべく剣と兜を手に入れたのび太は、国の王女と結婚するために奮闘するのだ。ドラえもんはドラモという魔法使い、スネ夫とジャイアンはのび太とともに剣士となり、しずかは妖精シルクと王女シズカール。そのシズカールは結婚を嫌がり、男装して剣士の仲間入りを果たす。そして最初の敵ドラゴン退治をするが、ドラゴンを仲間にすることになるのだ。
夢と現実の境目がわからなくなるほど毎晩夢を見続けていたが、やがて夢と現実を逆転させての活躍。ドラクエで言えば、石化は5、夢と現実は6といったところか。単純だけど冒険ファンタジーにわくわくさせられる・・・のかな。
のび太のヌードもあるし、しずかちゃんのヌードは2回登場。自宅のお風呂では鎖骨のくぼみに水が溜まってるというこだわりも見せている・・・
キッズも衝撃☆ドラえもんアニメ史上最もシビアで興奮する映画
【夢と現実が入れ替わる秘密道具が大変な展開を引き起こす】
~ポケモントレーナーみゆきは、91点の経験値をもらった!~
ドラえもんのアニメや映画シリーズはどれも面白いです☆
のび太を始め、現在は正統派と言えるキャラクター設定の中に、今や世界一有名な猫型ロボットドラえもんが色々なハプニングと学びを生み出すのが魅力的です!
そんな中、強烈に印象に残っているのがこの映画!
なぜ付けてしまったのかという夢と現実が入れ替わるボタンを持つ秘密道具「気ままに夢見る機」!
普通に使う分には好きな夢を見られるという素敵なものなのですが、このボタンが巻き起こす展開は衝撃です!
のび太のママがとんでもないことをしてくれます★
勇猛果敢に冒険する夢が、いつの間にか現実と入れ替わっていたらどうでしょう?
楽しい中にもドキドキしながら観られるドラえもんはなかなかないかもしれません!
★大好きなポケモンに例えると★
カイリュー
ドラゴンがポイント!ヒロインしずかちゃんの命を救う衝撃と安堵感
しずかちゃん大活躍でのび太はオマケ
白銀の剣が恐ろしく強く、万能(笑)
のび太の良いところは優しい所なのは良くわかるが、怠け者でもあるんだよな。
オドロームの使い魔がのび太をワザワザ夢の中へ誘い込まなければオドロームが支配したのに。
物語はオーソドックスに進んで、現実世界の都合上、夢から覚めるのを繰り返す為にいつもの冒険に見えるが、裏ボタンで一気に雲行きが怪しくなるのは面白い。
ラストはいつもと違う展開でたまにはこう言うのもありと思う。
ドラえもん版ドラゴンクエスト
現実の世界ではダメダメなのび太君が、夢の中で伝説の剣士になって大冒険をする、ドラえもん版ドラゴンクエストのような物語です。
この作品は、それまでの“感動する”ドラえもん映画と言うより、単純に冒険を楽しむ映画だと思います。
ストーリーはテンポよく進んでいくので退屈しないし、黄金ハットとドライオンとか、のび太がおねしょするとか、ギャグシーンも多いです。そして主題歌がかっこ良いです。
この映画を見てると、やっぱり、ドラえもんたちの声は大山のぶ代さんの時がいいな~。
妖霊大帝オドロームと最後の対決の時はジャイアンとスネ夫がいませんが、しずかちゃん(シズカール)とのび太(ノビタニヤン)とで協力してオドロームを倒す。
あの展開は好きです。たまにはそういうのもあっても良いかと。
でも最後の、学校が山の上(夢の中でアンデル城があった場所)にあるのは気になる終わり方ですね。
あれは夢?現実?考えるとちょっと怖いような気もします。
…ところで、罠にかかった小熊の鳴き声が「ナウシカ」のキツネリスに似ていると思うのは私だけですか?
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