ドッペルゲンガー(2003)

劇場公開日:

解説

「見たら死ぬ」筈の自分の分身と遭遇してしまった男が、皮肉にも生きることに逞しくなっていく姿を描いた喜劇。監督は「アカルイミライ」の黒沢清。脚本は、黒沢監督と「怯える」の古澤健の共同。撮影を水口智之が担当している。主演は「突入せよ! 「あさま山荘」事件」の役所広司。第77回本誌日本映画ベスト・テン第9位、第58回毎日映画コンクール日本映画優秀賞受賞、男優助演賞(柄本明)受賞、第47回三浦賞(水口智之)受賞作品。HD24pでの撮影。

2003年製作/107分/日本
配給:アミューズピクチャーズ
劇場公開日:2003年9月27日

ストーリー

介護用人工人体の開発に勤しむメディカル・サイテック社の研究者・早崎は、スランプに陥りノイローゼ気味。そんな彼の前に、ある日、彼とそっくりの外見を持つ分身=ドッペルゲンガーが現れる。内向的で真面目な早崎とは対照的に、社交的で欲望に忠実な分身は自由気ままに振る舞いながらも、やがて早崎の研究を成功させようと協力を始める。解雇された会社から人工人体を盗み出し、君島と言う助手を雇い、しかも泥棒を働いて研究費やライヴァル企業の資料までゲットして来てくれた。その甲斐あって、遂に人工人体は完成。だが、分身の存在が疎ましくなった早崎は彼を殺害。遺体を処分すると、君島と、同じく自殺した弟の分身に悩まされていた由佳と共に、人工人体を売るべく新潟にあるメディコン産業へ車を走らせた。ところがその途中、かつての同僚・村上が人工人体を売れと言ってきたり、君島と仲間割れしたりとトラブル発生。それでもなんとかメディコン産業に到着した早崎は、しかしその頃には全てがどうでもよくなり、由佳とふたり、新たな人生を歩き出そうと、人工人体を売らず枷から放してやる。すると、それはまるで意志を持ったかのように動き出し、崖の上から海へ飛び下りて行くのだった。

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映画レビュー

2.5ダンカンと永作博美

2024年2月3日
スマートフォンから投稿

売込み先企業の担当部長役が、ダンカンと分かった時点で、「人工人体装置」のチープさが決定的となった。私の中でバチンと繋がった。

ホラーとエロスはセットであることが多いが、ドッペルゲンガーのホラー要素も永作博美の異質なエロさ要素も「寸止め」でした。

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スコア105

3.0黒沢清な気配は好きだ。

2021年2月9日
iPhoneアプリから投稿

ホラーネタを喜劇に転換する試みは分かるが成功したかは疑問。
役所の二役も「Shall we…?」と「シャブ極道」とを別々に観た方が愉しめよう。
が、黒沢清な気配は好きだ。
廃墟と深緑、ファーストカットのカメラ横移動のタイミングの不穏。

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きねまっきい

3.0【自らのドッペルゲンガーにより、"本来の自分自身"を見いだした人々の"荒唐無稽"だが、面白き物語。あのラストをどう観るかは貴方次第である。】

2020年9月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

難しい

-ドッペルゲンガー:自分とそっくりな姿をした分身。但し、性格まで同じとは限らない・・。-

・ある企業の研究者ハラサキは「人工人体」の開発に行き詰まっていた。そこに現れたハラサキのドッペルゲンガー。性格はハラサキと違い、自由翻弄だ。
・同じく弟ナガイタカシを亡くしたマヤの部屋にも、弟のドッペルゲンガーが現れる。

・ハラサキは自らのドッペルゲンガーが見つけて来たキリシマの助けを借りながら、「人工人体」を開発し、ロボット企業に売りつける直前まで行くが・・。
ハラサキの性格は、殺した筈の自らのドッペルゲンガーに酷似していた・・。

〈黒沢清監督は、常に"こちら側"と"あちら側"をテーマとして作品を作り続ける監督だ。今作品もコミカル要素をまぶしながら、生身の人間と生き写しのドッペルゲンガーとが、出会った事で、引き起こされる悲喜劇を描いている。
「人工人体」のチープさと、物語設定の粗さが気にはなるが、奇想天外な発想には、観いられた作品。〉

■2020年9月14日
黒沢清監督の最新作「スパイの妻」が、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した。
心からお祝い申し上げます。

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NOBU

3.0生き残ったのはどっち?

2020年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

医療機器の開発者が主人公(役所広司)、自分の分身であるドッペルゲンガーが現れる。
前半はこのドッペルゲンガーに振り回されるのだが、後半はガラリと変わり・・・。
少し笑えるが、要注意。

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いやよセブン