花子

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花子

解説

革新的手法と映画哲学によって数々の傑作を世に送り出しながらも2007年に49歳で急逝したドキュメンタリー作家・佐藤真が、重度の自閉症を抱えるアーティスト・今村花子さんと彼女を取り巻く家族の姿をとらえたドキュメンタリー。

京都府の南端に位置する大山崎町で両親や姉と暮らす今村花子さんは、夕食の残り物を素材にした「たべものアート」の作家だ。このユニークなアートの発見者である母・知左さんは、6年にわたって花子さんの作品を写真に撮り続けてきた。花子さんは毎日作業所に通い、週末には絵画教室や父・泰信さんとの外出を楽しむ。

繰り返される今村家の日常のなかで、毎日変わることなく「たべものアート」を作り続ける花子さんの姿を映し出す。2024年5月24日より開催の特集上映企画「暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE」にて4Kレストア版を上映。

2001年製作/60分/日本
配給:ALFAZBET、パラブラ
劇場公開日:2024年5月24日

その他の公開日:2002年1月26日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)2001 シグロ

映画レビュー

アートって何なんだ?

2024年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 知的障害により毎日施設に通う花子さんは、或る日突然、夕食に食べた物を畳の上に並べ始めます。それは食べ物を粗末にしている様にも、残飯を投げ散らかしている様にも見えます。しかしお母さんはそれを面白いと感じ、花子さんの「作品」全てを撮影し始め、やがてそれは2000枚以上の写真になりました。

 本作は深いものを提示します。花子さんが並べる「食べ残し」を正直言って僕には「アート」と感じる事は出来ません。しかしその写真が何十枚何百枚にもなると、不思議な力を発し始めます。お母さんは、ご自身の写真を特に整理する事はなく毎日撮り続けるだけです。花子さん自身もそれが「アート」などとは思ってはいないでしょう。じゃあ、この不思議な力を何と名付ければよいのでしょう。ただ、それを「アート」と名付けた途端にこの表現の魅力はたちまち雲散霧消してしまう様にも思います。

 ご両親へのインタビューも殆どなくカメラは淡々と一家の日常を撮り続けるだけです。ご自身が年老いたら娘はどうなるのかが心配であるに違いありませんが、そんな所にカメラは一切踏み込みません。いつも口を尖がらせている花子さんはとてもキュートです。

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