路地へ 中上健次の残したフィルム

劇場公開日:

路地へ 中上健次の残したフィルム

解説

作家・中上健次が小説の舞台とした路地を、映像作家・井土紀州が訪ねる長篇ドキュメンタリー。監督・構成は「EUREKA」の青山真治。撮影を「SELF AND OTHERS」の田村正毅が担当している。2001年8月4日より大阪・扇町ミュージアムスクエアにて先行上映。一部16ミリからのブローアップ。

2001年製作/64分/日本
配給:スローラーナー
劇場公開日:2001年8月11日

あらすじ

被差別部落出身で、その場所を路地と呼び、そこを舞台とした作品を書き続けた作家・中上健次は、1978年から始まった地区改良事業によって消えゆく路地の最期の姿を16ミリフィルムに記録していた。92年、中上健次死去。それから7年目の夏、映像作家・井土紀州は彼の生まれ故郷である紀州・新宮市に、彼の小説を携え、その舞台に選んだ場所を旅して行く。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
構成
青山真治
「路地」小説
中上健次
プロデューサー
越川道夫
佐藤公美
撮影
たむらまさき
16ミリ撮影
向井隆
「路地」映像
中上健次
録音
菊池信之
編集
山本亜子
制作担当
吉岡文平
藤田雄己
字幕
リンダ・ホーグランド
朗読
井土紀州
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映画レビュー

3.5須野? 聞いたことないなあ。

2025年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

中上健次が死去した7年後(たぶん)の、1999年8月9日松坂。著書の断片の朗読とともに、一台の車を新宮に向かって走らせながら始まる。新宮へ、とは何の紹介もないが国道42号線を南下するのだから新宮に決まっている。それは中上健次を知る者なら当然そう思う。そしてただひたすら車を走らせる映像が流れるのだが、それはなかなか中上健次の名残りに会わせようとしない焦らしのようにも思えた。
そして唐突に、ドキュメンタリーかと思っていたのに物語が始まる。なのにまた朗読の世界を邂逅する。そんなふわふわとした気分の中で時間がすぎていく感覚だった。新宮は、太平洋を目の前にした街なのに日本海よりも暗く、本州の真ん中なのに北海道の果てよりも遠くに感じる。"路地"のある根の国、がそこにある。それは何度か訪れた新宮の印象そのものだった。

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栗太郎

2.02025年は2月3月と紀州に二度足を運び、熊野古道中辺路・小辺路を...

2025年4月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

2025年は2月3月と紀州に二度足を運び、熊野古道中辺路・小辺路を踏破した。ただひたすらに歩いていたかった、それだけだったのだが。
熊野三山のお膝下として新宮は君臨しているけれど、海に面しているもののどん詰まり感は否めない。本作は26年前に制作された作品だが、26年経った今とさほど風景が変わっている訳でもない。今も、そして、これからも、取り残され続けていく土地なのではないか、と思う。それがいいのか悪いのか、どちらとも取れると思うが。

中上健次にさほど思い入れがないため、朗読された言の葉にもそれほど心動かされなかったが、変わらずそこにある、地方の一風景を確認することができたのは良かったと思う。

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Nori

5.0挿入歌がまたすごい

2022年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

エンドロール、越川道夫監督がプロデューサーとして参加していて驚いた
全く映画を見ていない15年間を取り戻さないとな。

ぴあフィルムフェスティバル2022のアワード入選作品も“無くなった場所”がテーマの一つだったと感じていたので、このプログラムは秀逸。

血を土地に縛りつけるコミュニティがあった
忌まわしいアイデンティティの喪失
挿入された歌の内容がまたすごい。

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shiron

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