ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃のレビュー・感想・評価
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ゴジラ劇団の配役
総合50点 ( ストーリー:40点|キャスト:55点|演出:60点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
ゴジラ出現前からの動きからゴジラの戦いまでを見守ることになる重要な立ち回りをする由里役の新山千春は、役柄として特に面白くもなく演技もとりわけ良い訳でもなく物足りない。ゴジラは凶暴で強くてまずまずだが、他の怪獣はもっと頑張って欲しかった。他の怪獣との戦いの場面も悪いわけではないが、今回のゴジラは女子供だろうが知ったことじゃないとばかり容赦なく踏み潰す場面が描かれるのが良かった。怪獣が暴れれば町が破壊されるだけでなく、人命が失われるのだということを見せてくれる。
過去に観たいくつかの他のゴジラ作品と異なり、今回のゴジラは大人も対象になっているように思える。それでもまだまだ水準が高いとは言えない。怪獣たちもぬいぐるみ感が強くて映像的にも一流とは言えない。脚本も粗い。21世紀の作品としてはまだまだ不満が残った。
それほどたくさんのゴジラ映画を観たわけではないが、1つ気が付いたことがある。ゴジラは作品によって人間の敵だったり時には味方だったりする。その他の怪獣もそれは同様のようで、設定に一貫性がない。1991年の『ゴジラVSキングギドラ』では、キングギドラは未来から来た人造ペットが放射能で変化してものだったはずだが、ここでは日本古来の神獣だそうだ。
どうも映画界にはゴジラ劇団とでも言うべきものがあって、所属する怪獣が作品によって自由に配役されてその脚本の設定の役柄を演じることになっているようだ。だが作品ごとにこうも配役が変わると違和感があってどう怪獣を認識していいものやら。作品ごとに怪獣の配役を変えるのではなく、役柄ごとに専用の怪獣を登場させた方がいいように思う。
リメイク版「三大怪獣」を観て
初めてリメイク版「三大怪獣」を観ましたがVFXかつCG技術を使ってオリジナル版「三大怪獣」を現代にリメイクしたんだと思いました。
何より凄かったのは主演のキャスト陣より脇役俳優も出てたことでした。
後にイヤミ課長でブレイクの木下ほうかさんに、塚本高史さん、加瀬亮さん、角田信明さんに、笹野高史さん、前田亜季・前田愛姉妹も出てたのもすごいと思いました。
※ちなみにオリジナル版「三大怪獣」はキングギドラvsゴジラ・モスラ・ラドンでリメイク版「三大怪獣」はゴジラvsモスラ・キングギドラ・バラゴンという視点で描いたとは知りませんでした。
ハリウッド新作ゴジラの前に再度
キング・オブ・モンスターズを観る前に復習を兼ねて。
けっこう好きだった新山千春ちゃんの演技は置いといて、俳優陣の豪華さ、脚本の斬新さに参りました。
確か18年前に観たはずなのに、改めて観たら、こんなんだったっけ?あゝそう言えば!という感じ。モスラはともかく、キングギドラは宇宙から地球を破壊しに来た人類の敵だったのに、180度回転させて、倭の国の守護者という設定。これは、過去作の脚本を破壊したゴジラ級のパワー!さすがです。ちょと可哀想なのは、タイトルにも入れてもらえなかったバラゴンちゃん。いい所なかったね。
さて、ハリウッドゴジラには余り期待してはいないのですが、震撼させてもらいに行ってきます。ワクワク。
この国は怪獣だらけかっ!
今までのゴジラ設定を覆すくらいに画期的なストーリー。ゴジラは50年前に東京を襲ったきり現れていないというものや、ゴジラが完全悪であり、バラゴン、モスラ、キングギドラが善玉というもの。ヤマト古来の守護神である護国聖獣、漢字で書くと“婆羅護吽”、“最珠羅”、“魏怒羅”なのだ。ゴジラの存在も太平洋戦争の犠牲者たちの残留思念と位置付ける大胆な発想。じゃぁ、なんで日本を襲うのよ!?との問いにも、適当ながらも答えていた。
新潟県妙高、鹿児島県池田湖、山梨県本栖湖、小笠原諸島と、全国を巡る怪獣出現ポイントも楽しいし、暴走族やら犬を虐待する若者たちが最初の犠牲者になるなんてホラー映画のパターンもいい。人が死にすぎるという批判ポイントもあるが、これもホラー映画だと思えば許容範囲。特に篠原ともえや温水洋一のシーンが悲しいけどいい。笹野高志が運転手ってのもいい。爺さんの幽霊(天本英世)をはじめ、オカルトっぽいところもあり、不思議な石なんてのも平成ガメラを引きずっているのだろうか。
ちょっと拍子抜けするのは護国聖獣3匹がそれぞれ皆弱いところ。バラゴンはプロレス技で結構頑張っていたけど、キングギドラなんて呆気なく死んでしまうし、2度も生き返らせてもらってる。そして特殊潜航艇の魚雷の一発目がヤッチマッタ感満載。こんなところでギャグかませなくても・・・
平和憲法と防衛軍などとレクチャーする准将の宇崎竜童。しばらく自衛隊がゴジラ映画にそのまま表記されていたのに、敢えて防衛軍としたのは、50年前のゴジラを撃退したのは防衛軍の兵器ではなく、芹沢博士の兵器だったということをずっと隠蔽してきたからだろう。軍の不要論にも繋がるために隠蔽したおかげで、ゴジラが現れたことさえ忘れられてしまった世の中。そんな防衛軍の上部組織が防衛“省”となってたのは先見性があったということかもしれません。
使われたきのこ雲の映像といい、平和や反核のメッセージが込められた作品だと思う。ただ、音楽が酷すぎる点、主役の二人の演技がダメすぎる点が残念。また、前田愛、亜季の姉妹がそのまま小美人になるかと思ったのに、なんでもなかったところが謎。
ゴジラの足元では人が死んでることを忘れないための映画
私にとってのゴジラは平成ゴジラでした。もちろんビデオを通して過去作も見てはいるんだけど、デストロイアで一旦終わったという気持ちがあり、全然本作は見てませんでした。終わったゴジラを今更リブートしても、という気持ちだったし、子供向け感がなんか物足りなかったです。
ただ、今見てみて、この映画を見てなかったのはもったいなかったなと思いました。
シンゴジラを見た後なら、そうだよねゴジラって凶悪だよねって正直なるんだけど、平成ゴジラシリーズ見た後であれば、ゴジラ怖っ、ってなったんだろうな。
それくらい人間を殺しまくる。もちろん残虐シーンなんかはないんだけど、出てくる人出てくる人、明らかに死んでるってのが、平成ゴジラにはなかったところでした。監督が平成ガメラの人なので、その辺りは同じですね。
ゴジラが暴れる足元では確実に人は死んでるんだな、という当たり前のことを思い出させてくれる描き方でした。
純粋に映画としては、ドラマ部分がちょっと物足りないし、全体的に低予算感が凄いんだけど、新たな設定のゴジラとしての面白さはあった。
ゴジラファンは見たほうが良いですね。
白目ゴジラ怖ぇー!
ゴジラ通算25作目でミレニアムシリーズでは3作目にあたる本作。前作のトンデモ科学から一転オカルト嗜好になっております。科学的だった前作は大した科学知識なくってもツッコミ所満載だったのに、オカルトになると何でもあり前提なんで、例え新山千春が箱根?から横浜までゴジラをチャリで追っかけててもツッコミする気にならなくなるのは自分的に不思議な発見でした。
何はともあれ白目ゴジラがカッコいいですね。太平洋戦争の怨念うんぬんは正直なんじゃ、そりゃ?って思いましたが、見た目はナイスです。そしてバラゴンがつぶらな瞳でカワイイ。思いっきり咬ませ犬なのが残念でした。あまり活躍のなかったモスラは微妙でしたが、キングギドラが千年竜王なんて大層な名前になってたのは監督の中の中学2年生が全開だったのでしょう。
ただ新山千春のマスゴミっぷりが痛々しかったです。ああいうのがいると現場は迷惑だろうなぁ。
怪獣の出現でちゃんと人が死んでたりすることを誤魔化さずにやってるのは良かったですね。総じて大人も楽しめる作品だったと思います。
最高だ
新山千春が熱海から横浜までネット中継しながら一晩中自転車で走っているとか、変なところはあるが人間ドラマがとても面白く、宇崎竜童もかっこいい。怪獣と自衛隊が協力してゴジラと戦うのもいい。怪獣どうしのプロレスもとても楽しい。モスラが羽で放射能を防ぐところも泣ける。何よりゴジラが怖くて悪い顔していて、容赦無く残虐だった。
公開当時見てとても感動した記憶があったのだが、改めて最高だった。『シンゴジラ』もよかったけど、一番好きなゴジラ映画かもしれない。
シリーズの平成の中で最高傑作❗️
人気怪獣が出てるから子供が観るような作品かと思われるがそうではない。
平和とは何か、防衛軍の必要性とは何か等大人が見ても考えさせるメッセージ性が高い作品である。
後半の主人公と父の親子愛も見物である。
鬼か?悪魔か?…究極破壊神上陸!
ゴジラシリーズ第25作(ミレニアムシリーズ第3作)。
母親に映画館へ連れて行ってもらいました。
良き想い出です。
怪獣映画を新地平へ押し上げた平成ガメラ三部作の金子修介監督が、満を持してゴジラシリーズに登板した作品。
ゴジラシリーズを新ステージへ進めてくれるのではないかと、子供ながら大きな期待を抱いたことを覚えています。
本作のゴジラは完全に恐怖の象徴として描かれていました。今までもそう云うコンセプトを強調していた作品はありましたが、そんなのが霞んでしまうほどの凶悪ぶりでした。白目であり、一切の感情移入を拒む、悪鬼の如き破壊神…
太平洋戦争で散った英霊たちの集合体とされていて、安穏と日常を享受する日本人に痛烈な一撃を加えるかのように襲来しました。お前らの平和の根底には、俺たちの犠牲があったことを忘れるなと、伝えようとするかのように…
そんな破壊神を迎え撃つのは、ヤマトの守り神である"護国三聖獣"、バラゴン、モスラ、ギドラ。企画段階ではバラゴン、バラン、アンギラスと云う組み合わせだったそうな…。派手さに欠けると云うことで却下されたらしいですが、それはそれで観てみたかったなぁ…
当時は動いているバラゴンをまだ観たことが無かったので、この登場は大変嬉しかったです。大涌谷の死闘では体格差をものともせず、果敢にゴジラへと立ち向かっていく姿にジンと来ました。あれだけの奮闘をしたのに、タイトルに入っていないことをかわいそうに思いました。
横浜最終決戦では、モスラとギドラ、防衛軍が共同戦線を張り、猛然と進撃するゴジラに戦いを挑みました。夜景を焦土に変えながら繰り広げられた死闘は、シリーズ屈指の名バトルだなと思いました。覚醒したキングギドラとゴジラの海上戦もまた興奮の坩堝でありました。
ですが、何をさておいても聖獣たちがゴジラにまるで歯が立たないと云う点がヤバ過ぎ。とてつもない衝撃でした。ゴジラどんだけ強いねん、みたいな…
同じく金子監督の「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」で試みられていた、伝奇要素と怪獣の組み合わせが本作でも行われていました。おどろおどろしさと言うか、全体に漂うオカルト的雰囲気がとても新鮮でした。ですが少々説明不足と云うか、いろいろ端折られている気がしたことも確かで…
何はともあれ、本作はゴジラ・ファンの間でも大変評価の高い作品なのは間違い無い。自然と、年に一度は観返したくなります。大事にしていきたい。とても大好きな映画です。
[余談]
「劇場版 とっとこハム太郎」と同時上映なのは、子供ながら正直いただけませんでした。ハム太郎目当ての女の子がゴジラにビビって泣いていました。それほどゴジラシリーズの興行収入が落ち込んでいたと云うことなのでしょうが…
※追記(2019/11/03)
ゴジラ・フェス2019の「居酒屋ゴジラ」と云うトークショーにおいて、富山省吾元プロデューサー、大森一樹監督、大河原孝夫監督、手塚昌明監督、金子修介監督が揃って登壇されました。その中で、金子監督は「ゴジラVSモスラ」製作発表の折り、富山プロデューサーへの年賀状にて同作の監督を志願されていたと云うエピソードを語っていました。その時点で大河原監督に決まっていたので流れ、その後金子監督は平成ガメラ三部作の製作に入ったために、本作の監督オファーがあった時は念願叶った瞬間だったそうな…
※鑑賞記録
2002/12/10:テレビ大阪(特別編集版)
2012/? ?/? ?:DVD
2019/05/16:Blu-ray
2019/11/02:ゴジラ誕生祭2019(池袋HUMAXシネマズ)
2020/01/29:Amazon Prime Video
2020/10/11:Blu-ray
2021/09/14:Netflix
※修正(2021/09/12)
良い点と悪い点がハッキリしているゴジラ映画。悪いところには目をつぶろう!
面白い点だけを取り出せば評価4.5レベル。
2回目を見る時は良い点だけに注目すると良いかもしれません。
以下良い点・悪い点を挙げていきます。
■良い所
・ゴジラが魅力的
白目ゴジラ。
ビジュアルも設定も凄く面白い。
最高。
・バラゴン
かっこいいしかわいい。
バラゴンが出てくるゴジラ映画はレアで得した気分になれる。
怪獣対決はバラゴン対ゴジラが一番良かった。
■悪い所
・キングギドラが弱い、見せ場が少ない
護国聖獣の1体として登場する今作のキングギドラ。
ゴジラと並び立つ最強怪獣、というよりはあくまで3体のうちの1体という立ち位置。
従来のキングギドラというよりヤマタノオロチ色が強い。
覚醒前は勝負になりません。
千年竜王状態は互角…に見えて最後はやっぱり一撃でやられちゃう。
見せ場も少ないように感じましたね。
せっかく覚醒したのにすぐ海中に沈んじゃったのは残念…。
人間に決着を付けさせるために割りを食った感。
・新山千春
今作最大の問題要素。
演じている新山千春がとてつもない大根。
ハッキリいうといらない。
若い頃の新山千春は間違いなくかわいいけどね。
・反戦映画としてダメダメ
お地蔵さんのようなもの(戦没者の鎮魂の像)を足蹴にする日本人はおらんやろ~。
これはちょっとリアリティに欠けましたね。
このシーンで「あ、これは架空の日本人だな」と思ってしまいました。これは自分(私達)じゃないと。
もう少し視聴者に刺さる形にすると良かったのでは。
まとめると怪獣パートは最高、それ以外が駄目。
良いところだけを見るとそこそこの映画。
悪いところには目をつぶって見よう!
金子修介の怪獣論
平成ガメラでは、ガメラ=地球のバランサー的存在という解釈が新鮮だった金子監督のゴジラ映画。
ゴジラとは何か、怪獣とは“何か”っていう金子監督の怪獣論・ゴジラ論を映画化した作品という感じで、もちろん怪獣プロレス映画としても楽しい。
ただ、キャスティングにはちょっと疑問が残るし、ちょっとオカルトやスピリチュアルに寄せ過ぎな感じも。
それにしても、金子監督は篠原ともえに何か恨みでもあるんだろうかww
闘う怪獣特撮映画の真骨頂。
平成ガメラ3部作の金子修介監督ってことで結構期待して観たんだけど、まさに期待どおりの面白さ。そりゃあキャスト的には色々と不満もある。それでも、バトル系怪獣映画としては大満足。護国聖獣みたいな設定だとか、ギドラがキングギドラになるアイデアだとか、もう見てて滅茶苦茶楽しかった。特撮もかなりカッコ良かったし、これは公開当時に劇場で観ておくべきだったと、今更ながらちょっと後悔してしまった。
無敵
この作品のゴジラはゴジラシリーズの中でも初めての(というか一度限り?)白目なのです!
とても恐くて強かったです。ゴジラシリーズの中でも結構好きなほうです。
初期のオマージュであるあの山から覗くシーンは最高の出来でした!
金子修介×ゴジラ=怪獣映画の醍醐味たっぷり
シリーズ25作目。
本作の最大の見所は、金子修介監督がゴジラを撮る!に尽きるだろう。
平成ガメラシリーズで怪獣映画に新風を吹き込んだ当人が、どんなゴジラ映画を作り上げるか、怪獣映画ファンは非常にワクワクして公開を待った。
前作前々作同様、設定もストーリーもリセット。
金子監督が創り上げたのは、全くの新しさを感じつつも、初代を彷彿とさせるゴジラ像だった。
今回のゴジラは、戦争で散った者たちの無念の集合体。
平和ボケした現代日本を襲撃する。
あくまでも天本英世演じる謎の老人の言い分なのだが、これがゴジラに神秘性をもたらし、かつ反戦・反核の象徴として誕生した初代を思い出させる。
ゴジラは無敵の怪獣でもあるのだが、背景に暗い影を落とす事によって、その存在意義が際立つのだ。
造形も新しく変わった。
何と言っても一番の特徴は、白目。そして真っ黒な巨体。
得体の知れない恐ろしさを感じさせ、荒々しい凶暴さだけを強調した前作前々作までのゴジラとは訳が違う。
そんなゴジラに対するは、モスラ、キングギドラ、バラゴン。
日本の聖獣として登場する。
モスラとキングギドラが日本の聖獣!?…という違和感は感じるが、バラゴンの復活が嬉しい。
ここら辺が、怪獣少年だった金子監督ならではのナイスなチョイス。
当初ゴジラと対するはアンギラス、バラン、バラゴンで、こっちで見たかった!
人間側のドラマは、新山千春と宇崎竜童演じる父娘が、それぞれの形でゴジラと関わり戦う姿をメインに、平成ガメラシリーズ同様、神話を結び付け、映画に奥行きを出させている。
オキシジェン・デストロイヤーが歴史の闇に葬られた、という設定もリアリティあってイイ。
久々に恐ろしさと存在感を発揮した金子ゴジラ。
怪獣映画の醍醐味がたっぷり味わえ、文句なし。
ハム太郎と同時上映でなければ…。
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