映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲のレビュー・感想・評価
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面白いんだけどコレじゃないんだよなー
多分、クレしん映画で最も評価が高い作品なのではないか?
うん。わかるよ。たしかに面白い。ひろしの回想シーンは最高だし、最後に2人が飛び降り自殺しようとするけど、しんのすけが「ずるいぞ」って言って止めるシーンも最高。
ただ、クレしん映画に求めているものは、軽快かつ痛快なギャグなんだよね。泣ける映画って結構あるけど、笑える映画ってあんまりないと思う。
だから、クレしん映画は“泣き”ではなく“笑い”を追求してほしいなって思っちゃう。
でも、クレしんだから成立させられた内容だし、オリジナルアニメ映画だとここまで“家族の絆”をわかりやすく伝えられなかったと思う。
まぁ面白いけど、コレジャナイ感がする。
日本アニメ最高傑作にして、私の人生ベスト2の作品!
評価:★★★★★ 100点
私は8歳の時に映画館でリアルタイム鑑賞しており、生涯ベスト2の作品です。
今作は‼︎!
アニメ映画では伝説を!!
クレヨンしんちゃん映画にはハードルを!!
あげてしまったことと思います。
断言出来ますが、日本映画でここまで子どもからお年寄りまで全ての世代を楽しませることの出来る作品は後にも先にもないと思います。
それだけの事を監督"原恵一"さんはやってのけたのです。
アニメ映画の枠を超えた邦画史上最高傑作です。
素晴らしい理由は3つ (※ネタバレあり)
① 家族の成長
しんちゃん映画の難題は、いかにしんちゃんという破天荒なキャラクターを成長させずに物語を構築するかです。よって、しんちゃん映画=笑い要素てんこ盛りのドタバタムービーとなることが多い中、今作はその成長という部分に父親のひろしと母親のみさえを持ってきたのです。現実に疲れた大人が童心に返ること。恐らく仕事、家庭をもつ大人全てが共感するであろうし、各世代によって捉え方が大きく変化し、深く愛され続ける作品となっています。
② 敵が過去の"懐かしさ"
2001年公開という20世紀から21世紀に移り変わった時代の節目の作品である為、物語が永遠に変わらない過去との対峙となります。
誰しも過去を振り返り「あの頃は良かったなぁ」と想うことがあると思います。
今作のターゲットを、しんちゃん映画を子どもと一緒に観に来た"親"とし、懐かしい過去とともに新たな世代と作る愛おしい未来へと突き進む物語としているのです。
その表現として、ラストシーンは未来ある子どもが階段を駆け上がり、大人が自らを犠牲にして下を支えるという演出。
なぜ大人が仕事をしなければいけないのか? なぜ子どもを育てなければならないのか? その全ての答えがこの映画には詰まっていると思います。
③ 音楽がもつ説得力
作中流れる名曲は「ひろしの回想」「21世紀を手に入れろ」の2つです。
全てのシーンが愛おしいですが、その中でも「ひろしの回想」が流れるシーンは人々の心に深く刻まれたことでしょう。
子どもに戻ってしまった父親を子どもが迎えにいく。
そして、どこか懐かしい哀愁漂うメロディとともに、1人の男性の物語を3分で描き、平凡な家庭がいかに素晴らしいものか、明るく迎えてくれる家族の素晴らしさを回想してくれるです。
「とうちゃん、オラがわかる?」
「ああ・・・・・・ああ」
と自分の記憶から消していた命より大切な我が子を抱きしめる父親の涙に。私はただ、ただ、号泣でした。
ここまで読んで、しんちゃん映画としては逸脱してないか? 子どもが楽しめるか?と思う人も多いと思いますが、
今作はしんちゃん映画としても100点です。
かすかべ防衛隊が登場する映画はだいたい面白いというジンクスがありますが、はい。そうです。最高です。
アニメ映画だからこそ出来る事を最大限にやり尽くしています。
しんちゃん達の個性を生かしたバスを運転するシーンなんかは、もろにクレヨンしんちゃん映画の真骨頂です。
よって一本の映画としても、しんちゃん映画としても満点の作品なので、まだ鑑賞してないという方は、ぜひ子どもが産まれる前に、そして働く前に観て欲しい作品です。
最上級にオススメでーーーす。
「三丁目の夕日」世代向け!!
2017年の劇場作品から遡って観ていますが、クレしん映画と言えば、非日常感と謎の組織とのバトルでの粗製乱造が止まらない印象ですが、本作はその中でも昭和の雰囲気を使って上手く作られていると思います。冒頭でEXPO'70が出てきて度肝を抜かれましたが、内容自体も対象年齢が高め(公開当時40歳以上)の印象です。「三丁目の夕日」と同じく狙いすぎな気がして、個人的には愛着を感じませんでした。
大人になれば大人になっていくほどに
素晴らしい
素晴らしいとしか言えない名作になってしまいました。
まさかしんちゃんの映画でここまで感動させられるとは思いませんでした。きっとこの映画からしんちゃんの映画は感動する、面白い、名作だとハードルが上がってしまったと言っても過言ではありません。
子供はきっとぽかーんとしてしまうでしょうが大人は…親は号泣間違いなしです。ヒロシの過去を振り返るあの有名な名シーンは涙なしでは絶対に見れません。
自分は自宅で見たのですが映画館だったら呼吸困難になりそうです…。
昭和を知らない平成生まれの自分でしたがそれでもあの懐かしいと思える雰囲気、素晴らしかった。
大人は過去に戻りたいと思うでしょう、でも子供のしんちゃんは大人になりたい。あぁ…自分も子供時代、早く大人になりたかったなぁと振り返れました。
今回の悪役は未来から取り残されちゃった人たちなのかもしれない。親に...
量による感動
クレヨンしんちゃん映画では、大人に異変が起こる事の怖さを取り入れたものが結構あるようだが、これもその一つだろう。社会を知らない幼児にとって大人は守ってくれるもの、生存の要で、大人に対して普段信頼しているからこそ、未知の事態が起こったとき恐ろしい。
特に感動を呼び、人気があると思われる、二つのシーン
・ひろしが、小さい頃から現在に至るまでの記憶を思い返す、回想シーン。
・しんのすけとその家族が鉄塔を駆けのぼる終盤のシーン。
私も泣いた。
このシーンをこれほどまで感動的にしているのは、量による見せ方だと考える。
人は、予想を超えた量のものごとを提示されると、感動してしまう。
回想シーンでは、たくさんのカットを使って、たっぷりとひろしの記憶を見せる。
鉄塔を上るシーンでは、しんのすけが走る様を次第に変化をつけながらも、かなりじっくりと長いカットでみせる。しかも、7度も転んだり、倒れたりする。音楽も同じメロディをますます力強く繰り返し、シーンの迫力を強調する。
いろんな様子を見せる大量のカット、一つの様子を見せる長いカット、いずれもその規模、量の大きさによって感動を生み出している。
メッセージそのものはもちろん良いが、シンプルで力強い感動の作り方が心に残った。
走る!走る!走る!そして走る!
あの有名な「ひろしの回想シーン」は本当にいいシーンですね。台詞なし。絵と音楽で魅せる。とてつもなく映画的なシーン。これと似たようなシーンは、カール爺さんの空飛ぶ家にある。あれはオープニングだったな。
このように、子供向け映画が、一瞬だけ大人向け映画になる、という展開はよくあります。過去のクレしん映画にもありますし、よくできたアニメ映画には大抵あります。しかしこれは邪道(いや・・・まぁ、王道なんだけど、)。すぐに子供向け映画に戻って来なければなりません。
この映画は
・・・戻って来ない・・・。
戻って来ないどころか、子供そっちのけで、行くとこまで行っちまいます。ラスト30分は、いったい何の映画を観てるんだろう???と思わせられます。
誰がなんと言おうと、ラスト15分以降の走るシーンに、全てが込められています。いやぁ凄まじい。
階段を登っていくしんのすけの作画がだんだんと荒くなっていくことで、古いものを断ち切ることの大変さを表現します。
みさえの「早く行って!」という短い台詞だけで、しんのすけの親離れを表現します。
劇中、野原一家の奮闘が何故かテレビ中継されているのですが、その奮闘をただ呆然と観てるだけの群衆を写すことで、群衆の気持ちが動いていることを表現します。下手な映画だと、「すげぇ」みたいなセリフを群衆に言わせちゃうんだけど、この映画ではそれをしない。いやぁ・・・ツボを分かってるね!
さらに、奇跡的なことがあります。
実は結構説明台詞が多いんですよ、この映画。ひろしが「俺は家族と未来を生きる!」とか言っちゃうんですよ。でもね。その説明台詞が全然ダサくない。
それは何故か?クレしん映画だからだよ!子供向け映画だからだよ!アニメだからだよ!多分、大人向け映画でこれやってたらすんげーダサいと思います。
いやはや、本当に凄い。
テーマや脚本が良いだけでは名作は生まれない。そのテーマを表現方法が良くなければならない。何故か?って、それは映画だからだよ。台詞ではなくて映像で魅せる。
みんなで力を合わせて、とか、未来がどうしたこうした、とか、家族が大切だ、とか、そんな凡庸なテーマ、今更お前に言われなくても分かってら。大切なのはどう表現するか?だよ。蓮實重彦も言ってるじゃねぇか。
大人は大人でいるしかないのか。
大人とは無条件に尊敬されるものではない。
大人とは。
人は何かを失った時に、何かを得て、その得たものさえあれば、失わなかったのにと後悔する。
大人の共通点は誰しもが子ども時代を経てたどり着いたということだろう。大人は子ども心を眠らせている。そうでないと生きていけない社会や現実があるからだろう。
子どもっぽさは失いたくないと思った。しかし、大人が大人であることを放棄すれば、子どもは一切育たない。
大人へと向かう過程で、いくつもの大切なものを失った、と同時に得た。失わないと、得ないと、大人になれないからだ。大切なものを失っていない大人になりたいと思った。
大人。子ども心を思い出した大人と極めて純度の高いしんのすけという子どもとの対立構造がたまらなくよかった。
そして、ラスト近くのタワーを登るシーン。ひたすら、しんのすけが走るシーン。無言のシーン。荒れた作画のこのシーンは、アニメ界にとって、歴史に残る名シーンだろう。
観て損はない名作
すごすぎる
公開当時映画秘宝の年間ベストテンで第一位だったけどまったくノーチェックで、慌ててレンタルで見たらすごくて驚いた。その次の『アッパレ戦国大合戦』は見に行った。こちらもすごく面白かった。
5年前に長男と一緒に見ようとしたら、付き合ってもらえず一人で見て、今回は4歳の娘と一緒に見る。すると、やっぱり素晴らしい。特に60年代~70年代の昭和は、昔から憧れている世界で、商店街や和式のアパートが大好きだ。数年前まで中野や高田馬場に4畳半の風呂なしトイレ共同アパートを借りていたほど好きで、お金を節約する意味もあるけど、それ以上に昭和ノスタルジーに浸っていたのだ。今でも思い返すと胸が締め付けられるような気持ちがあるのだけど、その当時もう中年だったため、20代でそんな暮らしをしたかった。20代の時は下北沢で風呂なしアパートだったけど6畳二間キッチントイレ付きの物件で楽しく暮らしていた。
敵のケンとチャコのたたずまいがすごくいい。チャコは若い時の原田美枝子の雰囲気だ。イエスタデイワンスモアの洗脳を解く方法がひろしのくさい足。
ノスタルジーに癒されたい気持ちと子どもの未来を担う自負、どちらも本当の気持ちで心に刺さる。DVDを返す前にもう一回見よう。
(追記)
ケンとチャコのたたずまいが素敵で、ずっと考えている。彼らはしんちゃんたち野原一家に計画を阻まれて敗北するのだけど、60~70年代の若者を象徴する立場として勝利はあり得なかった。敗北しながらも甘美なものに陶酔しているようだ。負けて初めて完成するものを目指していたようでもある。
ラストの感動
大好きな作品
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