「大人は大人でいるしかないのか。」映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲 ちゃーはんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0大人は大人でいるしかないのか。

2017年11月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大人とは無条件に尊敬されるものではない。
大人とは。

人は何かを失った時に、何かを得て、その得たものさえあれば、失わなかったのにと後悔する。

大人の共通点は誰しもが子ども時代を経てたどり着いたということだろう。大人は子ども心を眠らせている。そうでないと生きていけない社会や現実があるからだろう。

子どもっぽさは失いたくないと思った。しかし、大人が大人であることを放棄すれば、子どもは一切育たない。

大人へと向かう過程で、いくつもの大切なものを失った、と同時に得た。失わないと、得ないと、大人になれないからだ。大切なものを失っていない大人になりたいと思った。

大人。子ども心を思い出した大人と極めて純度の高いしんのすけという子どもとの対立構造がたまらなくよかった。

そして、ラスト近くのタワーを登るシーン。ひたすら、しんのすけが走るシーン。無言のシーン。荒れた作画のこのシーンは、アニメ界にとって、歴史に残る名シーンだろう。

ちゃーはん