私の心はパパのもの
劇場公開日:1992年6月13日
解説
15年ぶりに再会した父娘の姿を通して、ユニークな親子愛を描く。88年に日本テレビ系で放映されたテレ・フィーチャーの劇場版で、脚本は「悪徳の栄え」の岸田理生と斉木燿の共同執筆。監督は「ふたり」の大林宣彦。撮影監督は「BEST GUY」の阪本善尚がそれぞれ担当。
1992年製作/90分/日本
配給:東北新社=ギャラクシーワン
劇場公開日:1992年6月13日
ストーリー
突然の交通事故で母を亡くしてしまった美々子は、別れていた父・陽平と15年ぶりに暮らすことになるが、たった一度の浮気が原因で母と離婚した陽平をどうしても好きになれない。それとは反対に15年ぶりに娘ができた陽平は完全に有頂天になっていた。美々子には、コンピュータ会社に勤める恋人・雄樹がいたが、金持ちでキンピカの車を乗り回す雄樹のことを陽平は理解しようとしない。美々子は日々父との暮らしに疑問を覚え始めていた。そんな時、陽平が突然婚約者の良枝を連れて来た。自分とは正反対に派手で美人で陽気な良枝を美々子は好きになれない。ある日、良枝は陽平の留守の日に友人を集め家でパーティを開いた。不安がる美々子は雄樹を呼んで気を晴らしていたが、良枝の誘いに乗ってしまった雄樹は、いつしか彼女と関係を持ってしまう。ショックを受けた美々子は、父と母の共通の友人である弁護士の田川に相談した。田川の言葉で美々子は、雄樹に対しても、陽平に対しても自分が大人になりきれていなかったことに気づき、自分の怒りと陽平への思いをこめて、良枝に家を出て行けと命令する。素直に聞く良枝は、美々子にマリリン・モンローの『私の心はパパのもの』のレコードを置いて出て行った。それを知った陽平は、美々子が自分のために辛い思いをしていたのだと反省する。そんなある日、母の遺品を整理していた美々子は、離婚以来15年間、陽平が母に送り続けた恋文を見つけ、父と母が本当に愛し合っていたことを認識し、陽平と別れて暮らすことを決意する。数週間後、仲直りした雄樹と並木道を歩いていた美々子は、向かいからやってくる中年カップルと目が合う。それは陽平と美々子の目と目の対話であり、父と娘の関係でありながらひとりの大人と大人であった。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第16回 日本アカデミー賞(1993年)
ノミネート
監督賞 | 大林宣彦 |
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