若い人(1952)

劇場公開日:

解説

戦前、豊田四郎監督によって作られた石坂洋次郎原作の『若い人』の再映画化である。脚本は、「結婚行進曲」の市川崑、和田夏十のコンビに、「えり子とともに」の内村直也が協力して書き、監督は市川崑が当たっている。撮影は、「お国と五平」の山田一夫。「朝の波紋」の池部良、「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」の久慈あさみ、「金の卵」の島崎雪子のほか、杉村春子、二本柳寛、沢村貞子、斎藤達雄、伊藤雄之助などである。

1952年製作/113分/日本
原題:Forbidden Path
配給:東宝
劇場公開日:1952年7月8日

ストーリー

市のミッション・スクールの国語担任の間崎慎太郎は、英語の教師橋本スミ先生と仲がよい。独身で若くハンサムな慎太郎はまた女生徒間でも人気があった。高等部三年の江波恵子の書いた変わった作文から、慎太郎は恵子に興味をおぼえた。恵子の母は船員相手の飲屋をやっていて、恵子は母の数多い男たちのどれが自分の父であったのか知らないというのである。橋本先生は、恵子を完全に救う自信もないのに、彼女に関心を持つことはいけないと慎太郎を強くいましめた。東京、関西方面への修学旅行に同行した慎太郎はこの旅で、また恵子への関心が一そう深まって行く。恵子は橋本先生への嫉妬から、慎太郎との間に深い関係があるようにいいふらし、ついに彼女が妊娠しているというデマまでとぶようになった。恐ろしくなった恵子は、山川博士の許をおとずれて、自分の処女を証明してくれと無理に診察を受け、失神してしまう。ある夜、家にいたたまれなくなった恵子が慎太郎の許をおとずれ泊めてくれというので、彼は橋本先生に恵子のことをたのみに行くが、橋本先生はにべもなくこれを拒絶してしまった。仕方なく恵子をその家へ送って行き、船員仲間の喧嘩にまき込まれて怪我をした慎太郎は、恵子の家で介抱され、世話になってしまった。その間に彼は恵子がいっそう哀れになり、結婚の約束をするが、恵子はそれ以来学校でも大っぴらに慎太郎につきまとって彼を閉口させてしまった。卒業式の日慎太郎はそのわずらわしさに堪えられなくなり、恵子をどなりつけるが、恵子はその時初めて慎太郎を苦しめていたことに気がついて彼の許から走り去って行った。夕闇の校庭を走って行く恵子の小さな影、そのあとを追う慎太郎の姿。窓硝子ごしにこれを見送る橋本先生の眼には涙が光っていた。

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