陸軍残虐物語
劇場公開日:1963年6月14日
解説
「こまどりのりんごっ子姉妹」の棚田吾郎がオリジナル・シナリオを執筆、佐藤純彌が第一回目に監督した残酷もの。撮影は「警視庁物語 十代の足どり」の仲沢半次郎。
1963年製作/98分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年6月14日
ストーリー
補充兵として召集された犬丸弥七は、最愛の女房ウメの視線に見送られて部隊入りした。品田中隊に配属された犬丸二等兵は軍務に忠実に服従したが、万事に鈍な彼はビンタや嘲笑を浴びるばかりだった。なかでも班長の亀岡軍曹は軍紀に厳しく、何かと犬丸は彼の鉄拳を受けた。矢崎二等兵は亀岡に巧みに近づき小器用に立廻っていたが、その行動は同僚達の反感をかった。なかでも鈴木一等兵は、にがにがしく思っていた。彼は犬丸の面倒をよく見てやった。或る日、犬丸の特配品を盗みこれを鈴木に目撃された。この事件がもとで、幹部候補生への望みをたたれた矢崎は、彼等を恨んだ。彼は犬丸が手入れした鈴木の銃の撃茎を厠に捨て、自分は指を切って兵役を免がれようとした。兵器検査を前にした亀岡は、自分の責任になるのを恐れ、矢崎を徹底的に糾問、厠に捨てたことを白状させた。鈴木と犬丸は悪臭たちこめる汚物の中で跪き、四つ匍いになり、やっと撃茎を発見した、犬丸は鈴木の銃を手入れした直後の出来事だったので営倉に入れられたが、鈴木が矢崎に罪を白状させたので営倉から出された。ウメが面会にやってきたが、犬丸の口から隊の不祥事件のもれるのを恐れた中隊長は、亀岡に面会させた。亀岡は犬丸が重営倉になっていると威し、拒みきれないウメを犯した。たまたまウメの姿を見た鈴木からこれを聞いた犬丸は、半信半疑だったがウメの護府袋を見て深く肩を落した。鈴木は犬丸を伴って訴えたがもみ消されただけだった。ウメが生きがいだった犬丸は悩み続け、真相が知りたい一心で亀岡を追求したが、亀岡はこれをつっぱねあげくのはて獣のように犬丸を殴り続けた。人間としての堪忍の限界をこえた犬丸は、抜き放った帯剣を手に、亀岡の背後から恨みの一撃を加えるのだった。