妖星ゴラス

劇場公開日:

解説

丘美丈二郎の原案から「ガス人間第一号」の木村武が脚本を書き、コンビの本多猪四郎が監督したスペクタクルもの。撮影もコンビの小泉一。パースペクタ立体音響。

1962年製作/88分/日本
原題または英題:Gorath
配給:東宝
劇場公開日:1962年3月21日

ストーリー

一九八〇年。富士山麓宇宙港から、園田艇長の第一回土星探検宇宙船隼号が離陸した。ロケットが火星軌道を通過した時、地球からの通信が新しい星の出現を報じてきた。これは地球の六千倍という怪星で宇宙学会はこの新星をゴラスと名づけた。突如、ロケットは何ものかの引力に引かれた。地球では「土星探検の隼号遭難」の新聞記事が人々の目をうばった。隼号のゴラス調査報告はゴラスが、今の状態で進んでくると地球に衝突する恐れがあると警告した。国連はゴラス対策に本腰を入れ、日本政府へ鳳号をゴラス調査のため派遣するよう要請してきた。今や地球を救うにはゴラスを爆破させるか地球が逃げるか、二つに一つだった。宇宙港では南極大陸に原子力ジェットパイプを並べ66億メガトンの推力機関が計画された。ゴラスは流星を吸いとり刻々と近づいてきた。ある日推力機関センターで突然震動がおこり恐竜が出現した。この怪獣のため七十二時間の空費をつくってしまった。やがて強風にうなりを発する東京タワーはすでにその四分の一を水に浸していた。--地球の危機。だがその時原子力ジェット・エンジンが動き出し、地球はゴラスの軌道から逃れた。ついに科学が勝ったのであった。

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映画レビュー

3.5リメイク厳禁

2025年1月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

寝られる

過去に観た憶えもない、自分史とはかすりもしない1962年製の作品。なので思い入れとか懐かしみとか一切ないのだけれど、映画館で観ておいて良かった気がします。

なんて言うか日本の歴史を感じました。

幾人か見たことのある役者さんもいたしね。

特撮として評価するなら現代と比べると全くチャチいものだけど、いやいやそれは違う!

そもそも現代と比べてはダメ!

この時代の発想や技法、苦心があってこそ現代に繋がってくるのだから。

特にミニチュア技術は凄い、凄すぎる!

宇宙空間の撮り方なんかもよく考えられている。見れば何となく技法が想像できてしまうけど、人間や宇宙艇や宇宙ステーションの無重力空間の動きとかよく表現できている。

1962年製やで、アポロもまだ月に行ってない時代やで。

そしてストーリーの発想が凄い!

衝突コースの星をかわすのに地球を動かすとか、これ日本人の考えた発想かよ?

ギャグ漫画とかアニメとかにありそうな発想だけど実際に計算上の動力あったとして、南極から噴射して動くものなのかいな?

ついでに感心なのがブラックホールではなく死んだ恒星って設定。
ブラックホールだったら交わしようが無いもんな。

さて、感心ばかりしてるけど本当にダメなところもあって、あの空撮技術はアウトやろ。もっと丁寧に撮ろうや。

それに人間ドラマが本当にチープ。とにかくセリフまわしや撮り方がだめ。演出や設定にもっとこだわりを入れれば役者さんもいい演技できたと思うが。
あの冒頭の女子2人が人気のない真夜中の湖畔で全裸で泳ごうだなんて発想は超〜嘘くさい。

もったいないのが怪獣シーン、

あれ特にあっても無くてもいいコーナーだよね。しかも出てきてあっという間に討伐されて、何で出て来た?
地球の異変の現れの一つって表現だろうが、出すならもうちょい丁寧な扱いできなかったものかね?

ツッコミどころ満載だけど映画館で観れて良かったと思います。
大人も観て楽しめる家族向け作品てところかな?

敗戦から復興して、世界の信頼を得て、世界のトップレベルの技術を得ようと頑張っている日本の歴史の一部を見た気がします。

無いとは思うが変にリメイクとかしないで欲しい。この時代感と手作り感が良いんだよ。

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ダークブライト

3.5アルマゲドンのパクリか!?

2025年1月19日
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鑑賞方法:映画館

あ、60年前の作品ね。当時からこんな視点があったんだ。昔の人を馬鹿にしすぎていたのかもしれん。
名作として復刻されるだけあって、今でも楽しめた。逆に言うと、当時もク●映画はたくさんあっただろうから、それを今見たらどう思うか・・想像したくもないなw
消滅した月について作中で誰も触れないのは笑った。地球の軌道修正の事より、月が無くなった事のほうがヤバイんでないかい?いや、お月見できなくなるとかじゃなくて、潮の満ち引きとか、50億年バランスを取ってきた地球と月との物理関係のことね。何かしらひずみが出てきてとんでもないことになりそう。

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PINO

3.5好調の東宝特撮ジャンルにおいて、当時最大の規模のスペクタクル巨編

2025年1月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

午前十時の映画祭14にて。

宇宙から迫る脅威(自然災害)に人類が打ち勝ったと謳歌するサイエンス・フィクション。
怪獣映画とは少し路線を変えて、『アルマゲドン』(’98)や『ディープ・インパクト』(’98)などと括ることができる〝惑星衝突もの〟だ。『地球最後の日』(’51)がこのジャンルでは先駆的な作品だと思うが、これを目指した感はある。
でも、怪獣(巨大生物)もちゃんと登場したりする。

彗星が地球に向かってくるなら、地球を動かしちゃえ…という破天荒なアイディアは他にはなかったような気がする。
(噂の『さまよえる地球』(’19)という中国映画は、どうなんだろうか…)

公開は、ソ連のガガーリンが人類初の有人宇宙飛行を成功させた、その翌年。宇宙進出の夢が世界中に広がった時期だった。
そこから20年後の近未来を物語の舞台にしていて、宇宙パイロットが職業として存在している(公務員だろうか?)様子。
その他、テレビ電話以外の小道具や衣装に未来感はない。
宇宙パイロットたちが合唱する姿を今見ると鼻白むが、少し軍隊的な印象を受ける。
帝国陸・海軍とは異なる民主的な、アメリカ海兵隊のような、特殊能力を持つ自信と意気込みに満ちた、そんな軍体調だ。

さて、本作の地球移動作戦には原子力の平和利用というテーマが見える。
原子力爆弾で彗星を破壊するのではなく、原子力のロケットで地球の軌道を変えるのだ。
このハリウッド映画との明確な違いに、当時の東宝には被爆国としてメッセージを発するという意思が感じられる。

この映画が東宝での円谷英二特撮作品50本目だというから驚く。戦前の軍協力映画(軍人用教材映画・戦意高揚映画)の時代から円谷英二は東宝で特殊技術に力を発揮していたという。
前年の『モスラ』を凌ぐ巨費と構想期間・制作期間がかけられた超大作なのだが、残念ながら派手さに欠けるところはある。
南極の原子力推進基地は東宝随一の広さのステージにセットを組んで、実写人物とミニチュア動画を合成する技術も導入されているし、原子力ジェット噴射のシーンには別途オープーンセットを組んで、プロパンガス200本を使った猛火の中で撮影を行ったとのこと。
有楽町や勝鬨橋が洪水に沈むシーンのミニチュアは怪獣映画で培われた精巧な再現力で構築されていて、水を張ったプールに一気に水を流し込んであふれ出した水を撮影して量感を出すという新手法が用いられた。
さらに、水没した国会議事堂や大阪城のシーンは、実際の河川にミニチュアを持ち込んで、水門を開けてもらって撮影したという。木材で作ったミニチュアが流されてしまうトラブルとの戦いもあったらしいから、驚くばかりだ。
これら、想像を絶する職人の知恵と努力と体力によって作り上げられた映像も、怪獣が踏み潰す迫力には及ばなかった感じはある。
人々のパニックが描かれていない点も、小ぢんまりさせてしまった理由かと思う。
あの巨大セイウチが極めて残念で、あれはない方が良かったのではなかろうか…。

しかし、こういう作品の積み重ねが『日本沈没』(’73)という金字塔を建てたのだ。
未曾有の地球危機に打ち勝ったキャラクターたちと同様に、この巨大プロジェクトを成し遂げたスタッフを称賛したい。

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kazz

4.0昭和空想科学映画

2025年1月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

やはり、昭和。マジ昭和。流石「妖精」ならぬ「妖星」というだけあって、めっちゃ怪しい。何とも絶妙なネーミング。避けるための作戦も斬新。そりゃ、地震も津波も襲ってくる訳だ。そんなこんなしているうちに南極大陸からばりでかいアザラシ出てきたぞ!タローとジローもビックリ!

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印刷局員

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