ユー・ガッタ・チャンス
劇場公開日:1985年2月9日
解説
人気絶頂のアイドルスターが、悩みながら自分を見つめなおし新たに出発するまでを描く。脚本は「晴れ、ときどき殺人」の丸山昇一、監督は「すかんぴんウォーク」の大森一樹、、撮影は「主婦と性生活」の水野尾信正がそれぞれ担当。
1985年製作/101分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1985年2月9日
ストーリー
民川裕司は、歌手としてデビューして一年、押しも押されもせぬアイドルスターとなったが、最近、自分の心が乾いてしまっていることに気づいていた。神戸公演の前日、彼は鎌倉に、CMの仕事を一緒にした映画監督・合田達郎を訪ねる。合田と知りあって以来、裕司は波のスケールの大きな人間性のとりこになっていた。合田は不在で、裕司はニューヨークから合田に会いに来たという君島夕子と知り合う。そして、彼女と共に合田を捜しに横浜に向かった。合田が遊んでいるという横浜のベガスを突き止めた二人は、そこのマダム・モニカから、合田がこのカジノのオーナー本郷三兄弟に二千万円借りて、姿をくらましていることを知った。彼らは合田が神戸に居ることを突きとめていた。翌日、羽田空港では、現われない裕司にマネージャーの間島がイラ立っていた。レポーターもつめかけ、週刊誌には「民川裕司、謎の失踪、陰に美貌の女」の活字が見える。新幹線で神戸に着いた裕司は、駅の出口の報道陣を突き飛ばし、彼らに追われながらホールに飛び込んだ。ステージで彼は、観客の中に夕子と合田がいるのを見つけた。本郷三兄弟も現われたが、裕司は合田に気付かせ、夕子と共にホールから逃がした。コンサート終了後、裕司は夕子との関係を報道陣から詰問され、間島から謹慎の命令を受ける。打ちひしがれ港をさまよう裕司の前に、夕子が佇んでいた。その夜、二人はベッドを共にした。そこで裕司は、夕子と合田が映画の契約の為のビジネスライクの付き合いだったことを知る。次の日、神戸の山中、今はもう使われていない古いホテルに合田はいた。彼はこの地に新たなる映画のメッカを作る計画を熱っぽく語るが、裕司にはそのメッカとは、己れの才能に溺れた男の墓場のように思えた。裕司は合田に訣別を告げ、夕子は合田には自分が必要だからとついていく。二人の去った後、裕司の前に本郷三兄弟が現われた。裕司は拳銃をかまえ、彼らは裕司が合田から受けとった二千万円の小切手をひったくり退散した。グアム島に飛んだ裕司は、デビュー当時の恩師・関川の手ほどきでウィンドサーフィンの特訓を始め、大会に出場し完走した。そして、東京から「休暇は終った。皆が君を待っている」との電報が届いた。