野郎に国境はない
劇場公開日:1965年11月13日
解説
山村正夫の原作を、「怪談片目の男」でコンビの高岩肇と宮川一郎、それに福田陽一郎が共同で脚色、「黒い賭博師」の中平康が監督したアクションもの。撮影もコンビの山崎善弘。
1965年製作/99分/日本
原題または英題:The Black Challenger
配給:日活
劇場公開日:1965年11月13日
ストーリー
バンコックのメナム河畔に二つの死体が浮んだ。一人は国際警察のミッシェル・アンダーソン、他の一人は身元不明の日本人であった。国際刑事警察特別捜査官辺見真介はパリから、早速バンコックへ飛んだ。ミッシェルの靴底から出た積荷のリストから、日本の自動車を扱う南洋貿易が捜査線上に浮かびあがったのだ。折からバンコックでは日本製のニセ弗紙幣が出まわり、殺人事件と無関係ではなかった。その夜東京に発った辺見は、機上で東京のクラブ・ファンタジアで働くヌード・ダンサーあけみ、得体の知れない康子にめぐりあった。康子は辺見が東京へ着くと、黒めがねの男に辺見をつけさせた。だが辺見はスピード違反を起して、男をまくとブタ箱へたたきこまれた。ブタ箱で辺見は、バンコックの日本人死体の弟、通称レフトの健を知った。健にギャンブルの腕を見込まれた辺見は、解放されると一緒にあけみの踊るクラブファンタジアに来た。ここにも謎の女康子がいた。やがてニセ弗密輸事件の背後に南洋貿易と城北運輸が絡んでいる確信をえた辺見は、本格的捜査にのり出した。健と南洋貿易を訪れた辺見は、集音マイクを使って、彼らが車の後部にニセ弗を隠して東南アジアに密輸するジョッキープランを企んでいるのを聞き出した。康子を尾行してニセ弗偽造団の本拠地である邸宅をかぎつけた辺見は、数日後、秘密賭博クラブで開かれる博打に加わった。ギャンブルに目のない健の賭け金の中から、ニセ弗紙幣が発見され、会場は騒然となった。このニセ札は健がファンタジアのバンドマンの懐から抜きとったものであった。健は直ちに命を狙われたが、辺見に危うく助けられた。邸の地下にニセ弗工場があることを知った辺見は、健と共に邸内にもぐりこんだが、つかまり地下室にとじこめられた。一方康子は辺見が国際刑事警察の調査官であることを知ると、邸に火をつけ、時限爆弾を仕かけて去った。九死に一生を得た辺見らはニセ弗を積んだ康子の車を追い、辺見の得意のライフルが火を吐いた。康子の乗用車がニセ札と共に宙に浮いた。事件落着後、辺見はまたパリへ向った。