牝犬
劇場公開日:1951年8月10日
解説
脚本は「宮城広場」の成澤昌茂と木村恵吾の共同で「熱砂の白蘭」に次ぐ木村恵吾の監督作品である。撮影は「密林の女豹」の山崎安一郎である。出演者の主なものは、「情炎の波止場」の京マチ子、「青い真珠」の志村喬、「江の島悲歌」の久我美子他に北林谷栄、根上淳、加東大介、見明凡太朗、藤原釜足などの助演陣である。
1951年製作/100分/日本
配給:大映
劇場公開日:1951年8月10日
ストーリー
東和生命保険会社の経理部長堀江亘は石部金吉と異名がある通り、勤厳実直で今日を築きあげた人物であった。ところが部下の一人が会社の金を使い込んだことから、ふと浅草のレヴュ劇場へ足を踏み入れ、エミーという踊子に会った。そして会社の集金三百万円入りの鞄を紛失した。その鞄を取り戻したい一心でついにエミーと深入りする破目になってしまった。堀江はそのままずるずるとエミーにひかれて港町にキャバレーを開店して落着いた。三十年間病身な一人の妻を守り通した堀江も、エミーの豊満な肉体のとりことなってからは、まるで牝犬のあとを追いまわす牡犬的の存在となって、エミーに引きずりまわされていた。その頃、白川圭一というサキソフォンを吹く男が店に雇われ、エミーは彼に興味を感じ始めた。しかし圭一がエミーを問題にしないとなると、エミーは本気で圭一に好意を感じはじめ堀江はそんなエミーに対して一途な嫉妬に狂い、ついにエミーを殺してしまったのだった。