乱れ雲

劇場公開日:

解説

「拳銃は俺のパスポート」の山田信夫がシナリオを執筆し、「ひき逃げ」の成瀬巳喜男が監督した交通問題をテーマとした社会ドラマ。撮影は「颱風とざくろ」の逢沢譲。

1967年製作/108分/日本
原題または英題:Two in the Shadow
配給:東宝
劇場公開日:1967年11月18日

ストーリー

江田宏と由美子は幸福の絶頂にいた。江田は通産省に勤めていて米国派遣の辞令を受け、妻の由美子は妊娠していることを知ったばかりだった。だが、江田が交通事故で死んだのは二人が祝杯をあげてから間もなくのことだった。告別式の日、江田を轢いた三島史郎が現われた。由美子は史郎に激しい憎悪を感じた。史郎の起した交通事故は不可抗力で、彼は無罪になったのだが、彼は勤め先の貿易会社の死命を制する通産省の役人を殺したため青森へとばされ、常務の娘との婚約も破棄された。史郎は毎月一万五千円を十年間由美子に支払うと約束したが、史郎にとって少しも義務のないこの契約は、由美子の姉文子が行なった。由美子には毎月決って送られてくるその金は、つらい思いにつながって暗い気持ちにさせられるものとなった。彼女は夫の両親から籍を抜かれ、その上、胎内の子も捨てねばならなかったのだ。やがて、勤めに出た彼女は、身を寄せていた文子の家で、彼女の美貌に義兄の目が光るのを感じると、義姉の勝子がとりしきっている十和田湖畔の実家に帰った。青森で史郎を訪れた由美子は文子がとり決めた契約を破棄した。彼女は事件のすべてを忘れようと思ってのことだが二人は何度か顔を合わせた。いつか二人はお互いに愛を覚えるようになったが、由美子は史郎に自分の前から去ってくれと頼んだ。ある日、史郎が西パキスタンへ転勤を命ぜられ、二人は別れの一日を湖畔で過ごした。由美子は幾度か史郎の激情に押し流されそうになった。その度に彼女を押しとどめたのは前夫の想い出だった。その由美子の心が急に史郎に傾いたのは史郎の発つその日だった。だが、二人は嶮しい山道で悲惨な交通事故を目撃した。その有様は、かつてのいまわしい想い出そのままに、二人を重苦しくつつんだ。由美子は決して史郎と結ばれないことを悟った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0微妙

2024年7月8日
Androidアプリから投稿

加山雄三は黙して渋い顔をしていると「誰、この色男」となるけど、喋りだしたらいつものあの感じだ。

「あなたはくだらない世間体や常識にとらわれてるんだ」
『乱れる』で高峰秀子に言うセリフなら分かるけど、この映画で司葉子に対して言うセリフではない。

映画全体のトーンや画は好きだけど、(冒頭から出産まで、船のシーン、タクシーに乗って踏切で待つシーンは良かった)正直、司葉子を見る以上の楽しみはなかった。

武満徹の旅情感漂う音楽が印象的だった。

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抹茶

2.5ムスッ

2023年11月11日
iPhoneアプリから投稿

何か不満気であるが、被害者には罪はない訳で、その顔はなんだと言いたくたるのも当然。男は愛想がなくてもよいと言うことか、悪気なく居直っているようで始末が悪い。高熱出したら母性愛を頂くという流れも受け入れづらい。なぜ彼に傾くのか?好き嫌いは置いても、過去から解放されたければ、あまり近寄りたくないはずだが、ラスト、今更、過去がアンカーになって前に進めないと言われても、さんざん加山の顔からは何も感じないのかな?

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Kj

4.0バハハーイ、ケロヨーン

2021年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 「バハハーイ、ケロヨーン」って、えらい懐かしいなぁ。ちょうどあの少年と同じくらいだ。そんな一家団欒の後、不幸の知らせが訪れる。

 金を送られてくることが亡き夫を思い出すからといって断られる気持ち。加害者、被害者双方が苦しむ姿がとてもリアル。そこから新たな恋心が生まれるというのは男側の一方的なもののような気もするけど、それを演ずる加山雄三が若大将シリーズと全く違った雰囲気でビックリしてしまう。二人が結ばれることによって縛られた十字架は軽くなることがあるのだろうか?などとこうした事故を考えてみても想像がつかない心理状況。

 十和田湖で心中したカップルがいたことで、もしや二人で心中を?とどんどん暗い方向にも考えてしまうが、なにかに取り憑かれたように旅館に駆け込む二人だったが、交通事故現場を見たり、救急車で誰かが運ばれる様子を目撃してしまうと二の足を踏んでしまう・・・

 ラホールへ転勤という話が出てきたけど、それってどこ?と思って調べるとパキスタンだった。天然痘発祥の地らしい。

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kossy

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