マルサの女のレビュー・感想・評価
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エネルギッシュな伊丹十三監督の演出と実力派俳優たちの演技に圧倒される力作
私の青春真っ盛りでもあるバブル時代の真っ只中に製作された作品で当時の風俗がリアルに描き込まれており、久しぶりに観ていてとても懐かしかったです
例えば携帯電話がショルダーバッグみたいにバカでかかったり、所構わず職場とかでも平気でタバコぷかぷかとか(ホントにそうだったんですよね)、さらにこの時代ぐらいまでの映画に多い性描写がまあまあ出てきますので、特に家族でお茶の間で見たり、初々しいカップルで自宅鑑賞す観る作品ではないです(苦笑)
脱税する側と摘発する側の“真剣勝負”を時にユーモラスに時に緊張感いっぱいに描く見応え満点の傑作
口紅にハンコ隠したり、本棚が回転して奥に秘密部屋があるとかあらゆる脱税テクニックが描かれ、それを暴く痛快さが小気味いい
宮本信子さんがいつも寝癖がついていて化粧っ気のない主役の“亮子(りょうこ)ちゃん”を演じ、常に一生懸命に脱税者達と攻防を繰り広げるのが見ていて楽しかった
亮子ちゃんを軸に前半分は税務職員時代を描き、後半分はマルサに配属されてからをテンポよく描く脚本が秀逸、スピード感があってホントすごく面白い
そんな傑作を彩るキャストも見応えがありました
宮本さんもいいけど、対立する山崎努さんのヴィランぶりが素晴らしい、特に亮子ちゃんとの最後のやりとりは名シーンだと思います
その他、マルサでのボス小林桂樹さんがめちゃくちゃシブいし、直属上司の津川雅彦さんが“亮子ちゃん、亮子ちゃん”言って最高に楽しい、など役者さん達の演技も楽しめる80年代を代表する傑作だと思います
0250 いいかい、金を貯めるってのはねえ
1987年公開
国税局に題材を充てたのは本当に素晴らしい。
全く想像がつかずそれでいて笑いも取り混ぜながら
物語は進む。
ヤクザ屋さんにひるむことなくぶつかる宮本信子。
一般人に絡む芦田伸介怖い~
本多俊之のテーマ曲は未来永劫忘れません。
でも山崎努のようにカネ貯めようとしたけど
全然アカンかったわ。
70点
邦画の中の洋画テイスト
マ王のアンチ邦画の理由に「コレってワザワザ映画化する意味あんの?」って作品が多過ぎるってトコがある😑
まぁ具体的な作品名を列挙する気は全く無いけど、テレビドラマの微かな豪華版みたいなのとか(逆にテレビドラマで宣伝して映画館に誘い込むゴキブリホイホイ的な手法)低レベルなテレビアニメのスペシャルとか(上手く表現出来ないけど真実一つ系とかな)
明らかに予算の使い方を間違えて有名人を起用したり小説をエラく歪曲した脚本に変化させたりで、そりゃ原作者が怒ったりショックを受けたりするわな😮💨
おそらく洋画の世界でもあると思われる問題なんだろうけど(「シャイニング」のキングvsキューブリックとかね)邦画という狭いトコでやると粗の方が目に付く⚡
だからなのかマ王的には邦画ってレッテルだけで最初からエンターテイメントが欠落しちまってる感じがするのよね😶
池内 義弘は邦画界の先駆者だと感じた🥸
自分のキャリアを積み重ね集大成を映画という形で世に放った✨
映画監督としては遅咲き、でも作品は全て高評価を得て日本映画界では唯一無二の存在になった😐
マ王が邦画でこの人の作品だけは(でも映画館では観てないが)コンプリートしてる✌️
伊丹十三監督の事である⭐
ここでは彼の生涯については語る気は無い🙂↔️
今でも伊丹十三の生涯の結末には疑問しかないが、そんな事を書いてもマ王は何も始まらないと思ってる😐
ホント今更ではあるが「マルサの女」に限らず、どの作品でも構わないので伊丹十三監督の作品を観直してみるといい✨
世界観が洋画してるんだよね☺️
舞台を日本にしてあるのに日本ぽさが薄い🫥
キャラだって皆濃い口系な演技が多いのも特徴だ🔥←見方を変えれば歌舞伎要素なのかも
そこから垣間見る伊丹十三が目指してた野望というかカロリーというか、対邦画への挑戦状でもあり可能性でもあり映画を観ていると観客を楽しませてくれる反面「どうだい諸君、楽しいだろ」みたいな高慢さが滲み出てる💦
悪口ではない、伊丹十三からの日本の映画全てへ向けた左ストレートを感じるのよ👊
奇しくも現在進行系で日本映画界は全盛期だってのに、マ王は伊丹十三の思い描いた邦画界の未来とは違う方向になってる気がする🫤
あの世でプリプリ怒っている監督の顔が目に浮かびそうだ🤔
映画館での鑑賞オススメ度★★★★☆
伊丹氏エンタメ度★★★★☆
でも彼の作品は死んでない度👍👍👍👍👍
山崎努と宮本信子の歪なかっこよさ
はじめて本作を見た時に、伊丹作品をイッキ見してしまった程の傑作です。
社会風刺とエンタメ性のバランスが抜群です。
近頃は作品性重視の辛気臭い映画か、とにかくウケを狙う娯楽映画と二極化している印象がありますが、
それらの正しく中道を行くのが伊丹作品ではないでしょうか。
そしてそれを成り立たせているのが、秀逸なテーマ設定に加えとキャラクター作りの上手さだと思います。
前者は言うまでもないですが、個人的なお気に入りはキャラクターです。
脚が不自由が故の独特な動きが印象的な山崎努と、
おかっぱにそばかすの宮本信子。
どちらも非常にセクシーに写っています。
ミロのヴィーナスと同じで不完全な故の魅力なのでしょうか。
分かりやすく若い美男美女を物語の核としないところが、素晴らしいですね。
年に一度は見ている映画では。
山崎努と宮本信子・2人のキャラクターの濃さ
悪人の戯画化に特別な才能のある伊丹十三監督。
アクの強さでは天下一品!!
人間の本性を暴く(性悪説?)の伊丹十三監督。
人間の醜い面を殊更に強調することにより、権藤(山崎努)は、
強烈でアクが強いキャラクターになりました。
対する彼を取り締まる国税局査察部(通称マルサ)に勤める
板倉亮子(宮本信子)は公務員の職務に熱心な普通の女性。
普通だけど《普通の普通》とは一色も二色も違う。
その仕事熱心さの情熱と、権藤の金を隠して脱税する執念。
2人はある意味で似た者同士なのかも!!
だから権藤は板倉に親近感を覚える・・・その熱意が好き・・なのです。
伊丹十三監督の作品は普通の監督が題材にする
「恋愛」「冒険」「ミステリー」「コメディ」のどのジャンルにも入らない。
強いてジャンルにも嵌めれば、「ブラック・コメディ」か?
「世相滅多切りコメディ映画」
でしょうか!?
世間に起こる「事件」や「世相」
たしかに「世相」を取り上げた作品が多いと思う。
この「マルサの女」を撮ることで、
人は金の亡者となり、なぜ儲けた金から税金を払うことを嫌うのか?
権藤の税金逃れは半ばゲームのように複雑化をしていき、
こんな苦労をする位なら、正直に納税した方が得策だと思えてくる。
伊丹十三は国税庁査察官に興味があったのだと思う。
彼の好奇心は無限で、誰にも止められない。
身体を2つに折る位に歪めて歩く。
確か愛人の前では脚の上げ下げや、蹴る動作をしていた。
(詐病なら身体障害者への差別とも取れるくらい酷いと言えば酷い)
愛人への扱いも(女優への扱いも、)
今現在ならハラスメントと断定されるかも知れない。
だがしかし、このヤバさが伊丹十三作品の魅力のひとつなのだ。
サービス精神、
スパイスのかけ過ぎ、
やり過ぎ!!
そしてもうひとつ。
奥さまの宮本信子を魅力的に撮ることは、驚く程だ。
マルサの板倉亮子は輝いている。
仕事に燃え、生き甲斐を感じ、猛進する。
宮本信子は伊丹十三の好きな《一番の素材》なのだ。
見抜いた伊丹十三も凄いが、七変化を演じた宮本信子も凄い。
伊丹十三没後25年。
伊丹十三作品の4Kデジタルリマスター版が制作されて、、
日本映画専門チャンネルで放映されました。
キャッチコピーは、
「日本映画に伊丹十三が足りなすぎる!!」
彼の実現しなかった次回作は、日本で有名な宗教法人を題材にしたもの、
だったそうです。
伊丹監督最高傑作!
午前十時の映画祭で観賞、もう文句無しに面白かったです。脚本、演技、演出、音楽どれもこれも素晴らしい。
バブル期の日本社会が描かれているので、当時を知る人には「そうだったな、こんなこともあったな」と振り返ってみたり、若い世代の方達には衝撃的に映ったと思います。劇中に出て来る黒電話やショルダーテレフォン等は当時当たり前でしたが今では見掛けなくなりましたよね。レンタルビデオが全盛期だったので何回も借りました。それと確か、「マルサの女をマルサする」と言うメイキングビデオがあってこっちもめちゃくちゃ面白かったのを記憶している。
そして、何て言ってもマルサと言う言葉が一気に広がって色んな所で使われていましたね。
第2作も傑作でしたがやっぱり第1作が最高ですね。正直もっとシリーズ化して欲しかったです。
伊丹監督の新作を毎回楽しみにしていましたが、突然の死去で本当に驚きました。まさかあんなことになるとは思いませんでした。伊丹監督にはもっと作品を作って欲しかったです。
「マルサの女」はラブ・ストーリー
本田俊之・サクソフォン(ある時は鋭く、ある時は甘く)の音楽にワクワクする。話の流れや結末は忘れていても台詞とかなり多くのシーンと演技と小道具(ハンカチやシーツなど)は驚くほどよく覚えていた。三國連太郎(マルサの女 2)の印象が強烈だったせいか主役が山崎努だってことは忘れていた。ゴージャスな岡田茉莉子にはうっとりした。
昭和の中年男の顔と声と姿がとてもよかった:山崎努、津川雅彦、大滝秀治、芦田伸介、大地康雄、小林桂樹、伊東四郎(顔色が変わる箇所いい)。山崎努と津川雅彦の色気はたまらない。
初めて見た時は国税局の働きぶりに、印鑑、通帳、現金の隠しぶりにびっくりして面白くて楽しかった。そして久し振り鑑賞の今回、「マルサの女」は追う側と追われる側の間に信頼と愛が生まれる奇跡を描いたラブ・ストーリーなんだと思った。伊丹十三による脚本と演出の賜物。
「お葬式」がホップ、だとしたら伊丹十三は「マルサの女」でステップ&ジャンプを一気にクリアした。
金と女が身を滅ぼす
メッチャ面白い
伊丹監督の作品と言えばやはりこの作品
顔
面白かった。山崎努の存在感すごい。
リバイバル上映ありがたいなぁ。
徹底した取材が迫真の出来を支える。
昔むかしに劇場で観た作品でした。
そのごく一部分とはいえ。普段は人の目に触れない(人の目に触れては困る?)税務職員の姿を描いた作品として、当時は税務部門で働いていた私も、興味深く観た記憶があります。
今回は、その記憶を踏まえての再観でした。
本作の特徴は…何と言っても、その徹底した取材ぶりでしょう。
続作となる『ミンボーの女』や『マルタイの女』『スーパーの女』の素地が本作で出来上がったのだと思います。
前記のように「税務職員の活躍ぶり」という素材と併せて…。
その高い写実性がとても印象に残る一本でした。評論子には。
そして、その写実性は、もちろん徹底した取材の賜物でしょう。
最初の頃に本作を観た際には気づかなかったのですが…。
最近に完成試写会を観る機会があった映画『じんじん』。
その企画・主演だった大地康雄さんは、本作にも出演していたのですね。
その「マルサのジャック・ニコルソン」という作品中でのニックネームには笑わせてもらいました。
でも…案外に言い得て妙かも(笑)。
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