香港パラダイス

劇場公開日:1990年4月28日

解説

世紀末の混沌を象徴する香港と東京を舞台にミステリアスな事件に巻き込まれたヒロインの活躍を描く。脚本・監督は「どっちにするの。」の金子修介、共同脚本は「まんだら屋の良太」の高橋正康と長谷川隆、撮影は「どっちにするの。」の高間賢治がそれぞれ担当。

1990年製作/98分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1990年4月28日

あらすじ

湯川真美子はパリに憧れる23歳のかけ出しツアーコンダクター。ところが突然命じられた添乗は花の都どころか一度も訪れたことのない香港だった。“香港の秘宝〈キング&クイーン〉盗難の捜査進展せず”のニュースが流れる香港に着いた一行に得体の知れぬ男大石がまとわりついてくる。大石はツアーの客の一人安東を追っていたのだった。だが秘宝盗難に関わっていた安東は、真美子にキーワードを囁いて胸から血を流して崩れ落ちた。そして大石はそんな真美子の手を引き、逃げ出した。真美子からキーワードを聞き出そうとする大石だったが途中折悪く上演中だった「中国魔術ショー」の舞台に飛び出した真美子は強烈な催眠術をかけられ記憶喪失になってしまう。ガク然とする大石、そこへ追っ手が迫り、真美子は海の中へと投げ出されてしまった。ところが運良く大石の知り合いの楊夫人に助けられ、偶然を喜ぶ大石だったが真美子の記憶は依然戻っていなかった。そんな真美子と日本へ戻った大石は姪で事務員のかおりの協力を得て真美子の記憶取り戻しに必死になっていたが、東京にも秘宝奪還を狙う殺し屋周や平田や藤本、さらに正体不明の男氷室も登場して、秘宝をめぐる人間達の渦は混乱し争奪戦は激しさを増してゆくのだった。そんなショックで例のキーワードを思い出した真美子は大石と共に再び香港へ向かった。そして、遂にキング&クイーンを手にした時、また殺し屋たちが二人を追いつめるのだった。そして、危機一髪のところを何とか逃れた二人だったが、秘宝は氷室の手に渡ってしまう。氷室は実は保険会社の調査員で盗まれた秘宝の行方を探っていたのだった。結局、秘宝を逃した二人だったが、いつしか大石は真美子に想いを寄せるようになっていた。そして、「中国魔術ショー」の珍によって記憶を取り戻した真美子は、夢から覚めたかのように元の生活に戻るが、数日後、大石と再会した真美子は大石に自分の想いを伝えるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 ドタバタのコメディ&ミステリー、ストーリーは破綻していても斉藤由貴は目一杯躍動する!

2025年11月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWのリクエスト番組「あなたの映画館」の放送にて。

今観るとまぁ“トンデモ映画”なのだが、公開当時はそれなりに楽しめた作品だった。
香港ロケあり、カーチェイスあり、危機また危機の連続で飽きさせない連続活劇…ではあったのだ。

斉藤由貴は1985年のスクリーンデビュー以来、東宝の看板を任された青春スターだった。
世に言う80年代アイドルが群雄割拠していた時代、15~16歳で歌手デビューするアイドルが多い中にあって、高校3年生でグラビアからデビューした斉藤由貴には大人びた色気があった。
1990年春に公開された本作が早くも主演7本目という破竹の勢いで、アイドル女優から本格女優への成長を見せていた頃だと思う。
それでも一応はアイドル映画のカテゴリーなのか、ストーリーはいい加減だし、国内ロケは安く上げた感じがする。

監督の金子修介はロマンポルノから一般映画に転身してからはコメディばかり撮っていて、本作では斉藤由貴のコメディエンヌの才能と肉体的な色気を惹き出そうとしたように思う。
チャイナドレスや黒ストッキング姿で大胆に躍動させるのだから、目が離せない。
そもそも無理がある物語を、内藤陳、阿藤海、天本英世といったクセ者を配してコントに陥らないギリギリの遊びで筋を運んでいる。
相手役がなぜ小林薫だったのか分からないが、親子ほどとは言わないまでも15歳くらいの年の差なのに、最後はロマンチック・サスペンス的に決着させる驚き。『シャレード』のヘプバーン&グラントみたいにしたかったのだろうか…。

とにかく、ハチャメチャなこの映画は斉藤由貴主演作の中では最低評価作品かだったもしれないが、国民的女優といわれる今のポジションにつながる脱皮のキザハシだったような気はするのだ。

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kazz

3.0 嘘をついて大人になるより夢見る迷い子で旅を続けていたいの

2025年10月4日
Androidアプリから投稿

ぼんやりとした表情で「たいした映画じゃないです」とつぶやく斉藤さんに司会者が大慌て。
当時映画の宣伝でテレビ出ていた斉藤さんの姿である。
沢尻エリカの「別に」のほうが映画の内容に触れていないぶんまだ社会人。
80年代は間違いなくアイドルの時代だった。
この映画が公開された1990年は既にアイドル氷河期が始まっていた。
あの斉藤由貴が深いスリットのチャイナドレスや胸元露わなボディコンミニスカ姿でアクションである。
熱烈なファンほど求めていない新しい斉藤さんの姿である。
目は焦点が合っておらず、荒れた肌を厚化粧で誤魔化している。
辛い時期であろうが、彼女の持つ何処か異様な雰囲気が得も言われぬ色気に転化しているのも事実。
さらに皮肉なことにこの頃の斉藤さんは、アーティストとしての自我が最高潮となり、才気が迸っていたのである。
その証拠に今作公開と同年に唯一無二の大傑作アルバム「MOON」をリリースしているのだ!(アイドルに興味のない方は「MOON」というより「ふ~ん」でしょうが…)
時間とお金と才能をたっぷりかけて、表現者として桃源郷のような境地に足を踏み入れた大傑作アルバムを作り上げた斉藤さんと、「大した映画じゃない」映画に出ている斉藤さんとは、どうにもこうにも結びつかない。
もしかしてこの映画の企画って、「MOON」の企画との交換条件か?
冒頭の発言は、永遠の少女を無理やり大人にさせようとする映画界への遣る方無い思いの表れだろう。
香港ではなく、心の中にパラダイスを探し続ける斉藤さんは、間もなく永遠の少年と恋に落ち、地獄を見ることとなる。

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こうた

2.5 合言葉は「記憶」「喪失」

2025年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

盗まれた秘宝をめぐる争いに巻き込まれたツアーコンダクターが香港と日本を行ったり来たりで大騒ぎ。
公開当時に出版された小説版を読んでから観たらいろいろショボくてガッカリした。
「何でそうなる?」「そうはならんだろ?」な展開や演出が多いように感じた。
そもそも、このストーリーで恋に落ちないと思う。
主演女優が喜怒哀楽全て似たようなポヤポヤした演技で魅力に欠ける。
ドラム缶とかジェイソンとかコメディタッチな演出が多いが振り切り不足で中途半端な印象。
カーチェイスや銃撃などアクションシーンは多いが前半の香港で撮影したと思われるシーンは特に出来が良かった。
クライマックスの高所アクションはカメラワークやカット割りが上手くなかなか良かった。

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ジョン・ドゥ

3.0 この時代の邦画としては楽しめた

2025年5月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

単純

WOWOW視聴より。
サスペンスなのか、コメディなのか、みたいな作品が多かった80年代から90年代初期の邦画。
当時は観てない作品でしたが、斉藤由貴全盛期のアイドル映画はそれなりに楽したストーリーでした。
※この手はたくさんありますが、、、

何より多数の当時活躍していた俳優さんがズラリ。
小野みゆきさんとか懐かしい!
大沢誉志幸さんなんて歌以外もやってたとは。
伊原さん、小林薫さん若っ!
井森さん可愛い!
主題歌ゴーバンズ!
など、など色々楽しめました。

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ノブ様

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