鉄道員(ぽっぽや)

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

名優・高倉健が主演を務め、第117回直木賞を受賞した浅田次郎の短編小説を実写映画化。「駅 STATION」「あ・うん」など数々の作品で高倉とタッグを組んだ降旗康男監督がメガホンをとり、定年間際の孤独な鉄道員に訪れる小さな奇蹟を詩情豊かに描いた。廃線間近となった北海道のローカル線・幌舞線の終着駅で駅長を務める佐藤乙松。今年で定年を迎える彼は、不器用なほどまっすぐに鉄道員(ぽっぽや)一筋だった自身の人生を振り返る。幼い一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、乙松は休むことなくずっと駅に立ち続けた。そんな彼の前に、ひとりの少女が現れる。愛らしい少女に、亡き娘・雪子の面影を重ねる乙松だったが……。共演には大竹しのぶ、広末涼子、志村けんら豪華な顔ぶれが揃った。2020年11月6日~、東京のT・ジョイPRINCE品川ほかにて4Kデジタルリマスター版をリバイバル公開。

1999年製作/112分/日本
配給:東映
劇場公開日:2020年11月6日

その他の公開日:1999年6月5日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第23回 日本アカデミー賞(2000年)

受賞

作品賞  
監督賞 降旗康男
脚本賞 岩間芳樹 降旗康男
主演男優賞 高倉健
主演女優賞 大竹しのぶ
助演男優賞 小林稔侍

ノミネート

助演女優賞 広末涼子
音楽賞 国吉良一
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映画評論

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(C)1999「鉄道員(ぽっぽや)」製作委員会

映画レビュー

4.0偉大なる映画人たちが遺した功績に思いを馳せる

2020年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

東映時代の高倉健さんを全盛期とする人もいるだろうが、それ以上に「君よ憤怒の河を渉れ」「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」以降の、任侠映画のスターからイメージを脱却してからの健さんに、最近は更なる魅力を感じる。「夜叉」も最高に痺れますが、今作も何度だって観てしまう引力が溢れています。今は亡き健さん、降旗康男監督、坂上直プロデューサー、そして今年鬼籍に入られた志村けんさんの姿も確認することができる。ある意味、とても静かな作品だが夢のようなひと時を味わわせてくれる。

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大塚史貴

4.0不思議の国の広末涼子

2025年2月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

言わずと知れた作品、ではありますが、こないだ泣きに行こうと再鑑賞したので笑 レビューを。

原作は浅田次郎の40ページ前後の短編。世界観としては、昔の「世にも奇妙な物語」の感動パート、あるいは藤子不二雄のSF(少し不思議)短編と言ったところでしょうか。当然直木賞作品ですから、小説においては文体含めてそれを流麗に伝えるのですが、映画とするには短すぎる作品でした。そのため、かなりの割合をモノローグが占めており、構成としては冗長感もあります。途中は飛ばしてもいいくらい笑。

しかしその中で、目線、台詞、所作の一つ一つで、積み重ねた年月の重さを嫌がおうにでも感じさせる高倉健。語られ尽くされていますが、これでもう泣いてしまう笑 この映画は6割が高倉健。2割は北海道の美麗な風景。1割は小林稔侍。と言ったところでしょう。

さて、残りの1割である、広末涼子についてここでは話します。私は広末涼子の2個下の世代。同世代の方はわかると思いますが、学校に行けばみんなが広末、広末、広末。体感しないと分からない感覚ですが、んまぁとにかくすごかった。時代と一体化している人独特の、再現性のない輝きを持っていた人でした。

今ではさまざまな役を経験して、役者さんとしてのキャリアを確立させていますよね。ところがこの頃は、売れたら売れるがまま、アイドルやって歌やってドラマも出て…
特にドラマの中ではアイドル売れした人独特の「しんどみ」みたいなものがあったのも事実だと思います。人物設定が薄い、「ひたすら広末っぽい人」みたいな役ばっかり与えられてて現実味がなかった部分も大きいと思いますが。まぁ、アイドルだからね〜、と、当時10代なのにジジイみたいな達観を抱いていました笑。

その、現実味のない広末涼子。
いいんですよね、この映画においては。

山奥の小さな駅の、たった一人の駅員かつ駅長の、孤独の象徴のような古ぼけた駅舎に突然現れ、なぜか優しくしてくれる少女。透き通った笑顔の裏にどこか陰を感じさせ、何か秘密を抱えていそうな謎めいた少女。台詞と台詞の間の表現も、どこか儚く、消えてしまいそうなニュアンスを孕んでいます(実際消えるのですが)。
出番としては10分もあったかどうか、なのですが、物語のクライマックスで強烈な光を放ち、あっけなく消えていきます。この眩さがあるからこそ、消えてしまった後の高倉健の喪失感が際立つ。そして一気にエンディング。この一瞬の締めくくりの鮮やかさが、「寂寞」というこの映画の醍醐味を作っています。

失礼ながら、少し演技が上手い、そこそこの役者さんのキャスティングでは、こうは行かなかったと思うんです。まさしく広末のキャスティングあってこそ生み出したダイナミズム。

当時の広末涼子自身の非現実的な輝きを、現実には起こり得ないファンタジー映画とクロスオーバーさせて、見事に真空パックしてしまった。これがこの映画の、ある種他に真似できないところだと思うんです。

考えてみれば、雪子だって人格形成の前に亡くなってしまった、全くもって透明な存在なわけですよね。皮肉抜きにですが、細かい人格描写の文脈やお作法がある人にはこの役は務まらなかったかも知れません。

今では本当に若手の演技派女優さんも増えましたし、見る側の私としても目が肥えてきている部分もあると思いますが、それでもこれを見るたびに、なんか広末普通にいいなぁ、と素直に感じますね。それはこうした一回性によるものなのかも、と思いました。

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BD

4.0科学が進歩して

2024年12月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

電車が早く走れたり人間が長生きできたりいいことだけど

昔の旅の旅情や雰囲気のある駅舎が皆同じ駅舎になることや

老老介護で殺人が起きることは本当に幸せなことだろうか

人にはほどほどってことが必要だと最近はよく思うぅ
そんな感じの映画だった

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drchu

4.5さいはてのローカル線にて・・・‼️

2024年11月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

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活動写真愛好家