風林火山

劇場公開日:

解説

井上靖の同名原作を、「日本のいちばん長い日」の橋本忍と、「大奥(秘)物語」の国弘威雄が共同で脚色にあたり、「佐々木小次郎(1967)」の稲垣浩が監督した大型時代劇。撮影は「連合艦隊司令長官 山本五十六」の山田一夫が担当。

1969年製作/165分/日本
原題または英題:Samurai Banners
配給:東宝
劇場公開日:1969年2月1日

あらすじ

群雄割拠の戦国時代。一介の軍師に過ぎない山本勘助にはしかし、壮大な野望があった。名君武田晴信に仕官して、天下を平定しようというものだった。勘助は暗殺劇を仕組んで武田の家老板垣に恩を売り、計略通り晴信の家臣になったのだった。天文十三年三月、晴信は勘助の進言で信濃の諏訪頼茂を攻めた。やがて機を見た勘助は和議を唱えた。諏訪方が従属を誓うなら戦わない方が得だからだ。新参者勘助の進言に諸侯は激昂したが、晴信は勘助の言を入れ、和議の役目を勘助に任したのだった。無事に和議を整えた勘助は、三度目に頼茂が来城したさい部下に命じて頼茂を斬った。目的のためには冷酷非情な手段をいとわぬ勘助を、晴信は頼もしく思うと同時に、底知れぬ恐しさを感ずるのだった。主を失った諏訪高島城は難なく武田の手におちた。勘助は全滅の城内で自害を図る由布姫を救った。父を欺し討ちにした人でなしと罵られながらも、勘助は類いまれな美貌の由布姫を、秘かに愛し始めていたのだ。だが、由布姫は晴信の側室に迎えられたのだった。武田勢は破竹の勢いで周辺を勢力下において行った。残る当面の敵は更級郡を支配する村上義清のみとなった。天文十五年武田勢は勘助の奇略で、戦わずして義清の属城信州戸石城を手中に収めた。その年、由布姫は父の仇晴信の子を生んだ。天文二十年二月、晴信は出家し、名を信玄と改めた。その頃、同じく天下平定の野望を持つ越後の上杉憲政も名を謙信と改め、入道になった。天下を目指す二人は、相戦う宿命を自覚しながら、その機をうかがっていた。四年後、由布姫は二十七歳で世を去った。慟哭する勘助の生甲斐は、母布姫の子勝頼の成人を見ることだった。永禄四年八月十五日、上杉謙信は一万三千の大軍を率いて川中島に戦陣を布いた。一方の武田信玄は一万八千の軍勢を指揮して川中島の海津城に進出した。やがて戦いの火蓋が切って落とされた。勘助は謙信の背後の妻女山から攻撃し、敵を追い落とすという作戦をとったが、謙信はこの作戦を事前に察知し、前夜のうちに軍勢を移動し、一気に武田の本営に攻め込んできた。このため武田勢は防戦一方に追い込まれた。勘助はこの危機に、自ら決死隊を率いて、敵の本営を目がけて突撃した。決死の奮戦で敵の一陣を突破した時、雑兵の槍が勘助の脇腹に突きささった。アブミを踏張って立ち上る勘肋の目に、妻女山の背後に回っていた坂垣信里の軍勢がようやく到着、その一大集団がうつった。安心した勘助だったが、右から左から無数の刃が勘勘を襲いつづけていた……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5本格中の本格、正統派中の正統派 本物の時代劇を堪能できます

2025年3月4日
Androidアプリから投稿

風林火山

1969年 三船プロダクション製作、東宝配給シネマスコープカラー作品
稲垣浩監督
3時間弱の超大作ですが、全くダレることなくあっという間に見終える面白さ
戦国時代の歴史に疎くともお話についていけます
浪人の山本勘助が信玄に仕えて死ぬまでが描かれます
クライマックスはもちろん川中島の戦い、武田信玄と上杉謙信の一騎打ちもしっかりあります
戦いだけでもなく諏訪由布姫と勘助のエピソードが縦糸になっておりさすが橋本忍の脚本です
本格中の本格、正統派中の正統派
本物の時代劇を堪能できます
しかもそれを明るくシャープな画面、広い画角、発色の良い色彩、明瞭な音声で
主人公は武田信玄と思いきや、その軍師の山本勘助で、それを三船敏郎が演じます
武田信玄は中村錦之助、
上杉謙信を石原裕次郎がそれぞれ演じます
セットも衣装も豪華チープさは微塵もありません
時代劇映画の最高峰のひとつだとおもいます
本作に肩を並べるか上回る作品は1980年の影武者か1985年の乱、ぐらいでしょう

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あき240

4.0三大スター、揃い踏み‼️

2025年2月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、TV地上波

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活動写真愛好家

5.0策士、夢に溺れる

2019年2月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

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しゅうへい

3.0軍師ブームのさきがけか?

2019年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

軍師・山本勘助に主眼を置いた井上靖の小説が原作。なかなか面白い。

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kossy

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