配達されない三通の手紙

劇場公開日:

解説

美しい三姉妹の住む地方の上流家庭で起こった殺人事件を描く。エラリー・クイーンの小説「災厄の町」の映画化で脚本は「絞殺」の新藤兼人、監督は「鬼畜」の野村芳太郎、撮影は「俺は上野のプレスリー」の川又昂がそれぞれ担当。

1979年製作/131分/日本
原題または英題:The Three Undelivered Letters
配給:松竹
劇場公開日:1979年10月6日

ストーリー

ロバート・フジクラ、通称ボブと名乗る青年が、日本文化研究のためアメリカから伯父、唐沢光政の住む山口県萩の町を訪ねた。唐沢家は代々町の名家で、すみ江夫人との間に、麗子、紀子、恵子の美しい三姉妹がいる。ボブは唐沢家の離れに住むことになった。次女の紀子は父の銀行に勤める藤村と結婚することになっていたが、藤村が結婚寸前に失踪し、三年間行方不明になり、その後、紀子は自室にこもり、魂のぬけたような生活をしていた。地方検事の峰岸という婚約者がいる三女の恵子がボブの研究を手伝っている。ある日、紀子の恋人、藤村が突然帰ってきた。家族は拒絶するが若い二人は抱き合い、結婚することになり、紀子に笑いがもどった。数日後、藤村の妹、智子が萩の町にやってきた。しばらくして、紀子は藤村の本の間にあった三通の封筒を見てハッとなった。その姿を見ていたボプと恵子は、あとで、紀子の部屋に忍び込み、その手紙を見る。それらは藤村の筆跡で、智子に宛てられていた。八月十一日付の手紙は、彼の妻が病気になった知らせ、八月二十日付の第二の手紙は妻の重態、九月一日付の第三の手紙は妻の死を伝えていた。第一の手紙の日、八月十一日がやってきた。唐沢家は恒例の土曜会が開かれ、その日、藤村の注いだワインを飲んだ紀子は嘔吐する。第二の手紙の日、八月二十日、紀子の飲んだコーヒーに砒素が仕込まれており、彼女はそれに気づいて解毒剤を飲んだ。ボブと恵子は第三の死の予告から紀子を救うことを誓う。九月一日、第三の手紙の日、藤村の誕生日が催された。藤村の作ったウィスキーを紀子が飲もうとすると、酔った智子がそれを横取りして飲んでしまった。智子はその場で死んでしまう。警察がやってきて、グラスから砒素が発見され、犯行は明らかに藤村の仕業と見なされた。三通の手紙も発見され、藤村は逮捕される。事件は解決されたかに見えたが、藤村の空白の三年間が判明して事件は意外な方向へ。紀子は自分を棄てた三年間、智子と同棲していた藤本への復讐として、手紙通り毒を飲んで藤本を殺人犯に仕立てようとしたのだ。しかし、それを偶然、と称していた昔の愛人・智子が飲んでしまったのだ。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第3回 日本アカデミー賞(1980年)

受賞

助演女優賞 小川眞由美

ノミネート

脚本賞 新藤兼人
主演女優賞 松坂慶子
音楽賞 芥川也寸志
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映画レビュー

3.0君に夢中

2024年9月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

女2人がおかしくなるくらい魅力的な男…? に見えないんだよなあ、片岡孝夫。栗原小巻VS松坂慶子はすごかったが、片岡孝夫の造形にもっと説得力欲しかった。

BS松竹東急の放送を鑑賞。

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ぷにゃぷにゃ

3.0魅惑の女優達の共演

2022年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

地方の名家で巻き起こる犯罪の予兆に動揺する家族を描く物語。

1980年代のサスペンスをWOWOWが放送。名前だけは知っていたので試しに鑑賞。
粗は目立ちますが、見所のある作品だったと思います。

栗原小巻、松坂慶子、小川真由美、竹下景子・・・後年に名を遺す女優達が魅力たっぷりの演技を魅せてくれます。
犯人特定の展開は中々の展開ですが、特に竹下恵子の役回りは見事でした。

ただ、粗はとても目立ちます。
重要な手紙を廃棄しないなんてあり得ないし、婿の過去を調べないのもあり得ない。それらを上手にクリアしていれば、もっと高い評価が出来る作品になったように思います。

私的評価は普通にしました。

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よし

3.0中学生の時に一度観たことがあり、当時は「クソつまらない」という印象...

2022年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

中学生の時に一度観たことがあり、当時は「クソつまらない」という印象と、松坂慶子の後ろ姿のヌードだけがやけに記憶に残っていた。
しかし、久しぶりに観るとそんなに悪くはなかった。
栗原小巻の迫真の演技はお見事。
それにしても旦那が3年前の結婚直前にびびって逃げ出したのが全ての元凶だな。

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省二

3.5いやはやもう、観るのがつらかった 新藤兼人の脚本でこんな思いをしたのは初めてだ なんでこんな事になってしまったのだ

2022年4月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これは厳しい
残念だ

とにかく脚本が壊滅的に駄目
まったく未整理の登場人物、未消化なプロット、穴ぼこだらけの展開
呆れてものも言えない

脚本はあの巨匠の新藤兼人なのに
いったいどうしたんだろう?

素晴らしいのは未来日付の三通の手紙に着目した構成と「配達されない三通の手紙」という題名だけだ
そこには新藤兼人の知性の凄さと切れ味を感じる

しかしミステリーの娯楽大作としてはまったくの失敗作としかいえない

目指したのは、和製のオリエント急行殺人事件や、ナイル殺人事件のはずなのに

よくまあ、野村芳太郎監督ともあろう人が
こんな脚本で撮影に入ったものだ
本当にどうした事だろう

いやはやもう、観るのがつらかった
新藤兼人の脚本でこんな思いをしたのは初めてだ
なんでこんな事になってしまったのだ

こんな脚本でも、なんとか映画になったのだから、野村監督の剛腕というか力業というか、タップリの撮影予算で組まれたセットと衣装、そして超豪華俳優陣と超一流スタッフ陣がねじ伏せたというべきか

そこに1個オマケだ

悲しい、がっかりな作品だ

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あき240

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