PERFECT BLUE パーフェクトブルーのレビュー・感想・評価
全113件中、41~60件目を表示
夢に夢を重ねて、、、
面白かった。
夢に夢を重ねて、途中何が何だかわからなくなる。精神的に追い詰められた表現として適切な表現だと思いました。そこで観る側の認識も幾つかにズレて行ってるんじゃなかろうか。
どの事件もハッキリした結末は語られない。それどころかあったのかなかったのかも判然としない。まるで夢を見てるみたいだ。
そして最後のセリフ。
「私は本物よ」
普通の人はそんなこと言わない。
あえて言うのには理由がある、と取れば。。。
どこまでが竹内さんの原作で、何処からが脚本家の仕事で、監督の演出がどの程度加わっているのか。
【以降、余談】
1997年の作品だから、携帯電話もさほど普及していない。インターネットも一部の人の趣味。描かれたパソコンはMacのパフォーマータイプの一体型。うちの実家でも使ってたやつだ。ブラウザはネットスケープナビゲーターか?その説明と含めて懐かしかった。
この作品はリアルタイムでは観ていない。2023年に初めて観た。1997年当時、大阪のラジオ局ABCラジオでは誠のサイキック青年団という番組をやっていた。竹内義和さんはその出演者。芸能情報や噂を有る事無い事喋ってはリスナーを楽しませていた。私は年に数回、その番組のイベントの運営をする仕事をしていたが、ラジオは聞いてなかったのでこの映画の事を知ったのは随分後になってからの事だった。舞台上ではもっともらしい顔して出鱈目言ってる御大。正確さより面白さそんなステージを客席や舞台袖、楽屋の整理をしながら聞いていた。良い時代だった。
そんな人が書いた作品の映画化。気になっていたが観れなかった作品を映画館で観れたのは嬉しかった。客席の少ないスクリーンだったがほぼ満席。3日前にチケット買っておいて良かった。
もっと早くに観ておくべきだったと思える名作。今敏監督は『パプリカ』...
時系列で犯人の行動を考えると巧みに作られている
めっちゃ怖かった
恥ずかしながら何も知らなくて、SFか何かと思って観に行ったらめっちゃ怖かった。
これが四半世紀前の作品とは、驚き。
これ以降、類似作や模倣作がたくさん作られているのでしょうが、慄きつつ楽しめました。
我ながら、馬鹿なのか素直なのか、犯人が途中でわかるとか話の展開を読むとかが、全くないので(上手く観せてくれる作品に限ってですが)、驚愕の作品でした。
今ならあの男はあんな気味の悪い容姿でなく、普通のどこにでもいる人物みたいに描かれるんでしょう。その方が怖い。
とにかく音楽、音響、効果音が素晴らしかった。
(前日に観た作品の音声が酷くて残念に思ってたので、今作の音の入れ方、消し方、良さが際立っていたように感じました)
これが25年前の作品だなんて…。
アイドル卒業も・・・大変
アイドルグループCHAMを脱退し、女優へと転身を図った霧越未麻は、ドラマの中でのレイプシーンや乳首を出したヘアヌード写真集など、これまでのアイドルのイメージを覆す仕事の連続に戸惑いながらも、着実に知名度を上げていった。そんな中、彼女のヌード写真を撮影したカメラマン、仕事を受けた事務所の関係者などが次々と殺される連続殺人事件が発生した。ネット上では未麻の名をかたって日記を書き込む人物が現れ、彼女は次第にストーカーに怯えるようになり・・・てな話。
25年くらい前の作品なので、ストーカー規制法が施行されるより前の公開だから、今だと違うなぁ、とは思うが、こんなことが社会問題になって法律が作られたんだろうと観ながら思った。
アイドルがグループを脱退し、ヌード写真集を出す、なんてことも現実には有ったし、後にはAVに転身し大成功をおさめた三上悠亜のような例もあるから、今だとそんなに悲観するような話じゃないとは思うけど、とにかく、ストーカー規制法が無かったら怖いなぁ、って思った。
最後のマネージャーのおばさんが一番怖かった。
アニメの方に書ける人がいる
これは、監督もすごいけど、原作・脚本がすごいね。
あれだけ「タイムループなの?」「幻影なの?」という展開を入れてきて、最後に破綻なく、納得いくようにまとめてくる。ミスリードのやり方もすごくうまい。
これだけ書ける人が、実写ドラマでなく、アニメの方にいたんだと思ったよ。
「この頃は漢字TalkじゃなくてmacOSになってたのか」「Netscape Navigatorだ」「電話につながってるからモデムだな」みたいな当時のテクノロジーも懐かしかった。
そしてアイドルがアイドルだね。まだ偶像崇拝。
制作が1997年だったからモーニング娘。がデビューした頃だね。この後に会いに行けるアイドルが出てきて、地下アイドルも出てきて、いまはちょっと感覚が違うと思うの。
それとアイドルオタクの描写がうまい。リアリティがある。
華やかな世界にいる人たちが想像で書くオタクと違うんだよ。業界違うってすごいね。
ミステリとしても「なるほど」と思うつくりだし、ほんとスゴイなと思ったよ。
結末を知った上でもう一度観よう
傑作とは聞いていたが、リバイバル上映と聞いて鑑賞
サイコサスペンスとは聞いていたが、全く情報無かったのが良かった。
チャムと戦隊物のバーターのショー、デパートの屋上でよくやっていたなと懐かしく感じたのも束の間、いかにもなファン(警備員)が早々に登場、この人が悪役ならそのまんまだから、最後には助けてくれる役なんだ。と願いながら話は進んでいく。
話が進んでいくが、出てくる男達は皆、どこか気持ち悪いやつばかり、未麻の味方はどこにもいないのか?と祈るような気持ちになってくる。
エンディングは一番の味方と思っていた貴方が、、、
でも、貴方が何故そうなるの、元々そうだったの、途中にいなかった時に何があったの、もしかすると最後の瞬間の後には「はいカット」っていうこと?
自分の世界もぐらつくような、トラウマの残る映画でした。
今敏監督の傑作リバイバル上映に感激!!
なかなかの混み具合、さすが伝説級作品の4Kリバイバル上映、しかも観客の半数ぐらいが若い女性なのが印象的でした
現実と劇中劇のドラマ、そして幻覚(妄想)の3つの世界を行き交う多重構造のストーリー展開で観客を大混乱に陥れ、終始 息を呑むほどの緊張感に縛りつけられたまま一気にラストまで連れて行かれる、とんでもない熱量を持った今敏監督の演出に圧倒されます
アイドルとカメラ小僧に代表する昭和サブカルチャーからバブル崩壊後のインターネットや携帯電話の爆発的普及前夜が時代背景になっており、その辺をリアルに青春時代で過ごした身としてはとても懐かしく、ノスタルジックな気分に包まれ、これを再び劇場空間と大画面で今の若い世代の人達と観るという体験ができるだけで感動的でした
そんな世界観を描いた独特なタッチの映像がすごくレトロで魅力的な上、主役の未麻の映像もとても可愛くて魅力的
というのとは裏腹に他のキャラクターデザインがとても醜悪だったり、バイオレンスや性的な描写に加え、バックに流れ続ける不穏なBGMで終始 緊張で身体が硬直した感覚に包まれます
タイトルロール以降、徐々に狂気の世界に引きずり込まれ、ラストまで突き進む、このとんでもない破壊力に呑み込まれ、内容自体1回では理解しきれず、観た後、直ぐにまた始めから観直したくなる中毒性のある作品、久々に観たけど、何度観てもやっぱり面白い、傑作です
妄想と現実のギリギリのバランス
これが世界を揺るがした傑作
今敏(こん さとし)
北海道は釧路生まれの
漫画家・アニメ監督
漫画家としてヤングマガジンの
ちばてつや賞を受賞し
大友克洋のアシスタントを担当
やがて大友克洋が脚本等を担当した
「老人Z」「MEMORIES」
などからアニメ方面へ進出
数々の作品で評価を得たことで
監督として機会を得たのが
今作となる
どちらかと言えば国内より
海外で評価される機会が多く
「千年女優」「パプリカ」等
2010年に惜しまれながら癌で死去
するが存命ならば日本の
アニメーションを牽引する存在で
あったであろうと言われる
才能である
1997年に発表された今作は
当時まだ一般に触れられる機会が
まだ早かった「インターネット」
「ストーカー」と言った要素を
取り込みながら
アイドルが次のキャリアを
女優に定めるにあたって抱える
葛藤を今敏監督特有の
現実と空想の境目を曖昧にする
演出を駆使して観る者の感覚を
狂わせる様は何度観ても
衝撃を受ける
その表現方法にしても
アイドルユニットの
センターだった霧越未麻(きりごえみま)
が女優に転身するにあたっての
本人の内面的な葛藤や迷いを
憂うマネージャーや倒錯的なファンに
転嫁しながら進むことで
未麻に女優としての濡れ場や
ヘアヌードに差し向けた連中が
惨殺されていく展開にもっていく
流れは何度観ても予想しづらく
ストーリーとして最後までわからなく
する展開には改めて感服するところ
女優として転身するために
濡れ場でもなんでも受け入れていく自分
アイドルとしての未麻を応援してきた
マネージャーのルミやファン
それぞれの想いを「鏡」として
投影してもう一人の「理想の未麻」
として画面に出す手法
これが海外に影響を非常に産んでいたと
思います
こないだのエドガー・ライト監督の
「ラストナイト・イン・ソーホー」でも
明らかにこの作品の影響であろうと
感じられる鏡映しの描写がありました
思い描いている理想の自分と
現実の自分を鏡の向こうで分ける
今にしてみると当たり前な表現に
感じますがこの映画がストレートに
初めて表現したんじゃないかなと
思うとこはあります
26年経ったところで
今観てみると一番思うのは
昨今の作品で見られる
「わからない人向け」の配慮が
一切無く
柄の悪いアイドルのファンなどの
実在してしまうものをアッサリ
表現している点については
この作品どんだけ視点が
新しかったんだと驚くばかり
倒錯したファンが暴走する
というテーマの映画だと
ロバート・デ・ニーロ主演の
「ザ・ファン」が思い出されますが
この作品は本作の1年前の1996年の作品
タイムリーな話題をいかに抑えていたのか
と思わされるばかり
今敏氏はもしご存命であれば
ジブリや新海誠氏などのように
次世代のジャパニメーションを担う存在
として存在したのであろうと思いつつ
この作品に影響を受けた人々が必ずや
発信し続けるのであろうという
期待も願ってやみません
追記
この映画に関わられた方と
縁あってお友達なのですが
今回観に行きましたと
お伝えしたら
この作品当時は興行が
振るわず今敏監督と気になって
封切り日に新宿へ観に行ったら
あまりにガラガラで
帰りにゴールデン街でヤケ酒した
というお話を聞きました(笑)
いや時代が早過ぎたんだよなぁ…
多層的
4Kリマスター上映にて、初見。
ストーリー立てとしてはそれほど複雑なものではないが、真相は?となるとかなり複雑なものになる…
というのも…
以下ネタバレ。
未麻、警備員の男、真犯人の願望が一致しているため、ストーリーが進むにつれ、映画内で起こっている事象が誰の視点で描かれているものなのか、それが事実なのか幻想なのか、どんどん分からなくなっていくようになっているから。そういう意味ではこの映画のオチもあくまでも未麻の視点で描かれたもので、事実かどうかは分からないまま…
90年代に作られたものとしてはそういう多層性は進んでいると思うが、今となっては…ね?
警備員の男の描かれ方もステレオタイプ過ぎるし、それは冒頭から気にはなった。
ただ、そういう「消費された側」の作品だったんだと思う…
「未麻の部屋」
2010年に46歳という若さで亡くなった今敏監督のデビュー作品。
(キャラ原案・江口寿史先生
企画・大友克洋先生 が参加)
制作のマッドハウスの創業50周年と本作劇場公開25周年を記念し、4Kリマスター版での上映が実現!
喜びに震えながら鑑賞。
3人組B級アイドル「チャム」のメンバーだった未麻は、事務所の方針で1人だけ脱退し女優に転身することになる。
しかし、清純派アイドルの未麻のイメチェンを許せない熱狂的なファンにストーキングされ精神的に追い詰められて行く。
加えて望まない仕事を続けるうちに、未麻自身にも異変が起きていく。
そして彼女の関係者が犠牲となる殺人事件が多発。
そのダメージから現実と虚構の区別がつかなくなっていく。。
というストーリー。
「もう一人の未麻」が見えるようになっていく未麻。
本当の自分と演じている自分との境目が分からなくなっていく過程が本当に恐ろしい。
「あなた、誰なの?」
「私は、未麻」
絶妙なバランスで繋げられるシーン。
ヒャンヒャンヒャンヒャン!
と大袈裟なBGMも不快感全開で、見ているこちらも徐々に追い詰められる。
嫌でも未麻の恐怖体験を共有することになる。
デパートの屋上でのこじんまりとしたステージ。
いかにもB級アイドルがコンサートをしていそうなシーン。
それに反してオタク語を話し、月でも撮るのか?一眼レフで狙う熱狂的なファン達が押しかけているその対比。
そして、日曜日にファミリーが戦隊ショーを見に来る場所でもある、そことのミスマッチも心がざわつくポイントだ。
しかし、ひと昔前なら割と見かけた光景。設定がリアルで生々しさが増す。
そして楽曲が本当に素晴らしい!
チャム「愛の天使」
2人ver「一人でも平気」
大ヒットはしないだろうと誰でもわかる「絶妙に売れない感」が抜群の楽曲!!
(振り付けも最高!)
そんなリアルさが完璧過ぎて、未麻に起きている事が、現実なのか幻覚なのかわからなくさせている。
あのお気楽な楽曲を流しながら、錯乱する未麻を描くパートは悍ましすぎる。。
未麻の芝居も完璧!
あの声のトーンと話し方。
「ルミちゃん」可愛らしい少女のようであるし、とても怖くも聞こえる。
ラストはもう殴られた様な衝撃!
まさかの真相!!いや、これも夢?!
ストーカーが?!ルミが?!
未麻が?!!
女優として成功を収めた未麻。全てが彼女の仕業だったら?と考えて背筋が凍りました。。
本作はアニメーションでしか表現出来ない世界がある事を証明した作品だったと思います。
これを実写で撮ったらと考えてみて下さい。
安っぽサスペンスに成り下がってしまいます。
アニメーションの可能性を存分に知らしめてくれた傑作です!
神がかっている!
もう今監督の新作が観られないのだと思うと、とても悲しく残念でなりません。
現実と幻覚が混じり合う
『ラストナイト・イン・ソーホー』っぽい。
アニメですが大人向け、ジャンル的には、サイコホラー?サイコスリラー?
原作は小説だそうですが、僕は読んでおりません。
この映画版は大幅に変えてあるそうです。
エドガー・ライト監督が『ラストナイト・イン・ソーホー』のインタビューで、
「60年代、華やかなショービジネスの裏で性的に搾取された女性が相当いた」
みたいな事を言ってて、この映画を観ながら、同映画を思い出しました。
このレビューを書くにあたってググってみたら、やっぱ言われてるみたいですね。
ぽい、類似点ある、って、
『レクイエム・フォー・ドリーム』
『ブラック・スワン』
も、そうらしくて、
監督のダーレン・アロノフスキーは、この『パーフェクトブルー』を実写化したいとも思っていたんだとか…
いま名前を上げた映画が好きな方は、比べてみると面白いかも?
あっ、この映画は、あるアイドルの話です。
全113件中、41~60件目を表示