女番長 野良猫ロック

劇場公開日:

解説

疎外された若者たちのエネルギーの爆発を、描いた作品。脚本は「斬り込み(1970)」の永原秀一、「盛り場仁義」のテクニシャン長谷部安春が監督。撮影は同作品でコンビを組んだ上田宗男が担当。

1970年製作/80分/日本
原題または英題:Wildcat Rock
配給:日活
劇場公開日:1970年5月2日

ストーリー

土曜日の新宿の街は爆発する若者のエネルギーでムンムンしていた。西口の工場現場では若い女達の二つのグループ、十数名が鋭く対立していた。番長・メイが乗り込むや、他方の番長・トシエの合図でナイフとパンチの凄惨な乱闘がくり広げられた。バギーを運転する勝也をボスにする黒シャツ隊がトシエ達に加勢してきた。それを見守っていた流れ者・アコはオートバイに跨り、敵を蹴散らしてメイ達を助け出した。アジトに逃げ帰ったメイ達は、アコに畏敬の念をいだき始めた。一方、アジトにたむろするメイの恋人、道男は黒シャツ隊の元締めである青勇会に取り入り、幼なじみのボクサー・ケリーを抱き込んでボクシングの八百長を引き受け、青勇会の会員にしてもらおうとしていた。その夜の試合で負けを強いられていたケリーは得意のパンチを出せず、KO寸前だった。しかし、アコやメイの強烈な声援に奮起し、八百長を忘れ、相手をKOしてしまった。道男に八百長をひっくり返された青勇会は怒り狂い、道男に落とし前をつけた。恋人を殺されそうになったメイは、アコの協力で青勇会に殴り込み、ひん死の道男を救い出す。だが、怒りに燃えた青勇会に道男は殺されてしまう。そして、その仇を討ったメイも、ショットガンの弾丸を浴びて死んだ。月曜日の朝、アコは爆音を残して新宿の街から去って行った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0ノスタルジーの墓標

2024年9月1日
iPhoneアプリから投稿

当時の新宿の風景が懐かしい。ダークな梶芽衣子や范文雀がその風景によく溶け込んでる。和田アキ子は優作のアホーマンスみたくバイクで現れ去っていくのがカッコいい。ただ藤竜也以外の敵方のインパクトが弱い。これに原田芳雄や郷鍈治などがいればな。後は70年当時の勢いのあるモップス、反対に瓦解しかけたオックスを見れるのが嬉しい。

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sukiyaki

2.0不良達

2021年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

サイケデリックな70年代初頭の雰囲気がとてもイイ。
ストーリー自体は単純。
男達、あほすぎやしないかい?
バイクのチェイスのシーンかっこよかったぞ。

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まこべえ

4.0タランティーノのファンならばマスト 観て得する映画だ

2019年12月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

これは隠れた名作!面白い!
というか既に海外でカルト的な人気を集めているという
タランティーノなら絶賛するのは間違いない

1970年5月の公開ながら、その年の11月に起きる三島由紀夫市ヶ谷割腹自殺事件で有名になる盾の会をモチーフに据えているのは凄い
恐れいった
その手下として主人公達と敵対するのが新宿百人町にアジトを持つ暴走族で、彼らは黒シャツをユニフォームにしていてイタリアのファシスト党との類似をみせるのだが、政治的なメッセージはその程度

大人に利用されるろくでもない連中と、自由に遊びたい若者達との抗争と言う構図がメイン

ニューシネマに呼応して、タイトルにあるようにロック音楽と当時のヒッピー的風俗を効かせてあるのが素晴らしい
歌舞伎町の伝説のゴーゴー喫茶サンダーバードでのロケは資料映像としても一級品
そこで演奏される、サイケ調であったりの楽曲も感涙もの
劇中の伴奏もそれまでのチンケな日本のアクション映画のものから脱しています

不良少女達の衣装も当時のスタイルを反映していて格好良い
トンボサングラスとかサイケスタイルのアレです

物語は基本西部劇
流れ者のガンマンがアコ
大牧場の旦那、その手下のカウボーイ達という風に簡単に読み替え可能です

とにかく20歳の和田アキ子がいい
後のパムグーリアのコフィを思わせる
歌もR&B風味がでていて素晴らしい
23歳の梶芽衣子も後の活躍を十分に予感させるものだ
彼女のフリンジの沢山ついたワンピースが素敵だ
范文雀22歳も素晴らしい存在感だ

新宿でフラフラした経験のある人なら、半世紀昔の新宿の街並みだけで目が釘付けになることは請け合いだ

まだ西新宿の高層ビル群は建設中で、京王プラザホテルだけが鉄骨が高く組み上がってきている程度、ほかは西部劇の荒野のような広大な工事現場だ
だからバギーとナナハンが見事に活きているのだ

それ以外の東口から新宿通り、歌舞伎町の中、百人町の辺り、しょんべん横町のロケも興味深い
都電の線路はゴールデン街の四季の道のところだし、都電の車庫は今の新宿文化センターだろう
アコとメイが出会ったガソリンスタンドは新宿2丁目、そこから靖国通りを西新宿に向かう

さすがに1970年の当時は古すぎて知らないが、現代と地続きの街並みというのがはっきり分かる
なにしろ、さくらや、伊勢丹、アメリカ屋靴店、ワシントン靴店とネオンと広がるのだ

そしてクライマックスのナナハンとバギーでの西新宿でのカーティス!
三又の新都心歩道橋をナナハンが疾走!
西新宿の地下街へ地下街入り口の階段から、ナナハンとバギーが突入!
そのまま地下街を突進!!
うおーっとひっくり返ってしまう
今では絶対に有り得ない撮影だ
凄い映像だ

タランティーノのファンならばマスト
観て得する映画だ

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あき240

4.0オックス、モップス、アンドレカンドレ、ある意味贅沢なキャスティング...

2018年6月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

オックス、モップス、アンドレカンドレ、ある意味贅沢なキャスティング。
和田アキ子は、役者よりやっぱり歌良い。

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すーさん2 号