眠狂四郎女妖剣
劇場公開日:1964年10月17日
解説
柴田錬三郎の原作を「眠狂四郎円月斬り」の星川清司が脚色「座頭市あばれ凧」の池広一夫が監督した眠狂四郎シリーズ四作目。撮影もコンビの竹村康和。
1964年製作/81分/日本
配給:大映
劇場公開日:1964年10月17日
ストーリー
狂四郎はある朝浜町河岸に横たえられた、全裸の美女二人の死体を見た。鳥蔵と名乗る男はそれが、大奥の中臈綾路と、お半下女中の美乃であると狂四郎に告げた。だがその烏蔵は隠れ切支丹の科で役人に捕えられた。この頃江戸では、豪商備前屋が、金力を武器に、老中水野忠成を抱き込み、大奥の女達に秘かに阿片を送っていた。浜町河岸の死体は、残忍な菊姫に麻薬責めにされ殺されたのだった。そして菊姫は鳥蔵の妹小鈴に、兄を救う手段と称して、牢内のバテレン、ヨハネス・セルディニイを誘惑させた。しかし、約束は守られず、鳥蔵は殺され、小鈴は自殺して果てた。狂四郎は、鳥蔵が死ぬ間際に、浜松へびるぜん志摩という狂四郎と血のつながる女がいると聞かされ、浜松へと旅立った。途中、狂四郎は、備前屋の刺客や、情慾のとりこになった巫女に悩まされたが、愛刀無相正宗がその難を救った。大井川で足どめされた狂四郎は、妖艶な鳥追い女と旅篭に入った。女と酒を飲んだ狂四郎は、目がかすむのを知り愕然とした。女は、狂四郎の目をつぶすために使わされたのだった。狂四郎は女をそそのかした刺客を撃退する。再び浜松に向った狂四郎は、隠れ切支丹に案内されて舟小屋で、びるぜん志摩に会った。狂四郎は自分との関係を彼女に問うが答えない。その舟小屋に集まってきた隠れ切支丹たちを役人が捕縛する。その騒ぎを見て舟小屋の外に逃げ出した狂四郎たちは、菊姫の配下武部光源に襲われ、志摩は海上につれ去られた。武部を斬り倒し、小舟で備前屋の密貿易船にたどり着いた狂四郎は備前屋とその配下を斬り、宿敵陳孫との念願の一騎打ちとなった。死闘の末陳孫は海に飛び込み退散する。舟倉でびるぜん志摩に会った狂四郎は、志摩が備前屋のまわし者で切支丹になりすましては、信徒を売っていたこと、狂四郎を船にひき寄せるため配下にさらわれたことを知り、責めた。妖艶な表情に変った尼僧は、色と金で狂四郎を誘った。そして狂四郎の出生の秘密について語る。転びバテレンに生け贄として犯された武家の娘から産まれたのが狂四郎だと言うのだ。母は自害し、遺された狂四郎の乳母となったのが志摩の母であった。さらに色で誘う志摩を狂四郎の剣は一刀のもとに斬った。何故と問う志摩に狂四郎は「平気で斬れる。無頼の徒だからな」と言い残し立ち去るのだった。