濡れた二人

劇場公開日:

解説

笹沢左操の原作『喪失の女』を「君が青春のとき」の山田信夫と重森孝子が共同で脚色し、「積木の箱」の増村保造か監督した。撮影は同じく「積木の箱」を担当した小林節夫。

1968年製作/88分/日本
配給:大映
劇場公開日:1968年11月30日

ストーリー

哲也と万里子は、お互の会社勤めに忙しい日々を送っていた。そんな毎日に不満を覚える万里子は、毎年夫婦二人だけの旅行を計画して来たが、未だ実現したことはなかった。今年もまた哲也が、仕事の都合で旅行の中止を口にする始末だった。そんな夫に対する不満は、万里子をひとり旅に駆りたてた。小さな港町に降りたった万里子は、夕陽を浴びて行きかう漁船や黙々と働く若ものたちの姿を清々しい気分で眺めた。以前、万里子の実家で働いていた勝江の一家は、暖かく万里子を迎えた。だが、その歓待にもかかわらず、万里子は心の寂しさを隠すことが出来なかった。勝江に勧められるまま、万里子は哲也に電話をかけた。しかし、哲也の声は仕事の多忙を告げるのみで、万里子の最後の期待ははかなく崩れ去っていた。憤然と立ちつくす万里子に、明るい声をかけたのは繁男だった。その晩、繁男が友人の昌夫を伴って万里子を訪れた。万里子は繁男の無遠慮な態度に驚いたが話合ううちに彼の素直さに好感を抱くのだった。そこへ哲也から明日行くとの電報が届いた。繁男はいたたまれず万里子に愛を告白し、哲也は来ないと断言した。万里子は、うわべではそれを否定したものの、繁男の直情的な言動に動かされた。そして哲也との結びつきを翌日の到着に賭けるのだった。翌日、繁男と万里子、昌夫と繁男の婚約者京江の四人は駅に哲也を迎えに行った。だが、降りる乗客の中に哲也の姿はなかった。その夜、万里子は哲也に訣別の手紙を書き、翌日繁男と小船の上で結ばれた。だが、万里子が戻った時、勝江の家を哲也が訪れていた。万里子は全てを哲也に告白しそれを許した哲也は会社に帰っていった。万里子が、繁男からののしられ、哲也から離縁の知らせを受けたのは、その翌日だった。

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映画レビュー

2.510年ぶりに鑑賞

2023年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

10年ぶりに鑑賞。
初見は池袋・新文芸坐での若尾文子28本特集上映(2013年2月)だったが、若尾文子×増村保造監督の作品にも拘らず、若尾文子があまり綺麗に撮られていなかったのと、全編にわたるガサツ感を思い出すと、なかなか二度目の鑑賞にたどりつけなかった。
ようやくDVD購入する気になって再見したが、やはり映画館で観た時に「あの北大路欣也がバイクでグルグルする場面は嫌な感じ…」という印象を再認識するとともに、北大路欣也が若尾文子に暴力ふるう場面も今回は特に嫌な感じだった。
別に、嫌な感じを再認識するために観たわけではないのだが…(笑)

冒頭、妻の万里子(若尾文子)が夫(高橋悦史)と旅に行く計画だったのに、夫が仕事で行けなくなり、妻だけが旅に出る。若尾文子は32歳の人妻の役。
旅先で若い漁師(北大路欣也)と出会うが、彼は荒っぽく、たくましい男。若尾文子より7歳若い役。
北大路欣也のバイク後部座席にまたがる若尾文子。
そして、若い女性を巡る事件、人妻の情事など性的なエピソードが続くが、若尾文子のボディダブルでヌード場面は差し替え。

本作は、傑作多数の若尾文子×増村保造監督がほぼ終わる頃の映画であり、残念な感が残る映画。
やはり、若尾文子主演作は、「おぉ~、綺麗!」とか思えたり、「楽しい!」とほほ笑んだりする作品が好きだ。

なお、購入DVDの特典映像は初めて観たが、予告編は本編と違うフィルムを使用するなどしていて、これは興味深く楽しめた(^^)

<映倫No.15581>

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たいちぃ

3.0はだか

2020年4月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

68年大映。監督増村保造。主演若尾文子。

旦那とすれ違いの人妻文子。田舎へ旅行した先で北大路欣也がメッチャ濃い顔で登場。早々に口説く欣也。釣ったクロダイ投げたりバイクに乗せたりワイルド極まる。メイク濃すぎてコントみたいだぞw

その後も欣也はエキセントリック&ストレートにアプローチ。文子もつられてエキセントリックに。そして意外にも大胆なラブシーン(こんな映画で脱いでるとは!)

増村映画としてはかなりの異色作。とにかくダイレクトな表現。そういう路線もやってみたくなったのか?
バイクぐるぐるやずぶ濡れシーンなど印象的な箇所多数。話はチープだが意欲作とお見受けしました。

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散歩男