ぬるぬる燗燗
劇場公開日:1996年2月24日
解説
女の肌で温めた究極のぬる燗作りに命を賭けた居酒屋主人の愛と意地のドラマ。監督はこれが劇映画デビューとなる西山洋一。撮影を「したくて、したくて、たまらない、女。」の芦澤明子、照明を「Shall We ダンス?」の長田達也、編集を「82分署」の神谷信武が担当。主演には藤田敏八と渡辺護という映画監督ふたりを配した異色のキャスティングである。なお、今作は92年に関西テレビで放映された『ドラマドス/ぬるぬる燗燗』(関西テレビ=ディレクターズ・カンパニー)を映画化した作品。R指定。
1996年製作/71分/R/日本
配給:新東宝映画
劇場公開日:1996年2月24日
ストーリー
物部の経営する居酒屋“物部屋”は、うまい燗酒と肴を出す店として繁盛していた。ところがある日、“夢殿”なる伝説のジプシー居酒屋が町に現れ、客を奪っていってしまう。あせった物部は、なじみの客・常田を伴って川原に店開きしている夢殿へ偵察に行くが、そこで出されたぬる燗のあまりのうまさに舌を巻いた。どうにかしてこのぬる燗の秘密を知りたいと思った物部は、夢殿のトラックをこっそり覗く。すると、そこでは夢殿の若い妻・澄代が特製のレオタードの中へ酒を流し込み、屈伸運動で上昇した肌の温もりで燗をつけていた。女の汗と分泌物が酒とまざりあって、なんとも言えない味を醸し出していたのを知った物部は、早速、特製のレオタードを作り、娘の麻美で実験してみる。その後、澄代が実は夢殿の娘で、夢殿自らが結婚することで処女を守らせていたと判明し、ぬる燗の秘密が処女の肉体にあったことを知った物部は、麻美に処女膜再生手術を施して、ぬる燗作りに成功した。一方、夢殿では自分をとっくりとしか思っていない夢殿に愛想を尽かした澄代が、見習いの新三と駆け落ちしてしまった。全てを失った夢殿は物部のぬる燗の噂を聞きつけ、物部屋にやって来る。澄代とはまた一味違った熟成味に、夢殿は敗北を認めた。麻美がアメリカ留学の夢を捨てきれずにこっそり家を抜け出したことを知らずに、物部は勝利の味に酔いしれる。