人間の條件 完結篇
劇場公開日:1961年1月28日
解説
「人間の条件」第五・第六部で、その完結篇。脚色者に稲垣公一が加わったほかは、いずれも前作と同様のスタッフ。
1961年製作/189分/日本
原題または英題:A Soldier's Prayer
配給:松竹
劇場公開日:1961年1月28日
ストーリー
ソ連国境でソ連軍の攻撃を受けた梶の隊は、梶と弘中伍長と寺田二等兵を残して全滅した。三人はただ歩いた。やがて、川に出た。そこには避難民の老師教夫婦や、慰安婦の竜子と梅子、部隊から落伍した匹田一等兵たちがいた。彼らは梶の指揮に従って歩きはじめた。飢えから倒れていく者が多くなった。丘の麓に、永田大尉の率いる一個中隊が休息していた。女連れの梶たちをののしり、食糧すら与えなかった。しかし、かつて野戦病院で一緒だった丹下が隊にいて、乾麺包にありつくことができた。林のはずれに一軒の農家を見つけ、彼らは豚を煮て大休止をした。が、それも束の間、民兵が家を囲み、竜子は悲惨な殺され方をした。生き残った六人はやっと道路に出た。日本人の避難民が行き、赤軍のトラックが通る。倉庫のような建物に三十人ほどの避難民の女がいた。叔父の家から北湖頭の自分の家へ帰る姉弟と一緒になった。一緒に南満へ行こうと勧めたが、どうしても家へ帰るといい、匹田と桐原が送っていった。「あの娘は適当に扱ってやったよ」という桐原を、梶は怒って追い出した。平坦な地平線に開拓集落をみつけた。老人や女ばかりの避難民。日本兵はここにきては食糧を荒していき、女たちには黒パンをもってくるソ連兵の方がよかった。突如、ソ連兵が向ってきた。女の「やめて、ここで戦争をしないで」という叫び声に、梶は呆然として降伏した。梶はソ連陣地に連れられていった。収容所には桐原がいて、捕虜を管理していた。寺田が大豆を盗んだことが発覚して、桐原は寺田をなぐった。寺田は高熱に苦しんだ。梶は寺田のかわりに作業をサボって食糧をあさった。桐原はソ連将校に告口をし梶はサボタージュの罰として重労働を言いわたされた。森林軌道の撤去作業についた。収容所へ帰った梶は、寺田が桐原になぐり殺されたことを知った。その夜、梶は寺田の殺された便所の裏で桐原をなぐり殺した。梶は鉄条網を抜け出した。やがて、雪が降りだした。「美千子、僕は君のところへ帰るよ」とつぶやきながら梶は倒れた。その上に雪が降りしきった。
スタッフ・キャスト
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梶仲代達矢
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美千子新珠三千代
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丹下一等兵内藤武敏
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弘中伍長諸角啓二郎
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寺田二等兵川津祐介
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朝鮮へ行く兵長高原駿雄
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匹田一等兵清村耕次
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井出一等兵広沢忠好
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竜子岸田今日子
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梅子瞳麗子
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石炭屋上田吉二郎
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妻石本倫子
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老教師御橋公
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妻南美江
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雑貨屋坊屋三郎
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妻中村美代子
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永田大尉須賀不二男
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中国人老農夫陳東海
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桐原伍長金子信雄
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福本上等兵平田守
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氏家上等兵菊池勇一
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避難民中年の女菅井きん
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避難民少女中村玉緒
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避難民少年真藤孝行
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朝鮮人成瀬昌彦
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小椋上等兵陶隆司
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洞窟隊長石黒達也
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北郷曹長垂水悟郎
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避難民長老宇野重吉
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避難民中年の女高峰秀子
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吉良上等兵山内明
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捕虜隊長野毛少佐二本柳寛
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ソ連軍書記トニー・パークス
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輸送将校E・キーン