「ぼくならどうする?あなたは?」アメリカン・ヒストリーX manamboさんの映画レビュー(感想・評価)
ぼくならどうする?あなたは?
米国の人種問題をモチーフにした映画。凶暴、差別的、排他的、独善的、偏見まみれでひとかけらの倫理もない憎悪に満ちた言葉がマシンガンのようにあなたに投げかけられ、同意を求められる。これが映画では、ギャングのたわ言だけでなく、家族の朝食の団らんの中で優しい父の言葉としても語られるのだ。
実は、思い込んだ事実に基づいた独り善がりな論理性は、根本的な倫理に反しながらそれなりに社会に居場所を見つけてしまう。この手のまやかしにどう立ち向かうのか。この映画が突きつけた問いは、いつもぼくたちの眼の前にあるテーマだと思う。答えは対話と信じることにあって、決して怒りではないはずだ。
コメントする